3章9話
任されたスライアは
「お、おう、ま、任せとけ…………。」
と頼りない返事をしたあと自分自身のほっぺを両手でバシッと一叩きして気合いをいれ
「よし、どうせ一度は死にかけたんだ、やってやんよ。」
と腰に下げた剣を鞘から抜きサソリの動きを見ている。
水でどろどろした砂にゆっくり近付いていたサソリの脚が一歩入ると動きがピタリと止まりまるで何かを考えているように見えた。
どうやら少しは知性が有るらしく脚にあたる水混じりの砂に戸惑ったいるようだ。
私とスライアはその様子を一言も発せず臨戦体勢で観察していると水混じりの砂に躊躇していたサソリとバッチリ目があった。
そのとたんサソリがハサミを振り回しながら水混じりの砂にジャバジャバと私達を目掛けて侵入してきた。
その勢いに
「うぉ、くっ、来るのか。」
と一瞬スライアは怯むがそこは副兵士長いち早く気持ちを奮い立たせ
「化け物なんぞに負けるかー。」
とサソリに向かって叫んでいた。
サソリはというとエンカウント時より脚が水混じりの砂にとられ速度は確実に低下はしているが思惑よりもまだ速い。
スライアがサソリに向かって行こうとしているので
「スライアさん、気を付けて下さい。」
と一言声を掛けるとスライア振り返り
「わかってる。それより下がってろ。」
と言い残しサソリの目前までスライアは移動し改めて剣を構える。
前触れもなく戦闘は始まった。
サソリの右ハサミがスライア足を目掛けて素早一突きするがそれをかわしスライアは剣で薙ぎ払う。
次に左ハサミがスライアに向かって一突き繰り出され今度は後方に避ける。
一息つく間もなく続け様の左右のハサミの連続攻撃がスライアに襲い掛かり
「くっ、はっ、くっ。」
とスライアの声が洩れてくるほどの激しい攻撃だ。
スライアが少しずつ後退してきてそれをやきもきして見ているだけしか出来ない私。
サソリの攻勢がきつくスライアの足にハサミがかすりだし今にもスライアは倒されてしまいそうだ。
水混じりの砂に入っていたサソリはとうとう水に濡れてない砂にまで一歩踏み出してきて私達はもう駄目かもしれないと現世は短い命だったなせめて一息で苦しまないように殺してくれと手を組んで祈りの態勢で目を閉じ来世こそはと………………………………………………………………。
ザクッ…………えっ?何の音?




