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この人生、採点中  作者: 夜凪 灯
第二章 あなたは、誰の採点者ですか

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Review39「消したかった言葉」

 人間は、言ったことを忘れる。


 腹が立っていたから。


 疲れていたから。


 そんなつもりではなかったから。


 理由はいくらでもある。


 けれど、言われた人間まで忘れてくれるとは限らない。


 むしろ、言った側が忘れてしまった一言ほど、相手の中に長く残っていることがある。


 高瀬悠介は、教師になってから何度もそれを生徒に教えてきた。


 言葉は、消しゴムでは消せない。


 だから、相手の気持ちを考えて話そう。


 そう言い続けてきた。


 それなのに。


 自分が誰かに残した言葉を、自分自身が消していた。



◇



 翌朝、職員室。


「……昨日のこと、考えてたんだけど」


 高瀬がそう切り出すと、真壁は書類から顔を上げずに答えた。


「寝たのか」


「第一声それ?」


「質問に答えろ」


「六時間」


「合格」


「何の採点だよ」


 真壁はようやく顔を上げた。


「それで?」


「俺が消したのは、桐谷とあの子に対する評価だった」


「ああ」


「でも、それだけで二人の記録がDELETEDになるのはおかしい」


 藤原が、隣の席から会話に加わる。


「評価と本人の記録が、どこかで結び付いているんでしょうか」


「可能性はある。でも、まだ分からない」


 高瀬はノートを開いた。


 昨日、旧校舎で見つけた桐谷の手紙。その内容も、忘れないうちに書き写してある。


『辞めても、続けても、俺は友達だから。』


 その一文を見た途端、胸の奥が少し痛んだ。


「……桐谷は、俺に選ばせてくれたんだよな」


 真壁が頷く。


「少なくとも、あの手紙ではな」


「それなのに俺は、あいつの評価を消した」


「理由はまだ分からないだろ」


「うん。だから、考えたい」


 高瀬は、ノートの空白に二つの名前を書いた。


 桐谷。


 No.001。


 そして、その横に一つずつ問いを添える。


『俺は、二人をどう評価した?』


 真壁が覗き込んだ。


「……嫌な質問だな」


「何で?」


「友達と生徒に点数をつけた理由を考えてるから」


 高瀬は、ペンを止めた。


 確かにそうだった。


 いつの間にか、Reviewが使う言葉を、自分も当たり前のように使っている。


「……そうだな」


 高瀬は問いを二重線で消した。


 代わりに書く。


『俺は、二人に何を言った?』


 藤原が、その文字を見て小さく頷いた。


「こっちの方が、調べられそうですね」


「ああ」


 真壁も頷く。


「少なくとも、本人の言葉が残っていればな」


 高瀬は、桐谷の手紙に目を落とした。


 残っている。


 あいつの言葉は、残っている。


 ならば。


 自分の言葉だって、どこかに残っているかもしれない。



◇



 昼休み。


 高瀬が職員室へ戻ると、机の上に一枚のプリントが置かれていた。


 授業の振り返り用紙。


 名前欄には、昨日の道徳で発言していた女子生徒の名前が書かれている。


 裏面には、小さな文字があった。


『先生へ。昨日の授業で言えなかったことがあります。』


 高瀬は椅子に座り、続きを読む。


『私は、習い事をやめようか迷っています。


 ずっと続けてきたから、やめたら今までの頑張りが無駄になる気がします。


 でも、最近は行く前からお腹が痛くなります。


 先生は、やめてもいいって言ってくれたけど、本当にやめて後悔しないかは分かりません。


 どうしたらいいですか。』


 高瀬は、しばらく紙を見つめた。


 昨日の授業。


 続けることと、やめること。


 どちらが正しいか。


 生徒たちは、それぞれの考えを話していた。


 でも、この子にとっては、ただの授業ではなかったのだ。


 自分のことだった。


「……そりゃ、簡単に決められんよな」


 高瀬は赤ペンを取った。


 返事を書こうとして、止まる。


『やめてもいいと思うよ。』


 そう書けば、少しは安心するかもしれない。


 けれど、本当にやめたいのかは、まだ分からない。


『もう少し頑張ってみよう。』


 そう書けば、励ましたことになるかもしれない。


 けれど、その頑張りが本人を追い詰める可能性もある。


 高瀬は、赤ペンを置いた。


 そして、プリントを丁寧に折り畳んだ。


 返事を書く前に、話を聞こう。


 そう決めた。



◇



 放課後。


「先生、プリント見ました?」


 女子生徒が、少し不安そうに聞いた。


「見たよ」


「……何て書いてありました?」


「お前が書いたんだろ」


「そうだけど!」


 高瀬が笑うと、生徒も少しだけ笑った。


 二人は、廊下の端にあるベンチへ腰を下ろした。


 近くでは、部活動へ向かう生徒たちの声が響いている。


「……で、どうしたらいいと思う?」


 女子生徒が聞いた。


 高瀬は、少し考えてから答えた。


「まず、何が一番しんどい?」


「……習い事」


「その中の何が?」


「全部」


「全部か」


「うん」


 生徒は、膝の上で指を組んだ。


「前は好きだったんだけど、最近、先生に怒られるのが怖くて」


「うん」


「行く前から、また失敗するかもって思う」


「そっか」


「でも、やめたら逃げたことになるって言われる気がする」


 高瀬は、その言葉を聞いていた。


 逃げたことになる。


 昨年の自分も、同じようなことを考えていたのだろうか。


 教師を辞めたら。


 生徒を置いていくことになる。


 途中で投げ出すことになる。


 逃げたことになる。


 だから、辞められなかった。


「……先生?」


「あ、ごめん」


 高瀬は、顔を上げた。


「ちょっと考えてた」


「私のこと?」


「半分」


「半分?」


「残り半分は、先生の宿題」


「先生にも宿題あるんだ」


「めちゃくちゃあるぞ」


 女子生徒が笑った。


 高瀬も笑う。


 それから、少しだけ身体を生徒の方へ向けた。


「一個だけ、聞いていい?」


「うん」


「もし誰にも怒られないし、誰にもがっかりされないとしたら、どうしたい?」


 女子生徒は、すぐには答えなかった。


 廊下を走る足音が遠ざかる。


 窓の外では、部活動の掛け声が聞こえ始めていた。


「……休みたい」


 小さな声だった。


「やめたい、じゃなくて?」


「……うん」


 生徒は、俯いた。


「一回、休みたい」


 高瀬は頷いた。


「じゃあ、まずそこから考えようか」


「……いいの?」


「何が?」


「やめるか続けるか、決めなくても」


「今すぐ決めなきゃいけない理由、ある?」


「……ない」


「なら、休むっていう選択肢もあるだろ」


 女子生徒は、しばらく黙っていた。


 そして、少しだけ笑った。


「……そっか」


「うん」


「私、二つしかないと思ってた」


「先生も最近まで、そういうことよくあった」


「先生も?」


「先生も」


 高瀬は、苦笑した。


 続けるか。


 辞めるか。


 救うか。


 見捨てるか。


 正しいか。


 間違いか。


 Reviewは、いつも選択肢を並べてきた。


 けれど。


 選択肢が二つしかないと、誰が決めたのだろう。


「……先生」


「ん?」


「話してよかった」


 高瀬は、その言葉を受け取った。


「そっか」


「うん」


「じゃあ、今日はそれで十分だな」


 女子生徒が立ち上がる。


「ありがとうございました!」


「おう。家でも相談してみな。必要なら先生も一緒に考えるから」


「はい!」


 生徒は、軽い足取りで廊下を歩いていった。


 高瀬は、その背中を見送った。


 正しい答えを教えたわけではない。


 何かを解決したわけでもない。


 ただ。


 話を聞いた。


 それだけだった。


 十五年前。


 あの嫌いだった先生が、教室でしていたことと同じだった。



◇



 午後五時四十八分。


 高瀬は、藤原と真壁に、今日の出来事を話していた。


「……休むっていう選択肢か」


 真壁が呟く。


「うん」


「去年のお前にも必要だったかもな」


「俺もそう思う」


 藤原が、少し笑った。


「でも、高瀬先生って休むの苦手ですよね」


「得意な人いる?」


「いますよ」


「誰?」


「真壁先生」


 真壁が顔を上げた。


「俺?」


「定時になったら帰るじゃないですか」


「仕事が終わってればな」


「高瀬先生は終わってなくても仕事を増やします」


「……反論できない」


 真壁は、少し考えてから言った。


「お前、去年もそうだったんじゃないか」


「何が?」


「辞めたいのに、辞められない。休みたいのに、休めない」


「……うん」


「で、もう一人のお前が出てきた」


 高瀬は頷いた。


「そうなるな」


「そいつが『辞めるな』って言った理由、もしかしたら……」


 真壁は、そこで言葉を止めた。


「……いや」


「何?」


「まだ推測だ」


「言ってくれよ」


「もう一人のお前は、教師を続けたかったんじゃないか」


 高瀬は、黙った。


「でも、今のお前は辞めたかった」


「……うん」


「同じ人間でも、違う選択をしたなら、違うものを失う可能性がある」


 藤原が、真壁を見る。


「だから、辞めるなと?」


「分からん。ただ、もう一人のお前が自分の選択を正当化したかった可能性はある」


 高瀬は、考えた。


 もう一人の自分。


 選ばなかった方。


 Review000。


 そして。


 あの少年。


「……もし」


 高瀬が言った。


「もう一人の俺が、何かを失ってたとしたら」


 藤原が顔を上げる。


「はい」


「今の俺には、同じものを失ってほしくなかったのかもしれない」


 真壁が頷いた。


「その可能性もある」


 高瀬は、ノートを見る。


 桐谷。


 No.001。


 そして、自分。


 誰かを守ろうとして、誰かを傷つけた。


 その記録だけが残っている。


「……何を失ったんだろうな」


 高瀬が呟いた。


 誰も答えなかった。



◇



 午後六時三十二分。


 真壁が、机の引き出しから一枚の紙を取り出した。


「そういえば、これ」


「何?」


「昨日、旧校舎から持ち帰った資料を整理してたら見つけた」


「……何で今出すんだよ」


「授業中に渡せと?」


「そうじゃないけど」


 真壁は、紙を机に置いた。


 古いコピー用紙。


 上部には、印刷された文字がある。


『授業アンケート』


 高瀬は、目を細めた。


「……これ」


「覚えてるか?」


「いや」


 藤原が、紙を覗き込む。


「授業アンケート?」


「普通のやつだと思う」


 真壁が言った。


「ただ、日付が去年の十月九日になってる」


 高瀬の表情が変わった。


 十月九日。


 退職意思を撤回した日。


 桐谷が消えた時期。


 Review000の記録が残る日。


 高瀬は、紙を手に取った。


 内容は、よくある授業アンケートだった。


『授業は分かりやすかったですか』


『先生の説明は聞き取りやすかったですか』


『授業で困ったことはありましたか』


 五段階評価。


 自由記述欄。


 どこの学校にもありそうな形式。


 しかし。


 最後の設問だけが、違った。


『あなたは、この先生に明日も学校へ来てほしいですか』


 高瀬は、手を止めた。


「……何だ、これ」


 藤原が、眉を寄せる。


「普通の授業アンケートには、あまりない質問ですね」


 真壁が頷く。


「しかも、選択肢がない」


「……選択肢?」


 高瀬は、紙を見る。


 確かに。


 最後の設問だけ、五段階評価になっていない。


 自由記述欄。


 ただ、一つ。


 誰かの字で、答えが書かれていた。



『来てほしい。』



 高瀬は、その文字を見つめた。


 少し右上がりの字。


 見覚えがある。


「……桐谷?」


 真壁が首を振る。


「違うと思う」


「じゃあ……」


 高瀬は、もう一度見る。


 そして。


 胸の奥が、強く痛んだ。


 この字を知っている。


 答案用紙。


 69点。


 名前欄。


 あの少年。


「……あいつだ」


 藤原が、息を呑む。


「No.001?」


 高瀬は頷いた。


 間違いない。


 あの少年の字だった。


 そして。


 自由記述欄には、もう一つ文章があった。



『先生が来ないと、困ります。』



 高瀬は、紙を握りしめた。


 胸が締め付けられる。


 教師を辞められなかった理由。


 あいつを一人にしないため。


 その言葉が、頭の中で繋がり始める。


 けれど。


 次の一文を読んだ瞬間。


 高瀬は、息を止めた。



『でも、先生が来るせいで、困る人もいます。』



「……え?」


 藤原が、顔を上げる。


 真壁も、紙を覗き込んだ。


 高瀬は、最後の一文を見る。



『だから、僕は先生を評価できません。』



 高瀬は、動けなかった。


 No.001。


 最初の評価者。


 ★★★★★。


 先生でよかった。


 そう言ってくれた少年。


 その少年が。


 評価できないと書いている。


「……どういうことだよ」


 高瀬は、呟いた。


 真壁が、静かに言った。


「……高瀬」


「何」


「その紙、裏は?」


 高瀬は、ゆっくり紙を裏返した。


 そこには、赤い文字があった。


 高瀬自身の字だった。



『評価不能』


『理由:この生徒の回答は矛盾している。』



 高瀬の指が止まった。


「……俺が、書いた?」


 藤原が、紙を見つめる。


「……高瀬先生」


「うん」


「これ、少し変じゃないですか?」


「何が?」


「この子は、先生に来てほしいと言ってる。でも、来るせいで困る人もいると言ってる」


「……うん」


「それって、本当に矛盾なんでしょうか」


 高瀬は、答えられなかった。


 来てほしい。


 でも、困る人もいる。


 両方、本当かもしれない。


 両方、同時に思っていたのかもしれない。


 それなのに。


 過去の自分は。


 矛盾していると決めつけた。


 評価不能。


 そう書いた。


 高瀬は、赤い文字を見つめた。


「……俺」


 声が掠れる。


「この子の気持ちを」


 一拍。


「間違いだって言ったのか」



◇



 その夜。


 午後十一時五十六分。


 高瀬は、自宅で、あのアンケートをもう一度読んでいた。


 桐谷の手紙。


 少年の回答。


 そして、自分の赤い文字。


『評価不能』


 高瀬は、何度もその文字を見た。


 教師として、何度も生徒の答案に赤ペンを入れてきた。


 間違いを直すため。


 分かりやすくするため。


 次に繋げるため。


 でも。


 これは違う。


 生徒の気持ちに。


 正誤をつけている。


「……最低だな」


 思わず、呟く。


 その瞬間。


 高瀬は、口を閉じた。


 まただ。


 すぐに、自分へ点数をつけようとしている。


 最低。


 間違い。


 失格。


 そう言えば、考えなくて済む。


 なぜ、そう書いたのか。


 何を見落としたのか。


 これから、どうするのか。


 そこまで考える前に、自分を罰して終わらせてしまう。


「……違う」


 高瀬は、赤ペンを取った。


 アンケートの『評価不能』に、線を引こうとして止める。


 過去の自分が書いた言葉。


 消してしまえば、なかったことになる。


 でも。


 それでは、また同じだ。


 高瀬は、別の紙を取り出した。


 そして、書いた。



『来てほしいと思う気持ちと、来てほしくないと思う気持ちは、両方あっていい。』



 少し考えて、もう一行。



『矛盾しているのではなく、迷っているのかもしれない。』



 最後に。



『決めつけて、ごめん。』



 高瀬は、ペンを置いた。


 過去の自分が何を考えていたのか。


 まだ分からない。


 でも。


 今の自分なら、こう返す。


 そう思った。


 その時。


 スマートフォンが震えた。



――ブッ。



【Review】


過去の評価記録に

変更を確認しました。



 高瀬は、画面を見る。



【対象】


No.001



【旧評価】


評価不能



【現在評価】


未確定



 高瀬は、眉を寄せた。


「……未確定?」


 次の表示。



【変更理由】


対象者の回答を

矛盾と断定しなかったため。



 高瀬は、息を吐いた。


 点数は出ていない。


 ★★★★★でもない。


 でも。


 それでいい。


 少年が何を思っていたのか。


 まだ分からないのだから。


 高瀬は、スマートフォンを伏せた。


 すると。


 もう一度、震えた。



【Review Log】


削除済み評価の

復元を確認。



【対象者】


No.001



【復元内容】


自由記述欄。



 高瀬は、再び画面を見る。


 そこには、先ほどのアンケートにはなかった文章が表示されていた。



『先生へ。』


『僕は、先生が嫌いになったわけじゃありません。』



 高瀬の、指が止まる。



『ただ、先生が来ると、あの人も来るんです。』



「……あの人?」



 高瀬は、画面を見つめた。



『僕は、あの人が怖いです。』



 背筋が冷たくなる。


 あの人。


 誰だ。


 少年は、誰を恐れていた。



 次の文章。



『でも、先生には言えません。』



『先生は、あの人のことを――』



 そこで、文章が途切れていた。


 高瀬は、思わず画面に触れた。


「……続きは?」


 何も表示されない。


 数秒後。


 最後の一文が現れた。



『大切にしているから。』



 高瀬は、息を止めた。



 少年が恐れていた人物。


 その人物を。


 高瀬は、大切にしていた。



 桐谷。


 高校時代の担任。


 もう一人の高瀬。


 誰なのかは、まだ分からない。


 けれど。


 少年が自分に言えなかった理由だけは、少し見えた。



 先生を困らせたくなかった。


 先生の大切な人を、悪く言いたくなかった。


 だから。


 来てほしい。


 でも、来ないでほしい。


 そう書いた。



 高瀬は、目を閉じた。


「……ごめんな」


 その言葉を口にしてから、首を振る。


 謝る相手は、今ここにいない。


 だから。


 まだ終われない。



 高瀬は、ノートを開いた。


 そして、一つの問いを書いた。



『あの子が怖がっていたのは、誰だ?』



 ペンを置いた、その時。


 スマートフォンが、最後に一度だけ震えた。



【Review】


追加情報。



【No.001】


恐怖対象の記録を確認。



 高瀬は、画面を見る。



【対象者名】


 表示が、一瞬だけ乱れた。



【高瀬悠介】



「……俺?」



 高瀬は、息を止めた。


 少年が恐れていた人物。


 その人物を、高瀬は大切にしていた。


 そして。


 恐怖対象の名前は。


 高瀬悠介。



 今の自分か。


 もう一人の自分か。



 高瀬は、スマートフォンを見つめた。


 画面には、それ以上何も表示されない。


 ただ。


 ノートの上には、二つの言葉が残っていた。



『決めつけて、ごめん。』



 そして。



『あの子が怖がっていたのは、誰だ?』



 高瀬は、ゆっくり息を吐いた。


 少年が、自分を恐れていた。


 その事実を、今度こそ見ないふりはしない。



【End】

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