1章第11話
首都に旅だった母親リシュレはまっすぐ首都には向かわず、とある場所に立ち寄って上品そうな老婦人と急いで家を出た割にはのんびりお茶を楽しんでいた。
「お義母様、お久しぶりです。お元気でしたか?(とりあえずこのくらい下手に出ればいいわね)」
そう目の前の老婦人はダボスの実母エリシアであった。
「ふんっ、何がお元気でしたか?ですか。忘れたとは言わせませんよ。息子を口車に乗せて半ば強引に結婚して、本来なら聖女候補だったあなたはそのまま聖会に残り人々のために一生捧げるべきなのに、聖女候補と駆け落ちしたと我が家は下級騎士とはいえ不名誉な称号を冠してしまったのよ。わかってるの?しかも4年も行方しれずだったのよ。ダボスはどこよ。」
今までの鬱憤をはらすようにまくし立てた。リシュレはそれをスルー
「お義母様、ご報告がございます。2年前に娘が生まれました。ダボス(本当は私だけど)に似てとても利発で可愛いのですよ。つい先日祝福の儀式を終えたばかりです。」
エリシアは衝撃的事実に飲んでいたお茶を吹き出して
「なっ、何ですて娘っ?あなた何で2年も黙っていたのよ。それでその子の名前は?何で二人とも連れてきてないの?」
孫の姿をリシュレの回りで探した。
「娘の名前はタージャといいましてお義母様、申し訳ありません今回はタージャのことで首都に用事があるので二人は連れて来てません。」
今回の訪問はついでだが敢えてそこは言わない。
「タージャの用事って?」
いぶかしがっていると真剣な顔で
「タージャは私の(優秀な)血を引いてるので必然的に聖女候補に近い能力を持っています。その証拠に最初に話した言葉は【ナオール】その瞬間タージャは気絶、つまり発動できる下地があるということですもしかしたら私より潜在能力が高いのかもしれません(今度こそ聖女に)加えて祝福が水なので恐らく育てかたによっては材料なしに回復薬等を作れる可能性があります。その能力があれば恐らく聖女になれる筈です。その辺のことを調べに首都に行きます。」
エリシアはそこまで聞いて
「それにしても聖女だなんてまさか自分の夢を託すつもり?まぁとにかくあのあなたが子供の将来のことでこんなにも母親らしくなるなんて……あなたたちのことはもう許すわ。今度孫に会いにいってもいいかしら?」
リシュレは思わぬ言葉に驚きながらぜひいらしてください。と言葉を残しエリシアの家を辞した。
残されて数刻後エリシアは
「しまったわ。住んでる場所の住所を聞いてないわ。」
自分のミスを後悔していた。




