3章7話
「だっぁーぁあああ、暑い。暑すぎ。」
ガバッと勢いよく砂の寝床から上半身お越し眩しそうに空を見ると朝からギラギラと太陽の熱が私を突き刺すように輝いている。
うわー勘弁してくれよと暑さにうんざりしていると
ん?
んんん?
あれっ?スライアがいない。
急いで立ち上がり体についた砂を払って左右に視線を走らすと遠くにスライアと思われる人を発見呼ぶのも面倒くさいなと思っていると向こうがこっちに気付きゆっくり歩いて私に近付き
「起きたか。俺はタージャより早く起きたから暇でその辺を見回って来たんだがタージャ喜べあっちの方に水が遠くに見えたんだ。さあ行こう。」
と私に嬉しそうに指を差しながら報告するが……それって逃げ水じゃない?
とも思ったがスライアの指を差す方角は日が昇る方角つまり進むべき方角なので
「スライアさん、先ずはお腹と喉を満たしてから歩きませんか?」
と提案し昨日も飲んだスムージーをスライアと共に飲み後味が気になるので水も追加で飲み出発する。
「さあ行こう。」
とスライアが張り切って声を上げ私はスライアの後ろについて歩くことにした。
要は盾代わりに前を歩かせているのもあるし歩幅が違うからどうしても後ろに回ってしまうのである。
歩き始めるとスライアが
「あのさあタージャはしっかりしているけど何歳?俺はちなみに21歳だぜ。」
と昨日聞くべき話題なのに今さらきくんかい。
「私はもうすぐ6歳になります。しっかりしているのは妹と弟が産まれたからです。………………ねぇ帰れるかな?」
とそれっぽいしっかりしている理由と不安感を足して答えて子供らしさを演出してみた。
スライアが慌てて
「かっ、帰れるさ。帰れるとも。いや帰るんだ。」
と最後は力強く言い切り
「俺がそれまで必ず守ってやる。」
と様々な条件が整っていたら胸キュンものの台詞をはくがそれどころじゃないね。
地道に砂の上を少し歩いては休憩少し歩いては休憩を繰り返す。
少しは前進しているはずなのに遠くにある水には近づかないやはり逃げ水かと私は思うがスライアはよくわかっていないようで
「おっかしいなー。何で水に近付かないんだ。水が逃げるなんて聞いたことないぞ。」
と仕切りに首を捻るスライアにごめん事実は告げれないやと心で詫びて
「スライアさんきっともっと遠くにあるんですよ。だからたどり着かないんだと思います。」
と慰めてまた歩く、休憩を繰り返す。
もう今日は限界とスライアを呼び止めて言おうとしていると何処からともなくザッ、ザッ、ザッ、という何かが歩くような音が聞こえる。
えっ?なに?と思っていると
スライアは視線だけ私に寄越すと
「しっ、タージャ、何かいるようだ。一応逃げれるように身構えとけ。」
と小さな声で私に告げるとスライアは腰に下げた剣に手を掛けて身を低く構えて辺りを警戒している。
その間も音は聞こえ段々私達に近付いてきているようだ。
視界が砂漠の小さな山に遮られ山の向こうよりやって来ている何物かに向かいスライアが私を背に庇う体勢で音の正体を待ち構える。
どれくらいたっただろうか僅かな時間のはずなのに妙に長く感じてしまう静寂の中砂の山の頂上よりそれは現れた。
大きさはセントバーナード位の大きさに両前足はハサミを持ち甲殻類より柔めな皮膚感の体から脚が複数生えその体の後方には長く延びた尻尾、その先より鋭い針が見えている。
…………有り体に言えばサソリだ
砂漠だから定番の生物だよね。
そんなことを考えているとスライアが
「な、な、なんだあの魔物は見たことないぞ。くそっ、剣は通るのか?何処を攻撃すべきだ。ど、何処が弱点だ。」
スライアがイッツパニックになって焦っている。
あれっ?もしかしてピンチじゃね?
サソリモドキは実物は見たことがあります。が普通のサソリはないです。




