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SLUGGERS!!  作者: ヒラコー
第3章
11/25

4:グレン&ケネス編『似たもの同士?』

 ルークたちを救出してから2週間。ラゴスのヤツらの動きは特に無い。新聞には大きく一面で『製材所で大虐殺!?ギャング集団「ラゴス」の死体の山』と書かれたが、俺達のことは一切出てこなかった。

 ルークたちは俺たちの隠れ家(ショーンの家)で怪我の治療をして、だいたい治ったので1週間程ここを拠点に思い思いの事をすることになった。

「そういや、マイクとショーンはどこに行ったんだ?」

 俺はシリアルを食べながらふと思ったことを口にしてみる。

「あぁ、あいつらなら射撃場に行った」

 ケネスがテーブルの向かい側で同じようにシリアルを食べながら答える。ちなみにデイブとルークは買い物に行った。

「射撃場?」

「マイクの家にあるスナイパーライフルの使い方を教えてもらうんだってさ」

「へぇー……」

「俺たちも何かする?」

「んー……そうだ、お前ん家ショットガンがあるんだっけ?」

「うん。あるよ」

「射撃って得意か?」

「……んー……どちらかと言うと……苦手かなぁ……。どちらかと言うとケンカの方が得意だったり。まぁ、この前は不意を突かれちまったけど」

 ケネスはあはは、と誤魔化し笑いをする。お、こんな所に似たようなヤツが居たぞ。

「実は俺も射撃はあんまり得意じゃなくてよ、ケンカの方が得意なんだ。いっつもデイブに『拳銃の扱いもっとしっかりしろよ』って言われてさぁ」

「え、マジで!?俺もルークから、『射撃の練習しろ』って言われるんだよな……」

ケネスはトホホ、というような顔をする。

「そうだ、お前喧嘩の時とか武器使うか?俺はバット使うんだけど」

「あぁ、この前助けに来てくれた時に見てたよ。見事なバット捌きだった。で、俺はナックルダスターを使ってる。コレなんだけど」

 ケネスはポケットから銀色のナックルダスターを取り出してテーブルの上に置く。

「ほほぉー……なかなかいい得物だ」

「どーも」

「……あ、そうだ。後でちょっと手合わせしてみるか?」

「えぇー!?そんな、先輩に勝てるわけねぇし!ていうか怪我治ったばっかりなのに、また怪我しちまうよ」

 ははは、とケネスは笑う。

「……まぁ、そうだよなぁ……」

「……でも、何する?」

 そう、一番の問題はそこだった。何するか決めないと暇でしょうがない。

「……とりあえず散歩でも行くか」

「……そうだな」

 というわけで俺たちは隠れ家を出た。


 とりあえず歩いて公園へと向かう。歩くこと20分、近所の公園へと辿り着いた。アイス売りの屋台があったので、アイスを買って食べる。ケネスの分は今回は俺の奢りだ。

「やったぜ。ありがとう」

 俺とケネスはアイスを食べながらベンチに座った。

 ベンチで他愛ない会話をしながら30分が経過した頃、俺たちの目線の先には、たまにいるチンピラが5人ほどいた。どうやら通りすがりの女を無理やりナンパしているらしい。

「なぁー、イイじゃんよー?俺らと遊ぼうぜぇ?」

「い、嫌っ!放してよっ!」

 女の方は明らかに嫌がっている。

「……どうする?助けてやるか?」

「そりゃあ助けるでしょ」

「よく言った。うっしゃ行くぞぉ」

 俺たちはベンチから立ち上がり、チンピラ共の元へと向かう。

「なぁイイだろー?」

「嫌だってば!」

「チッ……強情なオンナだなぁ……」

 俺は女の袖を掴んでいたチンピラの1人に話しかける。

「なぁ、お前らやめてやれよ。嫌がってんじゃねぇか」

「あぁ?うっせぇよ。誰だテメェら、俺らにケンカ売ってんのか?」

「別にやめてやれって言ってるだけだろーが、このタコ。なんだ、やるか?あ?」

「んだとテメェ!?」

 チンピラは俺に右手で殴りかかって来る。俺は左手で左に拳を受け流し、そのまま間を詰めて腹に肘打ちを打ち込む。

「うぐぉ……っ!?」

 俺は肘打ちをくらって怯んだチンピラを逃がさずに腕を掴む。

「ケネスコイツ頼んだ」

 そしてケネスの方へと押し飛ばした。

「あい……よっ!」

 ケネスの一撃がチンピラの顔面に入る。思いっきり吹っ飛ぶチンピラ。殴られたチンピラは鼻から血を流して地面を転がり、気絶している。

「おぉ……いい威力してんじゃん」

「伊達に鍛えてねぇし」

 そう言ってケネスはにっと笑う。

「て……テメェら、ふ、ふざけんじゃねーぞぉ!」

 ほかの4人は明らかにビビっている。

「まだやるか?え?」

「……クソッ!テメェら俺たちにケンカ売ったことを後悔すんじゃねぇぞ!俺たちのバックにはあのギャング『マグナム・クラックス』が付いてんだからなぁ!」

 一瞬の沈黙の後、俺は思わず吹き出してしまった。

「何がおかしいんだコラァ!?」

「あっはっはっはっ……いやー、すまんすまん。お前ら最近マグナム・クラックスの奴らに会ったのか?そりゃあスゲェ」

「なんだ、怖気付いたか?あ?」

「いやさぁ、マグナム・クラックスの奴ら、この前俺らがぶっ潰した(・・・・・・・・)から、最近会ったってスゲェなと思って。だってあの世(・・・)じゃんか。はっはっはっ……」

「……は、え……?」

 チンピラ共は絶句している。

「う、嘘垂れてんじゃねぇぞテメェ!」

「別に嘘じゃねぇぞ?なんならテメェらも始末してやろうか?あ?」

「ヒッ……」

「嫌だったらさっさとどっか行け!」

「ヒ、ヒィィ……お、お前ら、行くぞ!」

 チンピラ共は気絶した仲間を連れて逃げていった。

「ふぅ……大丈夫?怪我とかはないか?」

 絡まれていた女は逃げるにも逃げられなかったのか、まだ後ろに突っ立っていたので、とりあえず声をかけてみた。

「え、えぇ。ありがとうございました。これ、助けてくれたお礼に、よかったらどうぞ」

 女は50ドルを俺に手渡してきた。

「おっ、いいのか?それじゃあ、有り難く貰っちゃおうかな。それじゃ、また絡まれないよう気をつけてな」

「ありがとうございました」

 女はケネスの方にも一礼して去っていった。


「にしても、『マグナム・クラックス』潰したのって、グレンたちだったんだな……」

 ケネスがさっきの話の内容を思い出して独りごちる。

「ちょっと前にな。縄張りを横取りしようとされたから、ぶっ潰した」

「へぇー……」

「それより、この金山分けな。うい、25ドル」

 俺はケネスに25ドル差し出す。

「おっ、やったぜ。サンキュー」

 ケネスは25ドル受け取り、財布にしまった。

「……んじゃ、帰るか」

「そうだな」

 俺たちは隠れ家へと向けて歩き出した。

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