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3章26話

辺りは橙、竜胆色、紫紺とグラデーションに包まれているなか町に入ろうとお化け疑惑が溶けたキテオンが


「ヒルコスさん、お騒がせしました。私達はこれで失礼します。お二方行きましょうか。」


とヒルコスに促され町に三人で入ろうとすると


「待て待て今からはキテオンが入るのは非常にまずいから一旦待て。」


とヒルコスに止められる。

正直ハァ?っと疲れがピークに近くちょっと怒りさえ覚えるがヒルコスが続けて


「あー今日は数十年に一度月が隠れて現れる日で言い伝えでは別世界に繋がるとか死者がさ迷うとかとにかく何が起きるか分からないといわれている。そのため気をつけるように各所の衛兵や市民に国から通達が数日前に来ていたんだ。その上でのキテオンの登場は流石にまずい。俺は仕事を不用意に増やしたくないんで町に入るんならんーキテオンには顔を隠してもらおうか。それが嫌なら明日の朝にでも町にはいるんだな。」


月が隠れてまた現れる……皆既月食かなまあ確かに死んだと思われた人が特殊な時間にうろうろしてたら阿鼻叫喚が起きるだろうしな。

そんなことを考えているとキテオンが自分の荷物から布を1枚取りだし被る…………


「黒はやめろ、怪しいこと甚だしから」


とスライア


「どこかの間者か何かに間違われるぞ。」


とヒルコスが言う。

次の布をキテオンが被ると


「花柄はちょっとなー。」


とキテオン以外は反対する。

ごそごそと布をまた取りだし被ると


「あーまあこれでいいんじゃね。縞模様でな。」


とヒルコスがようやく許可を出し4人で門を潜ると


「少し早いが門を閉めるから待っていてくれ、布を被っていたら絡まれる可能性もあるだろう。ちゃんと家まで俺が付き添った方が絡まれないだろうからな。」


とヒルコスはギギギギーと木製の門を閉じ閂を差し門を閉じたのだった。

4人で町を歩くと両側に大小の店舗や人家が立ち並ぶ壁はどれも雨が少ないと思われる地域なので日干し煉瓦なんかをしようしているのだろうか?

古代エジプトに思いを馳せていると


「おい、早く来い、迷子になるぞ。」


とだいぶ離れているスライアに怒られる。

どうやら歩行速度が落ちていたらしい。


後方よりはや歩きで3人を追い掛けると視界にキテオンとヒルコスの姿を捉える。

薄暗い中ポツポツとすれ違う人々が不振人物を見るような目でヒルコスの連れている布を被ったキテオンを見ている。

衛兵が怪しい布を被った人と連れ立つ姿は犯人をしょっぴく姿にしか見えないが私には日本の事件現場に犯人を現場検証に連れていく様のように見えてしまう。

そりゃあ怪しいよな。

ちょっと可笑しくなったがはや歩きのお陰で3人に追い付きまた4人でキテオンの家に向かうのであった。

キテオンの家が近いのだろうすれ違う人々が


「惜しい人を亡くした。」


と悲しむ人やら


「従者は何をやってたんだ。」


と怒る人やらすれ違う人々が口々にキテオンのことを話すのが増えてきている。

少し離れた家に人が集まっている場所がありぐすぐすと泣き声も聞こえている。

くぐもった声で


「あれが私の家です。人が集まっている場所がそうです。なんか複雑な心境ですが皆さんようこそ我が家に。」


布越しの聞きづらいキテオンの家にやっとのこと着くようだ。

いい加減疲れましたな。


皆既月食をからめてみました。

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