第三十七話 崩壊後も続く活動
もう同好会でいるのはやめだ。
僕は部をつくる。
どういう関係であろうとも、たとえ、とびきり気まずくとも、新しい部に必要なメンバーを僕は集めるんだ。
僕と浅川めぐるはのちに部室となる部屋にいた。
隣の席から、僕を下からのぞきこむように頬杖をついて、きいてくる。
「覚悟はできてるの? 大道あゆむ部長」
「まあ、殴られたとしても――」
「それはないでしょ。私じゃあるまいし」
「いや、浅川だって、人を殴ったりとかしない……よなぁ?」
「そうね。余程のことがない限り」
「たとえば?」
「教えない。殴られないラインで裏切られたくない」
「浮気したら?」
「命はない」
「どこからが浮気?」
「探ってくんな」
浅川はそう言ったあとに、続けていうのだ。
「そもそも、付き合ってもないのに、浮気もなにもないわよ」
「じゃあ、めぐ――」
と言いかけたが、「待って」と強く冷たい声で止められた。
「今じゃ、ないでしょ」
じゃあいつなんだと思わなくもないけれど、最強メンバーを揃えてからでも遅くはないか。
さて、誰もが認める可愛さと明るい性格から、学校中の人気を集める丘野下きらりは、ずっとそうだったかのように元気な姿で、周囲の憧れを集め続けていた。
僕は、浅川を連れて二年生の教室に行き、彼女を勧誘した。
「きらりちゃん、おさんぽ部に入らない?」
「待ってましたよ、先輩!」
大成功だ。
放課後、きらりちゃんに部室で待ってもらうことにして、僕は浅川を連れて、隣町の私立中学校に向かった。門の近くで待ち構えていると、五人組の女子集団に、ひときわ目立つ髪色をした女の子が真ん中にいるのが見えた。
茶色い髪とも違う。茶色と黒のグラデーションとも違う。金色の髪になっていた。
「また髪色変えたんだね、さやかちゃん」と僕は声をかけた。
「ま~ね。似合う~?」
そこで五人組の女の子たちの一人が、「この人たち、前もいたよね。何なの、さーや」と言った。
さやかちゃんは手を振りながら、
「部活の先輩! だから、またね~」
五人組のリーダーらしき子が、「ちょっと、さーや!ちゃんと紹介しなさいよォ!」と言っていたけれど、さやかちゃんは僕らに合流することを優先した。
「これから始まるんですね。あたしたちの戦いが!」
「さやかちゃん、何と戦うんだよ。おさんぽ部だぞ」
「えへへ、冗談です!」
さやかちゃんは言って、きらりちゃん以上の満面の笑顔を見せつけてきた。
これで最強メンバーがそろった。最高の四人組。
おさんぽ四天王である!
僕は、担任の男性教師に頼み込み、顧問になってもらう約束をとりつけた。
全ての書類も漏れなく記入した。
おさんぽ部の設立を正式に申請して、そして――
審査落ちした。
永久に部にはさせないとか書いてある。
僕らは永遠の非公式の立場を得た。悪くない。




