4:デイブ&ルーク編『買い物』
ルークたちを救出してから2週間。ラゴスのヤツらの動きは特に無い。新聞には大きく一面で『製材所で大虐殺!?ギャング集団「ラゴス」の死体の山』と書かれたが、俺達のことは一切出てこなかった。ネットでそんな情報を探してみたりもしたけど出てこなかったから、多分大丈夫だろう。
ルークたちは俺たちの隠れ家(ショーンの家)で怪我の治療をして、だいたい治ったので1週間程ここを拠点に思い思いの事をすることになった。
「よーし、買い物行くぞー。付いてくる奴いるかー?」
「あっ、行く行く!」
どうやらルークが付いてくるらしい。
「OK。じゃ、車で行くぞ」
俺とルークは隠れ家を出て、外に停めてあるワゴン車に乗り込んだ。
「んで、何を買うんだ?」
ルークが助手席でシートベルトを着けながらこちらを見る。
「まずは1週間分の食料。1週間は無理でも、3日分は買い貯めしとくぞ。あと、この前のドンパチで使った分の弾を買わないとな。ついでに俺たちが世話になってる店を教えてやるよ」
「マジで!?」
ルークは目をキラキラさせる。
「マジだよ。ま、楽しみにしときな。とりあえず出すぞ」
俺はギアを一速に入れてゆっくりと発進した。
車で走ること15分。ショッピングモールに到着すると、俺たちは早速行動を開始した。飲料水やシリアル、冷凍食品やらを買い物カゴいっぱいに詰めてカゴ3つ分。冷凍食品はルークに持ってこさせた。
「お、ちゃんと特売品選んできてるな。良くやった」
ルークはわりと買い物が分かっているようでよろしい。
「お会計、153ドルになりまーす」
ささっと会計を済ませて、ルークと手分けして袋に詰める。袋に詰め終わって、1人4袋ずつ持って車まで運ぶ。運び終えて時計を見ると、大体1時間ほど経っていた。
「1時間か……いつもなら1時間半はかかるから、少し早く終わったみたいだな」
「買い物って結構大変だなぁ……」
「食料を買い貯めするからだよ。普通に必要な分だけ買ってりゃそこまで大変じゃねぇさ。ま、お疲れさん。ほい、コーヒー」
「お、サンキュ」
俺たちは車内で缶コーヒーを飲みながら一息ついた。
「……で、次はどこに行くんだ?」
ルークがこっちを見る。
「次はお待ちかねの俺らが世話になってる店に行くぞ」
「おっ!やったぜ!」
ルークはさっきまでの疲れが無かったかのように元気になった。
「よーし、じゃあ車出すからシートベルトしろー」
「あいよ」
ルークがシートベルトをしたのを確認してから、俺は車を発進させた。
走ること8分。いつも世話になってる銃砲店『Tony-Gun』の前に到着した。
「ここが俺らがいつも世話になってる店だ」
「へぇー……ここなんだ……」
俺は路肩に車を停め、俺たちは車から降りて店の入口に向かった。
店に入ると、いつものようにおっちゃんが店の商品を磨いている最中だった。
「よぉ、おっちゃん。久しぶり」
「おぉ!久しぶりだなぁ。元気にドンパチしてたか?」
「おいおい、元気にドンパチってなんだよ」
「はっはっは、ジョークだジョーク」
いつものように他愛ない会話をする。
「あ、そうだ。新しい客を紹介するぜ。こいつはルーク、俺らのグループの弟分のグループのヤツでな、良かったら仲良くしてくれ」
「ほぉ、ついにお前らも弟分ができたか。いいぜ。よろしくな!ルーク君よぉ」
「よ、よろしく……」
まだ雰囲気に慣れてないのか、ちょっと強ばっている。
「あ、でさ、コイツに『WECA』のこと教えてやりたいんだけど、いいかな?」
「おう、いいんじゃねぇか?今の時間ならレスターとかもいるだろうし、今のうちに挨拶しとけ。鍵は開いてるぞ」
「お、サンキュー。挨拶済んだら弾買ってくぜ」
「あいよ」
おっちゃんはまた商品を磨き始めた。
「ルーク、ついてこい」
「お、おう……」
ルークは恐る恐る俺の後ろについてきた。俺はいつものルートを通って地下道へと向かった。
地下道を抜けると明るい空間に出る。
「わぁ……すげぇ……!」
ルークは周囲を見回しながら目をキラキラさせている。どうやら好奇心が勝っているようだ。
「よぉ、デイブ。久しぶりだなぁ」
こちらに気付いたレスターが歩いてきた。
「お、レスター。久しぶりに挨拶に行っとこうと思って来たんだ」
「おぉ、そうかい。……で、そっちは?」
レスターはルークの方を見る。
「あ、ル、ルークです。よろしく……」
「俺のグループの弟分のグループのヤツでな、最近つるむようになったから、ここを教えてやろうと思って」
「へぇー、そうなのか。ここは『WECA』。フルオート射撃ができるアサルトライフルとか、そういう脱法な銃を扱う取引場だ。火力の高い銃や脱法な銃が欲しかったらここに来るといい」
「……あ、ここには『Wanted』っていう、要するに指名手配制度があるから、代金踏み倒すとかはやめろよ」
ルークに小声で言う。
「ん、んなことしねぇし!」
「ならよし」
「逆に指名手配されてる奴を狩れば金を払うから、そこんとこ憶えといてくれ。あとこれ、新しい顧客祝い兼の在庫余りプレゼントだ。持っていきな」
そう言ってレスターはサブマシンガンをルークに差し出す。
「……え、いいんですか……?」
「ああいいぞ。それは『Mini- UZI』。イスラエルの『UZI』っていうサブマシンガンの小型化モデルだ」
「おっ、結構いいもの貰ったじゃんか。大事に使えよ」
「あ、ありがとうございます!」
ルークは大事そうにそのサブマシンガンを受け取った。
「……んじゃ、挨拶も済んだし、俺らそろそろ帰るわ」
「そうか。またいつでも来な」
「おう。じゃーなー」
俺たちはWECAを後にし、その後Tony-Gunで銃の弾薬を購入した後、おっちゃんと軽く世間話をして店を出た。




