↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔法異端見聞録  作者: 叢雲 朔
第1章学園篇前半

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

37/88

第36話

「では明日から」


「厳しくする」


「お手柔らかに……」


「無理」


「即答!?」


教室に。

二人の笑い声が小さく響いた。


⸻


翌日。

放課後。

訓練場。


「遅い」


「すみません!」


既にウェントスは来ていた。


魔法書を片手に。


「三分」


「え?」


「遅刻」


「三分ですよ!?」


「三分だ」


「すみません……」


「別に怒ってない」


「ならその圧はなんなんですか」


「生まれつき」


「便利ですね」


「そうでもない」


ウェントスは本を閉じた。


「始めよう」


「はい!」


「まず」


「火球を作って」


「またですか?」


「基本」


「大事」


「分かりました」


アギトは魔力を流す。


ポッ。


小さな炎。


「維持して」


「はい」


「もっと小さく」


「え?」


「もっと」


「小さく」


「うぐぐ……」


炎が豆粒ほどになる。


「そう」


「次」


「もっと小さく」


「鬼ですか」


「まだ」


「えぇ……」


すると。


「おーい!」


元気な声。


「アギトー!」


「ウェントスー!」


「ファウラ君」


「ファウラ」


「邪魔」


「ひどっ!?」


赤毛の少年が走ってくる。


「特訓してんのか!」


「うん!」


「俺も混ぜろ!」


「嫌」


「即答!?」


「騒がしい」


「いいじゃん!」


「よくない」


「ケチ!」


「帰れ」


「ひどい!」


二人のやり取りにアギトが苦笑する。


すると。


「……ふふっ」


「?」


小さな笑い声。


「アクアさん?」


「ご、ごめん」


「なんか」


「いつもこんな感じだなって」


いつの間にかアクアも来ていた。


「アクア!」


「差し入れ持ってきたよ」


「おお!」


「クッキー!」


「やった!」


ファウラが歓声を上げる。


「待て」


ウェントスが止める。


「特訓中」


「えー」


「休憩は必要だよ?」


アクアが微笑む。


「……」


「……」


ウェントスは少し考え。


「五分」


「やった!」


「ウェントス優しい!」


「違う」


「効率」


「またまた」


「違う」


「照れてる!」


「違う」


「お?」


「顔赤いぞ?」


「夕日」


「まだ明るいですよ?」


「……」


「無言になった!」


ファウラが爆笑する。


「ははは!」


「お前!」


「意外と面白いな!」


「……帰る?」


「すみません!」


「謝るの早い!」


アクアも笑う。

アギトも笑う。

そして。

ウェントスも。


「……ふっ」


本当に少しだけ。

笑った。


「!」


「笑った!」


「ウェントスが笑った!」


「珍しい!」


「年一回?」


「ファウラ」


「ごめん」


「条件反射!?」


また笑い声。

四人の笑い声は。

夕暮れの訓練場に響いていた。


__


少し離れた木の上。


「四人か」


グリフォンが風に吹かれながら笑う。


「青春してるじゃねぇか」


赤い瞳が細まる。


「いいな」


「羨ましいぜ」


そして。

五百年前の親友の姿を思い出す。


「……お前も」


「こんな顔してたな」


その声は。

どこか寂しかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。