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この人生、採点中  作者: 夜凪 灯
第二章 あなたは、誰の採点者ですか

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Review41「置いていかれた先生」

 誰かに「ありがとう」と言われた日のことは、案外よく覚えている。


 初めて担任したクラスの卒業式。進路が決まった生徒から届いた報告。何年も経ってから、偶然街で再会した教え子の笑顔。


 教師を続けていれば、そういう瞬間がある。


 もちろん、感謝されたくて働いているわけではない。それでも、疲れ切って帰宅した夜に、たった一言の「ありがとう」を思い出して救われることはあった。


 けれど、高瀬悠介は考えたことがなかった。


 誰かに感謝された、その同じ日に。


 別の誰かが、自分を待っていたかもしれないということを。



◇



 午前七時五十六分。


「第二資料室、許可が下りた」


 職員室へ入るなり、真壁がそう言った。


 高瀬は、飲みかけのコーヒーを机へ置いた。


「早っ」


「昨日のうちに申請しておいた」


「仕事できるな、お前」


「知ってる」


「謙遜しろよ」


「時間の無駄だ」


 藤原が、二人のやり取りを聞いて笑った。


「でも、よかったですね。これで残りのアンケートを確認できます」


「うん」


 高瀬は頷いた。


 昨夜のReview。


『先生が、先生じゃなくなるから』


 その言葉が、頭から離れなかった。


 教師を辞めるという意味なのか。


 それとも、もう一人の高瀬が現れることを指しているのか。


 そして何より、少年はなぜ、それを恐れていたのか。


「……今日こそ、少しは分かるかな」


 高瀬が呟くと、真壁が書類を机へ置いた。


「分からない可能性もある」


「夢のないこと言うなあ」


「期待しすぎると、見たいものしか見なくなる」


 高瀬は、少しだけ黙った。


 確かにそうだった。


 ここまで何度も、都合のいい答えを探してきた。


 もう一人の自分が悪かったのだと思えば、今の自分は少し楽になる。


 Reviewが間違っていると思えば、自分を責めなくて済む。


 けれど、そうやって選んだ答えは、いつも何かを見落としていた。


「……了解」


 高瀬は、ノートを閉じた。


「今日は、書いてあることをちゃんと読む」


 藤原が頷く。


「はい。三人で」


 真壁は腕時計を確認した。


「まず授業な」


「分かってるって」


「顔が今すぐ行きたいって言ってる」


「俺の顔、情報量多すぎない?」


「十三年分の疲労も出てる」


「余計なお世話だ!」


 藤原が笑った。


 その笑い声を聞きながら、高瀬は思った。


 去年の自分にも、こんな朝があったのだろうか。


 誰かとくだらない話をして。


 少しだけ笑って。


 それから教室へ向かう朝が。



◇



 午後四時四十八分。


 旧校舎の廊下は、相変わらず静かだった。


 窓から差し込む夕日が、床に長い影を落としている。使われなくなった教室の扉には薄く埃が積もり、掲示板には昨年度の行事予定が残っていた。


 三人は、廊下の突き当たりへ向かった。


『第二資料室』


 真壁が鍵を差し込む。


 古い金属音がして、扉が開いた。


「……うわ」


 高瀬が思わず声を漏らす。


 室内には、書類棚が並んでいた。


 段ボール。


 古いファイル。


 使われなくなった教材。


 壁際には、壊れた椅子まで積まれている。


「これ、全部調べるの?」


「目的の資料だけだ」


 真壁が答える。


「去年十月のアンケート。保管番号も分かってる」


「有能すぎる」


「二回目だぞ」


「何回でも言う」


 藤原が棚の番号を確認した。


「……ありました」


 思っていたより早かった。


 棚の中段。


 薄い灰色のファイル。


 背表紙には、手書きでこう記されていた。


『授業アンケート 十月九日』


 高瀬は、息を呑んだ。


 真壁がファイルを取り出し、机の上へ置く。


「開くぞ」


「……うん」


 表紙をめくる。


 一枚目。


 二枚目。


 三枚目。


 同じ設問が並んでいた。


『あなたは、この先生に明日も学校へ来てほしいですか』


 回答は、ばらばらだった。


『来てほしい』


『授業が分かりやすいから』


『どちらでもいい』


『たまには休んでほしい』


 高瀬は、一枚ずつ読んでいった。


 どれも、特別な文章ではない。


 子どもらしい、率直な言葉だった。


 けれど、十枚目を過ぎた頃から、少しずつ違和感が生まれ始めた。


『先生は、最近ずっと疲れていると思います』


『前みたいに笑わなくなりました』


『授業中に、同じことを二回聞かれました』


『先生が休んだ日は、少し安心しました』


 高瀬の指が止まった。


「……安心?」


 藤原が、隣から覗き込む。


「先生が休んだ日に、ですか」


「……うん」


 高瀬は、続きを読んだ。


『先生がいると、ちゃんとしなきゃって思うから』


『怒られるわけじゃないけど、失敗したら先生が悲しそうな顔をする』


『先生が頑張ってるから、僕も頑張らないといけない気がする』


 高瀬は、ゆっくり紙を置いた。


 真壁が、何も言わずに次の用紙を差し出す。


 そこにも、似た言葉があった。


『先生は優しいです』


『でも、最近は優しくされると苦しくなります』


 高瀬は、息を止めた。


「……何だよ、これ」


 声が掠れる。


 自分は、頑張っていた。


 生徒のために。


 誰かを置いていかないために。


 少しでもいい教師でいるために。


 それなのに。


 その頑張りが、生徒たちを苦しくさせていた。


 藤原が、静かに言った。


「……高瀬先生」


「うん」


「これ、先生を責めているわけじゃないと思います」


 高瀬は、顔を上げた。


「どういうこと?」


「子どもたちは、先生が大変そうだって気付いていたんです」


 藤原は、一枚のアンケートを指差した。


『先生も、たまには休んでください』


「……この子たち、心配してたんですよ」


 高瀬は、紙を見つめた。


 心配。


 自分が生徒を心配することは、当たり前だった。


 けれど。


 生徒に心配されていたことは、少しも考えていなかった。


「……そっか」


 高瀬は、呟いた。


「俺、心配されてたんだな」


 真壁が、隣で頷く。


「そう読める」


 高瀬は、苦笑した。


「……全然気付いてなかった」


「気付いてなかったことと、何もしてなかったことは違う」


 真壁が言った。


「今は、続きを読め」


 高瀬は頷いた。


 そして、次の用紙をめくった。



◇



 二十四枚目。


 そこには、短い文章があった。


『先生が二人いるみたいです』


 高瀬の手が止まる。


「……え?」


 藤原が顔を近付けた。


「二人?」


 真壁も、紙を見る。


 回答は続いていた。


『いつもの先生は、間違えても笑ってくれます』


『でも、もう一人の先生は、間違えるとすごく悲しそうな顔をします』


『怒ってないのに、怖いです』


 高瀬は、ゆっくり息を吐いた。


「……これ」


 真壁が頷く。


「もう一人のお前のことかもしれない」


 高瀬は、文章を読み返した。


 怒っていない。


 でも、怖い。


 悲しそうな顔をする。


 その言葉が、胸に引っかかった。


 自分にも覚えがあった。


 生徒が失敗した時。


 叱るより先に、自分が落ち込んでしまうこと。


 自分の教え方が悪かったのかもしれない。


 もっと準備すればよかった。


 ちゃんと見ていれば防げた。


 そう考えて、表情を曇らせてしまうこと。


 それは、生徒を責めているつもりではなかった。


 でも。


 生徒からすれば。


 自分が失敗したせいで、先生が悲しんでいるように見えたのかもしれない。


「……俺も、やってたな」


 高瀬が呟く。


 藤原が、顔を上げた。


「何をですか?」


「生徒が失敗すると、俺まで落ち込むこと」


「……ああ」


「怒ってるわけじゃないんだよ。でも、どうしたらよかったんだろうって考えすぎて」


 真壁が、静かに言った。


「それを生徒に見せてた?」


「……多分」


 高瀬は、紙を見つめた。


 もう一人の自分。


 選ばなかった方。


 その高瀬も、同じように考えていたのだろうか。


 ただ、今の自分より。


 ずっと強く。


 ずっと深く。


 誰かの失敗を、自分の責任だと思っていたのだろうか。



◇



 三十一枚目。


 藤原が、紙をめくる手を止めた。


「……これ」


 高瀬が顔を上げる。


「何?」


 藤原は、すぐには答えなかった。


 代わりに、紙を高瀬へ差し出した。


 そこには、こう書かれていた。


『先生は、誰かを助けたって言ってました』


『でも、僕たちは、先生が誰を助けたのか知りません』


『先生が助けた人は、どこにいるんですか』


 高瀬は、動けなくなった。


「……誰を助けた?」


 真壁が、紙を覗き込む。


「十月九日だな」


「……うん」


 高瀬は、ゆっくり頷いた。


 去年。


 自分は、誰かを助けた。


 少なくとも、そう言っていた。


 でも。


 生徒たちは、その相手を知らない。


 誰を助けたのか。


 どこにいるのか。


 それを聞いている。


 高瀬は、あの少年の顔を思い浮かべた。


 No.001。


 三十七人目。


 記録から消えた生徒。


「……あいつか?」


 藤原が、静かに答えた。


「可能性はあります」


 真壁が、次の用紙をめくった。


「……待て」


「何?」


「これを見ろ」


 三十二枚目。


『先生は、昨日と今日で違います』


『昨日の先生は、誰かを助けに行きました』


『今日の先生は、ずっと教室にいます』


 高瀬は、息を止めた。


「……昨日と今日」


 十月八日。


 十月九日。


 その二日間。


 生徒たちは、何かを見ていた。


 自分たちの知らないところで。


 二人の高瀬が、別々の行動をしていた。


 そして。


 その違いに、気付いていた。


 真壁が、低い声で言った。


「……高瀬」


「うん」


「これ、単に性格が違うって話じゃないな」


 高瀬は頷いた。


 昨日の先生。


 今日の先生。


 誰かを助けに行った先生。


 教室に残った先生。


 二人は、同じ場所にいなかった。


 同じ時間を過ごしていなかった。


 だから。


 違うものを見た。


 違うものを失った。



◇



 三十六枚目。


 高瀬は、最後の用紙を手に取った。


 そこには、短い文章があった。


『先生へ』


『昨日、先生がいなくなった時、僕たちは待っていました』


『でも、先生は帰ってきませんでした』


『代わりに、もう一人の先生が来ました』


 高瀬は、息を呑んだ。


 藤原も、真壁も、黙っている。


 文章は続いていた。


『その先生は、僕たちの名前を全部知っていました』


『でも、僕たちが昨日何をしたかは、知りませんでした』


『だから、僕は聞きました』


『先生、昨日どこにいたんですか』


 高瀬の指が震えた。


 その下。


 最後の一文。



『先生は、泣きました』



 高瀬は、紙を置いた。


 泣いた。


 もう一人の自分が。


 生徒の前で。


 なぜ。


 何が、そんなに悲しかったのか。


 高瀬は、考えた。


 昨日の先生は、誰かを助けに行った。


 今日の先生は、教室にいた。


 そして。


 教室にいた先生は、昨日のことを知らなかった。


 名前は知っている。


 顔も知っている。


 でも。


 一緒に過ごした昨日がない。


「……そういうことか」


 高瀬が呟いた。


 藤原が、顔を上げる。


「何がですか?」


「もう一人の俺」


 高瀬は、ゆっくり言った。


「生徒を知らなかったんじゃない」


 一拍。


「生徒との昨日を、持ってなかったんだ」


 真壁が、黙って頷いた。


 同じ顔。


 同じ名前。


 同じ職業。


 同じ記憶。


 それでも。


 選ばなかった方には。


 選んだ後の時間がない。


 高瀬は、紙を見つめた。


「……そりゃ、泣くよな」


 自分の生徒が目の前にいる。


 名前も知っている。


 大切だと思っている。


 でも。


 その子たちと昨日何を話したのか。


 何を笑ったのか。


 何を約束したのか。


 自分だけが知らない。


 それは。


 どれほど孤独だっただろう。


 高瀬は、ようやく少しだけ分かった気がした。


 置いていかれた先生。


 その意味を。



◇



 午後六時十三分。


 三人は、ファイルを閉じた。


 室内は、すっかり薄暗くなっていた。


 藤原が、静かに言った。


「……三十七枚目は、あの少年のものですね」


「うん」


 高瀬は頷いた。


 昨日までの先生。


 今日の先生。


 その両方を見ていた少年。


 そして。


 置いていかれた先生を、怖がっていた少年。


「……あいつ、何を知ってたんだろうな」


 真壁が、ファイルを棚へ戻す。


「それを調べるには、相談室も確認する必要があるかもしれない」


「……隣の?」


「ああ」


 高瀬は、壁の向こうを見た。


 第二資料室の隣。


 使われなくなった相談室。


 去年の自分が、誰かと話したかもしれない場所。


 その時。


 藤原が、小さく声を上げた。


「……あれ?」


「どうした?」


「このファイル」


 藤原は、表紙の裏を指差した。


 そこに、小さな紙が貼られていた。


 保管記録。


 最後の確認者。


 日付。


 十月十日。


 氏名。


『高瀬悠介』


 高瀬は、眉を寄せた。


「……俺?」


 真壁が頷く。


「そう書いてある」


「でも、十月十日は病気休暇だったはずだろ」


「そうだな」


 高瀬は、記録を見つめた。


 十月九日から三日間。


 自分は、学校を休んでいた。


 なのに。


 十月十日。


 自分の名前で、ファイルが確認されている。


 もう一人の高瀬。


 その存在を示す記録が、また一つ増えた。


 しかし。


 その下に、もう一つ欄があった。


『確認目的』


 手書きの文字。


『未回収者の確認』


 高瀬は、首を傾げた。


「……未回収者?」


 藤原が、ファイルを見直す。


「でも、三十七枚全部回収されてますよね」


「そうだな」


 真壁が答える。


 高瀬は、保管記録を見つめた。


 配布数、三十七。


 回収数、三十七。


 なのに。


 未回収者の確認。


 おかしい。


 高瀬は、もう一度ファイルを開いた。


 一枚目。


 二枚目。


 三枚目。


 最後まで確認する。


 三十六枚。


 そして。


 少年の一枚。


 三十七枚。


 数は合っている。


 しかし。


 高瀬は、ふと気付いた。


「……待って」


 藤原が顔を上げる。


「何ですか?」


「このアンケート」


 高瀬は、紙を並べた。


「全部、同じ日付だよな」


「はい」


「でも、三十六枚は普通の授業アンケートで、あいつの一枚だけ内容が違う」


 真壁が、紙を見る。


「……確かに」


 高瀬は、少年の用紙を指差した。


 そこには、ほかの用紙と同じ設問がある。


 けれど。


 自由記述欄の文章が、明らかに違う。


 先生が来ないと困る。


 でも、来ると困る人もいる。


 先生が、先生じゃなくなる。


 そして。


 置いていかれた先生が怖い。


「……これ」


 高瀬が呟いた。


「本当に、同じ日に書かれたのか?」


 真壁が、顔を上げた。


「どういう意味だ?」


「分からない。でも、あいつだけ、知ってることが多すぎる」


 藤原が、少年の用紙を見つめた。


「……未来のことを、知っていた?」


 高瀬は、すぐには答えなかった。


 Review。


 未来通知。


 日付を越えた電話。


 もう一人の自分。


 この世界では、時間の順番さえ信用できない。


 だからこそ。


 決めつけたくなかった。


「……まだ分からない」


 高瀬は、そう答えた。


 そして。


 少年のアンケートを、丁寧にファイルへ戻した。



◇



 午後十一時四十七分。


 高瀬は、自宅でノートを開いた。


 今日分かったことを整理する。


・昨年十月九日、三十七枚のアンケートが回収されていた。


・生徒たちは、二人の高瀬の違いに気付いていた。


・もう一人の高瀬は、生徒との「昨日」を持っていなかった。


・少年は、置いていかれた高瀬を怖がっていた。


・十月十日、休暇中の高瀬名義でファイルが確認されていた。


 高瀬は、最後の一行を見つめた。


 もう一人の自分。


 選ばなかった方。


 その高瀬は、何を思っていたのだろう。


 自分の知らない昨日を持つ生徒たち。


 自分の知らない昨日を持つ同僚たち。


 そして。


 自分の知らない昨日を持つ、もう一人の自分。


 高瀬は、ペンを置いた。


「……そりゃ、怖いよな」


 少年が怖がっていた理由。


 少しだけ、分かった気がした。


 置いていかれた先生は、何かを奪おうとしていたのではない。


 ただ。


 自分の居場所を、失っていた。


 その時。


 スマートフォンが震えた。


――ブッ。


【Review】


本日の行動を評価します。


★★★★★


良かった点。


あなたは、もう一人の自分を

「悪い方」と決めつけませんでした。


改善点。


あなたは、まだ

「置いていかれた理由」を

理解していません。


 高瀬は、画面を見る。


「……理由?」


 次の表示。


【Review Log】


昨年十月九日。


高瀬悠介。


選択結果を確認。


【選択】


No.001を救う。


 高瀬は、息を止めた。


 あの少年。


 自分は、彼を救うことを選んだ。


 そして。


 もう一人の自分は、置いていかれた。


 高瀬は、画面を見つめた。


「……やっぱり」


 次。


【選ばれなかった結果】


高瀬悠介。


 高瀬の指が止まる。


「……俺?」


 もう一人の自分。


 救われなかった方。


 高瀬は、息を呑んだ。


 そして。


 最後の表示。



【未選択者の記録】


『俺だって、助けてほしかった。』



 高瀬は、動けなくなった。


 その言葉は。


 誰かを責める言葉ではなかった。


 怒りでも。


 憎しみでもなかった。


 ただ。


 助けてほしかった。


 それだけだった。


 高瀬は、スマートフォンを伏せた。


 胸の奥が、苦しくなる。


 自分は、少年を救おうとした。


 その選択を、間違いだったとは思わない。


 でも。


 選ばれなかった自分にも。


 助けを求める声があった。


 高瀬は、ノートを開いた。


 そして。


 今日、最後の一行を書いた。



『俺は、俺の声を聞いていなかった。』



 ペンを置く。


 静かな部屋。


 時計の針だけが進んでいる。


 高瀬は、目を閉じた。


 もう一人の自分が、何を失ったのか。


 ようやく。


 少しだけ、分かった。


 だからこそ。


 次に会えたなら。


 聞いてみたいと思った。



『お前は、何を助けてほしかった?』



 その問いに、まだ答えはない。


 けれど。


 今度は。


 答えを聞く前に、採点するつもりはなかった。



【End】

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