3章10話
聞いたことがない音に目を開けずにはいられずそーっと目を開けてスライアの方を見ると迫っていたサソリの片方のハサミが無くなっていた。
スライアはやはり副兵士長というだけあるなと思い助かるかもという僅かな希望が出てきたので
「スライアさん、すごい!!あと一本ですね。頑張ってー。」
と憤慨しているだろうサソリを相手にしているスライアに思わず声をかけてしまった。
私の声に油断してしまったスライアが片ハサミ
だけになったサソリの猛攻を避け損ない砂に背中から倒れて剣も飛ばしてしまった。
思わず
「あっ!」
と私の驚きの声が漏れてしまう。
倒れたスライアの顔の横に片方のだけになったハサミが突き刺さりまるでそれは床ドンいや砂漠ドン状態でまさにピンチである。
サソリの尻尾が逃げられなくなったスライアに狙いを定めようとしている。
ヤバい、ヤバい、ヤバい、どうしようとパニックになりそうになりながら辺りをみるとスライアの剣が横たわっているえーいままよとその剣を拾う。
「お、重い、何㎏?」
今まで持ったことない剣の重さに戸惑ったがそれどころではない。
どーせこのままじゃあどっちみち死んでしまうだろうせめて一太刀浴びせないと気がすまない。
サソリがスライアに一刺ししようとゆっくり尻尾を近づけている間に素早くサソリの後方に回り込みご先祖様に武士がいることを期待してサソリの尻尾をの付け根に渾身の力を込めて
「うぉりあー。」
と子供らしからぬ掛け声と共に剣を降り下ろす…………力が足りなかったらしく切り落とすことは出来なかった。
スライアを狙っていたサソリが片方のだけになったハサミを開閉しながら振り返った。
ヤバい、ピンチと固まってしまって動けない私は死を覚悟して目をぎゅっと閉じる………………………………あれっ?……来るであろう衝撃を予想していた状況に目を開けてみるとサソリが微動だにせず固まっている。
「えっ?どうゆうこと?」
と呟く私にスライアが駆け寄ってきて私の手に握られていた剣を奪うと固まっているサソリのもう片方のハサミと尻尾を切り落としついにはサソリの体を切り裂いて倒してしまった。
剣を降ってサソリの体液を払いながら
「ふう、危なかったな。いやー死ぬかとおもったぜ。タージャ、怪我はないよな。」
とさっきの危機をものともせず気軽な感じでスライアが話し掛けてきた。
「あのー何で助かったんですか?サソリが動かなかったのは何でですか?」
と疑問をぶつけるとスライアは
「誰にでも祝福があってタージャの祝福が水で俺の祝福が麻痺なだけだ。」
と言うので
「スライアさん最初っから麻痺を使えばよかったのでは?」
と聞くと
「俺の祝福は麻痺させる物に直接触ってないと発動しないんだ。だからタージャがサソリを攻撃して俺から注意が反れたのでサソリの脚に触って発動させたんだ。」
とスライアが説明した。
使えそうで使いづらい祝福だなと思っているとスライアが
「さて、この魔物を解体するぞ。今までに人なんかを襲っているのなら体内に何らかの武器なり防具なり有用なものが蓄積されてるかも知れんからな。」
とサソリの体を解体用の小刀を取りだしザクッザクッと分解し始めた。
その様子をウゲっと思いながら静かにただただ見ているだけだった。
どれくらい経ったかはわからないがある程度分解してこっちからは見えないが幾つかの物をこわけにして
「タージャ、これらの物を水で洗ってくれ。」
とスライアが近付きながら両手に持っているものを私に差し出した。
そこにはナイフ2本と指輪一つと魂玉があり言われた通り祝福を使ってじゃぶじゃぶと汚れを洗い流した。
汚れがとれると
・錆びたナイフ
・錆びてないナイフ
・黒ずんだ指輪
・サソリの魂玉
と取り敢えず見た目はこんな感じに汚れが落とされた。
「じっくり見たいだろうが魔物の死体に他の魔物が依ってくるかもしれんし少し移動するぞそれと俺もタージャも魔物の臭いが染み付いてしまう前に洗い流そう。」
とスライアが言うので大量の水を二人で浴び拭くものがないのでそのままこの場を離れるために疲れで重い足取りで歩き出した。
それにしてもマジ死ぬかと思ったよ。
あーしんど。




