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魔法パンク:平穏な学園生活を送りたいだけなのに、なぜか問題児美少女たちとパーティーを組まされました  作者: 音夢スリプ
第一章 虫ケラと一緒に、どうやって冒険者パーティをうまくやれるの?
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第17話 再会、アレス

測定当日。


パーティーの魔力測定は、個人測定とは違い、二組ずつの対戦形式で行われる。

各パーティーは実力に応じて組分けされる。


個人の魔力測定の結果に基づいて。

運の悪いことに、俺たちはA組に振り分けられた。


幸い、魔力測定の最終結果は勝敗そのものとは関係ない。

俺たちは、普段通りの実力を見せればそれでいい。


ホールにいる生徒たちは、ひとまずまだ制服姿だった。

戦闘の直前に、それぞれ戦闘服や鎧へ着替えることになる。


俺の胸元にあるのは校章だけ。

家紋はない。

それは、俺が平民であることを示している。

A組の中では、それがひどく目立っていた。


この日、俺は初めて希珀の家紋を見た。

一枚の葉の上に咲く、一輪の花。

どこか有名な貴族のものだった気がするが、すぐには思い出せない。


ホールでは、各パーティーがそれぞれメンバー同士で集まり、話し合っていた。

戦術を復習している者。

立ち位置を確認している者。

最後の最後で弱点を補おうとしている者。


そんな中、俺たちのいる隅だけは妙に閑散としていた。

みんな、自分のことしかしていない。


俺はその場にいるパーティーの数を数えてみた。

おそらく十組未満。

ただ――

……どう数えても、奇数だ。


俺がそう疑問に思っていた時、背後から聞きたくもない声が響いた。


「よお。見覚えのある顔じゃないか」

背後から、一人の男子生徒がいきなり笑いながら俺の肩を抱いてきた。

「いやあ、奇遇だな。お前もこの時間帯だったとは」


俺はその虫唾が走る顔を見て、彼の手を振りほどいた。


「どこかで会った覚えはないな」


「寮の門の前でのこと、もう忘れたのか?」

その男子生徒は、自分の牡羊の家紋を指差した。

「タカゴウ・アレス。言っただろ。お前の顔は覚えたってな」


まったく、嫌な相手ほどよく会うものだ。

星月学は広い。

卒業まで会わずに済むと思っていたのに。


彼の後ろにいるのは、おそらく彼のメンバーだろう。

エルフの女子生徒が一人。

地元の貴族らしき男子生徒が一人。

残り二人の家紋は、見覚えがなかった。


「で、お前は……」


タカゴウは俺の家紋を見ようと近づいてきた。

だが、そこに何もないことに気づくと、まず一瞬固まった。

そして、すぐに冷笑する。


「道理で手癖が悪いと思ったぜ」

「家で畜生どもに育てられたんじゃ、仕方ないか」


タカゴウはため息をつき、隊員たちの方へ振り返って言った。


「どうやら、俺たちは少し怠けすぎていたらしい」

「まさか、躾もされず、まともに育てられもしなかった孤児と同じ組まで落ちるとはな」

「まだまだ努力が必要だ」


彼の芝居じみた発言は、ホールにいる全員を平等に不快にさせた。

だが、彼の家紋を見た瞬間、誰もが口元まで出かかった罵声をしぶしぶ飲み込んだ。


一人を除いて。


「ここで一番上がA組でしょ」

ミュイレンが言った。

「それ以上どこに努力するつもり? C組?」


その一言で、ホールのあちこちから堪えきれない笑いが漏れた。

空気が、一瞬で楽しげなものに変わる。


全員に笑われたタカゴウは、たちまち怒り狂った。

彼は元凶であるミュイレンを見る。


そして、彼女の兎の家紋を見つけた。


「どこの家かと思えば」

タカゴウは大声で嘲笑した。


「ああ、あの有名な子作り一族か!」

「お前は父親の何番目の子供だ? 百番目か? 二百番目か?」


「何それ」


ミュイレンは、その言い方を聞いたことがなかったらしい。

一瞬で羞恥と怒りに顔を赤くした。


「この小汚い畜生をそんなに庇うのか?」

タカゴウの笑みは、さらにいやらしく歪んだ。

「なんだ、お前もこいつと子作りしたいのか?」

「お前らの家が得意なのは、それだけだもんな! はははは!」


ミュイレンが動揺したことで、タカゴウの攻撃欲はさらに刺激されたらしい。

彼は彼女に向かって、下品な仕草までしてみせた。


「その口、今すぐ引き裂いてやる!」


ミュイレンは顔を真っ赤にし、爪を立てるような勢いでタカゴウへ飛びかかろうとした。

ヘルガと希珀が慌てて彼女を引き止める。


「静粛に!」


監督官のアレサンドロ教授が、ちょうどいいタイミングで助手を連れて入ってきた。

「全員着席。従わない者は一律零点とする」


ミュイレンは二人に押さえられ、席へ戻された。

一方、タカゴウは勝者のような顔で隊員たちを連れ、別の角に座った。


「これより測定規則を読み上げる」


アレサンドロ教授が規則を読み始めた。

最初の内容は、どれも基本的なものだった。

開始合図前に動いてはいけない。

観客を攻撃してはいけない。

相手が降参したあとも攻撃を続けてはいけない。


ミュイレンは明らかに一文字も聞いていなかった。

彼女はタカゴウを睨みつけ、今にも食い殺しそうな顔をしている。


「最後の一つが、最も重要だ」

アレサンドロ教授は手の中の小瓶を掲げた。

瓶の中の液体は細かな光を瞬かせ、まるで小さな銀河を閉じ込めているようだった。


「これは璨星瓶スターライト・ボトルだ」

「この瓶は、君たちが致命傷を受けた時、自動的に砕け、強力な救命魔法を発動する」

「同時に、この瓶は君たちの参加資格を示すものでもある。」

「瓶を忘れた場合、あるいは戦闘中に破損させた場合、その所有者は測定から退場したものと見なされる」

「同じく、降参を決めた場合は、この瓶を握り潰せばいい」

「質問はあるか」


璨星瓶スターライト・ボトルには、星月教の牧師だけが扱える救命魔法が封じられている。

今では、各種測定や武道会に欠かせない道具だ。


アレサンドロ教授は規則を読み終えると、隣の助手に小声で二言ほど告げた。

そして、次の会場へ向かうために席を立った。

残された助手が、俺たちに測定順を告げていく。


「それでは、各組は読み上げられた順に対応する会場へ入ってください」

「A会場、シルバースターと真円寺」

「B会場、フェニックスと水瑠璃」

「C会場、宇の小隊と……」


「先生!」


タカゴウが大声で手を挙げた。


嫌な予感がした。

「何か質問ですか」


「先生、俺は宇の小隊と同じ組になりたいです」

タカゴウが何か悪巧みをしていることは、ほとんど顔に書いてあった。


彼と出会ったのは偶然ではない。

おそらく、俺がいるこの時間帯をわざわざ選んで来たのだ。


勝敗が最終評価に直接関わらない以上、知り合いの友好パーティーと当たって、互いに実力を出しやすい形にすることは、むしろ学校側も推奨している。

だが、直前になって組み合わせ変更を求めるのは、やはり珍しい。


「それは少し……」

助手は明らかに断ろうとしていた。


本来、対戦するパーティーを指定したい場合、名簿は事前に提出しておく必要がある。

だが、彼の銀色の家紋を見ると、口元まで出かかった言葉を飲み込んだ。

そして、決定権を俺たちに渡した。


「君たちは、彼らと同じ組でも構いませんか?」


俺は自分のメンバーを見た。


「わしはどうでもよい」

アパシャが欠伸をしながら言った。


ミュイレンは言うまでもない。

目の中に復讐の炎が燃えている。


「隊長とミュイレンを悪く言いました」

ヘルガは両手を握りしめ、真剣な顔で言った。

「だから、私たちが懲らしめてあげましょう」


希珀もそれに続いて頷いた。


全員の考えが一致している以上、俺は小さくため息をつき、助手へ頷いた。

誰が誰に思い知らせることになるのか、正直まだ分からない。


「では、C会場は、宇、希珀、ヘルガ、ミュイレン、アパシャで構成される宇の小隊」

「そして、タカゴウ、シルヴァナ、辰巳凌、黒沢渉、ギアンダで構成される戦羊バトルラムの対戦とします」


※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※


双方の更衣室は分けられている。

今、男子更衣室にいるのは俺一人だけだった。


俺は黒い上着とタクティカルベストに着替えた。

太腿の両側は、本来なら拳銃用に空けてあった場所だ。

だが、拳銃は学校では禁止武器である。

仕方なく、そこにはダガーを差しておいた。


長袖の上着は、多少俺の敏捷性を損なう。

だが、これがあれば、まるで手品のように、袖の中から好きなだけダガーを取り出せる。


ポケットの多いタクティカルベストも同じだ。

俺がポケットに手を入れる時、その手は同時に俺の虚幻空間にある小金庫へ繋がっている。


これだけポケットが多いのだ。

少しくらい変な小道具が出てきても、合理的だろう。


更衣室を出ると、ちょうど彼女たち四人も出てきたところだった。

俺と違い、彼女たちは全員まだ制服を着ている。


ただし、正確に言えば、それはさっきまでの普通の制服ではなかった。

学校から支給された、制服型の戦闘服だ。

それらはより強靭な素材で作られており、神聖教国のブレスン工房による強化も施されている。

防護力は一般的な鎧にも匹敵する。


希珀は右手に鞘へ収めた太刀を持っていた。

同時に、右前腕には実用的な手甲が装着されている。


ミュイレンは真っ直ぐな杖を手にしていた。

先端には魔水晶が一つ嵌め込まれている。


ヘルガは上着を牧師のローブに替え、左手には聖約を持っていた。


アパシャは何の武器も持っていない。

彼女自身が武器だからだ。


ただ、欠伸をしながら眠そうな顔をしているせいで、どうにも頼りなさそうに見える。


対戦形式ということもあり、小隊魔力測定には何人かの観客も見に来ていた。

宣伝部所属の学生が、最初から最後まで実況解説を担当するらしい。


「「「まず会場に入ってくるのは、我らが宇の小隊です!」」」


「「「宇の小隊は、加入条件が非常に厳しいと噂されていますが、今日に至るまで、我々はそのメンバーについてほとんど何も知りません!」」」


「「「本日が彼らの初披露です。いったいどんな見せ場を作ってくれるのでしょうか!」」」


観客席には、まばらに観客が座っているだけだった。

だが、それは司会者の熱量には少しも影響していない。


「「「見たところ、宇の小隊のメンバーの多くは制服型戦闘服を選んでいるようです!」」」


「「「学校支給の装備を使うというのは、間違いなくミニマリズムな選択です」」」


「「「ただし、その分、防御力を犠牲にする価値があるのか。注目です!」」」


とはいえ、統一支給の制服型戦闘服は、貴族のオーダーメイド装備には及ばない。

たとえばタカゴウのパーティーには、制服を着ている生徒など一人もいなかった。

「「「宇の小隊の統一感ある装いに比べ、タカゴウの戦羊バトルラムはかなり色彩豊かに見えます!」」」

「「「先頭を歩くのは、星月国出身の騎士、辰巳凌!」」」


「「「そして、影に潜む刃、黒沢渉!」」」


辰巳凌も星月国の貴族だ。

手には銀白色の長槍を握っている。

おそらく前衛を務める戦士だろう。

身にまとっているのは、体に沿った淡色の軽鎧。


黒沢渉は、一目でアサシンだと分かる格好をしていた。

全身黒の忍者装束。

腰の後ろには、同じく二本のダガーが差してある。


「「「戦羊バトルラムの牧師に代わるのは、最後方を歩くエルフの黄金の花、シルヴァナ!」」」


「「「そして、魔力測定で大いに名を上げた北国の魔法使い、ギアンダ!」」」


シルヴァナは、あのエルフの女子生徒だ。

おそらく治療を担当するドルイドだろう。

彼女の衣装は、エルフ族らしい緑色の礼服。

だが、動きやすさを確保するため、スカートの前側は短く仕立て直され、後ろにだけ長い裾が残っている。


手にした杖も、エルフ族伝統のものだ。

古樹の枝で作られている。

中央の葉には、かなりの魔力が宿っているようだった。


ギアンダは北方出身の魔法使いだ。

蝋のように白い杖と、北方風の魔法使いローブ。


「「「最後はアレスの誇り!」」」

「「「そして我らが星月国の誇りでもある、タカゴウ!」」」


タカゴウは戦士職だ。

武器は、左右の手にそれぞれ持った半分ずつの分離式盾。

強力な攻撃を受ける時には、その二つを合わせて一枚の盾として防ぐこともできる。

彼が身につけているのは、黄色い縁取りの入った白い中型鎧だった。

胸甲の中央には、左右対称の獰猛な牡羊の頭が刻まれている。


「「「おおっと! 宇の小隊と戦羊バトルラム、まさかのまったく同じ配置です!」」」


「「「これは間違いなく、真っ向勝負の激突になるでしょう!」」」


相手は俺たちと同じ陣形を取っていた。

辰巳凌と黒沢渉が前。

盾を持つタカゴウは後方に立ち、後衛二人を守る役割だ。


俺は腰の二本のダガーを抜き、戦闘準備を整えた。


タカゴウは俺たちに軽蔑の笑みを向けている。

体もどこか気だるそうだった。


だが、戦羊バトルラムの他のメンバーは全員、油断なく身構えている。


俺たちの警戒を緩めるためか。

それとも――。


「「「宇の小隊がダークホースとなって番狂わせを起こすのか!」」」

「「「それとも戦羊バトルラムが見事に実力を証明するのか!」」」


「「「まもなく明らかになります!」」」

「「「各隊、こちらの号令を聞いてください!」」」


「「「三、二、一、開始!」」」


森林魔法・荊棘の鞭(レスナヤ)!」

蒼藍魔法・氷矢(アズーロ・ジェーロ)!」

「戦技・蛟龍破!」

「戦技・喉斬り!」


司会者が開始を告げた瞬間。

戦羊バトルラムのうち四人が、瞬く間に魔法と戦技を放った。


勝利を確信したタカゴウの笑みを見て、俺はようやく彼らの戦術に気づいた。


最初から、こちらを一人減らすつもりだ。

そして、その標的は――


希珀だった!


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