2 お金の「本当の価値」
◇選択肢を持てる
質問者:
「お金の本当の価値」とか言われても……単純に「物を買える」って言うだけなんじゃないんですか?
筆者:
それは間違いではありませんけど、100点満点中50点ぐらいの回答に過ぎません。
質問者:
筆者:
例えば世間では「残クレは損」だとか「持ち家は損」だとかそう言う論争がお金にまつわることであると思うんです。
お金を持っていない方の場合は必然的に「今一番出費がかからないもの」を選択しなくてはいけません。
元々の貯金が無いわけですから臨時の出費がとにかく痛いわけですからね。
ところが、お金を持っている場合には自分の価値観や状況などに照らし合わせて「総合的に判断」をすることが可能になるんです。
質問者:
うーん、何となくわかったような分かっていないような……。
お金持ちの方でも安いモノを好む方もいらっしゃると思いますし……。
筆者:
昔から「安物買いの銭失い」と言う言葉があります。それは安いからと言って買ったものが全く使えずただ単に損しただけと言う意味です。
お金があれば品質が良く長く使える物を買えるのです。例えば電化製品で安くても何回も買い替える必要があれば結果的には出費は多くなってしまいます。
勿論、モノによっては安くて品質が良いものもありますが、それはモノ次第です。
先ほど言った通りお金がない場合は「必然的に安いモノしか買えない」と言う状況になるからです。
お金を持っておられる方はそれこそ消費額に敏感である方も多いので、「お金を減らさないために安いのを敢えて買っていることもある」と言う程度に過ぎないのです。
質問者:
「選択肢」と言うのは時に「高くて良いものを買える」という事なんですね。
繰り返して言われる中で何となくわかってきたような気がします……。
◇お金持ちで不幸な人はどういう事になっているのか?
質問者:
何だかここまでのお話だとお金持ちが圧倒的に有利――筆者さんの発言ではそんな雰囲気もありますけど、お金持ちだからって別に不幸そうな人もいます。それはどういう事なんですか?
筆者:
「選択肢がある」と言う表現だとまるでゲームで選択肢を選ぶという感じがありますけど、実際のところリアル社会ではそんなものは見えませんよね?
世の中には色々な無数の概念や可能性、選択肢がありますが、それを知らなければ選ぶことが出来ません。
例えば、学校を選ぶ際に留学と言う選択肢で自分にとってピッタリなプランがあったとしても、それを知らなければ選ぶことは出来ません。しかし、お金がある人の場合は知っていれば選ぶことは出来る。知っていてもお金が無ければ選ぶことが出来ない――こんな感じです。
※お金持ち自らが幸福なのを気づいていない可能性があると思いますが、それについてはズレるので除外しておきます。
質問者:
なるほど、同じ「選ぶことが出来ない」と言う結果でも全く意味が変わってくるという事ですか……。
筆者:
今は「留学」と言う例で見ましたけど、それに類することは日常生活においても無限大にあると思います。
お金を持っていても、選択肢が見えなかったり、しがらみがあったり、総合的に見れば間違った方を選んだり――とそんなに良くない使い方ばかりをしている可能性があるという事です。
要はお金持ちで不幸な方と言うのはその方に合っていない選択をしている――言わば自らの価値観と言う尺度において「選択肢を間違えている」状態なのです。
使う場面を間違えれば「お金を持っていることを見せびらかしているだけ」であり、それは逆に不幸を生みます。
このようにお金は確実に幸福になることは出来ませんし、逆にお金が無くても幸福な方もいると思います。
しかし、その「幅」と言うのは確実にお金を持っている方の方が遥かに大きく、公言していないまでも密かに幸福である方が多いのではないか? という風に僕は考えているわけです。
質問者:
世の中お金だけで幸福が決まるわけでは無いものの
お金が無くても幸福――確かにそう言うこともあるとは思いますけどどこかしらか「やせ我慢」みたいな感じの印象を受けてしまいますからね……。
◇経済的自立は「関係の解消」
筆者:
そして今の世の中において、お金を持つことによって密かに一番大きいと思っているのは「関係の解消」です。
例えば高齢の親が息子からDVなどの虐待を受けているとします。しかし、経済的に依存しているがために別れることが出来ないとします。ここでお金を持っていれば、介護施設に入ることができ、DVから脱却することが出来るのです。
これはDV夫と妻の関係や毒親と子の関係においても言えると思います。
質問者:
確かに経済的に依存しているがために嫌な関係を解消することも出来ないだなんて悲惨すぎますからね……。
筆者:
今はどこも家賃の値上がりが激しく、30,40代であっても25%ほどが実家暮らしをしているというデータもあります。
https://lifull.com/news/43126/
その中には「不本意ながらも親と共同生活を続けている」そんな方も多いのではないかと思いますね。
共同生活はやはり意思疎通がとれる間柄でないとやっていけません。
しかし、お金がないためにどんなに不仲であっても一緒に暮らさなくてはいけない――そんな悲惨な状況を未然に回避することが出来るのも経済力の力なのです。
質問者:
親御さんと仲が良いのであればそれでも良いかもしれませんけど、「選択肢が実家しかない」ともなれば話が変わってきますね……。
筆者:
ここまでは家族との関係解消について語りましたけど、転職についても同様のことが言えます。
転職の際にはスキルアップなどで自らの市場価値を高めることが大事だと言われていますけど、実は転居するだけでお金がかかるんです。
お金がカツカツだと引っ越しのために実は転職すらも難しくなっていくんですね。
引っ越しの代金だけでなく、新しく借りる際には敷金・礼金などが必要なので場所にもよりますけど最低でも30万円ぐらいの貯金が無ければ厳しいです。
そのためにいくらブラック企業であったとしても貯金がないから転居が出来ないから転職できない……と言った事もあり得るんです。
転居すること無く通える企業に転職する事もそれはそれでハードルが高いと思いますしね。
質問者:
なるほど……貯金が無ければ確かに転居も出来ませんからね……。
◇老後では「働かない」と言う選択肢を持つことが出来る
筆者:
そして、お金を持つことで最も注目すべき点は「老後」です。お金を持っていれば年金だけの収入で「働かなくて良い」と言う選択肢を持つことが出来ます。
勿論、社会と繋がりたいがために働きたいと言う方は大いに働いて良いと思います。
しかし、体の言うことが効かなくなっていく段階でそこまで働きたい方が本当に多くいるのでしょうか? 70代になってから働きたい方はいるのでしょうか? ですが現実には70代では35%、後期高齢者の75歳以上でも20%が就業しているという実態があります。https://h1.nu/1FC9w
これらの方々は生活に困っているからこそ、やむを得ずに働きに出ているようにしか見えないわけです。
質問者:
確かに、体が満足に動かせない中で働かなくてはいけないだなんて苦痛すぎますよね……。しかも高齢者の方が就職できる仕事なんて低賃金労働ばかりですから半永久的に働かなくてはいけないですから……。
筆者:
しかもこれまでの方は物価高に悩まされることなく、今の高齢者の方はデフレ経済下で比較的お金をためやすい環境だったにもかかわらずこの割合になっていますからね。
物価上昇高よりも低く抑えられるマクロ経済スライドによってさらに年金が足りない事は火を見るより明らかな状況なので、この割合は増えている可能性は高いでしょうね。
老後のために貯金できない方というのは「半永久的に働ける覚悟」というのが必要になるということだと思います。
質問者:
先ほどの筆者さんが教えて下さったサイトでは80代でも1割が働いておられるというのは驚きました。
筆者:
生活保護になれば働かなくて良いという話もあるかもしれませんけど、生活保護は資産を持てなくなるうえに住まいが限られています。
資産を持てず外国人が周りに多いURで耐えられる方であれば良いと思いますけど、
それも「選択肢が限られる状況」と言えると思います。
このように様々な局面で選択肢を広げることが出来る――それが「お金の最大の力」であると僕は考えます。
とは言え、阿漕な商売で稼いだりするのは流石に嫌な気持ちがするでしょうし、急激に収入を増やすことは難しいと思います。




