表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
おさんぽ部ダイアリー 浅川円の内緒事  作者: 黒十二色


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

10/39

第十話 ラブレター事件(1)

 夏が近づいてきた。


 半袖でも汗ばむような日が増えてきたある日、僕が上履きに履き替えるために下駄箱のロッカーを開けたら、一通の手紙が入っていた。


 僕は証拠を撮るように、携帯のカメラでそれを収めた。


 手書きではない。印刷された文字だ。あて名は間違っていない。大道独行くん。僕の名前だ。割とユニークだから、人違いというのは考えにくい。


 中を見てみると、これも印刷された丸っこい文字で、ピンク色の絵文字とともに、『好きです。』と書かれた紙があった。


 差出人の名前がどこにも無かった。


 どう見たってラブレターだ。


 僕はそれを急いで制服のポケットに隠すと、靴箱の陰に張りついた。


 この昇降口で監視をすれば、誰が入れていないかがわかると思ったからだ。


 すくなくとも、手掛かりはつかめる可能性がある。時間差の仕掛けとか、変装とか、抜け道はいくらでもあるとはいえ、僕の下駄箱を確認するなどといった怪しい行動をする者がいれば、それがラブレターの主である可能性が高まるというものだ。


 きらりちゃんの姿が見えた。何もおかしな素振りはない。鼻歌まじりに靴を履き替えて、一年生の教室がある方へと姿を消した。


 クラスメイトたちにも、不審な様子はない。


 もうそろそろホームルームが始まってしまう時間になったのだが、ぎりぎりまで監視を続けたいと思った。


 不意に、僕は何者かに肩を叩かれた。


 振り返ってみると、彼女がいた。


「あ、浅川」


「大道くん。何をしているの?」


 浅川は僕が見ているときに、靴を履き替えなかった。だったら、浅川は僕よりも先に教室に行っていたことになる。僕は浅川の足元をみた。上履きだった。彼女にはアリバイがない。


「まさか、浅川が?」


「何のこと?」


「いや……」


「はじまるよ。ホームルーム」


 浅川は、そう言って教室へと向かった。


 僕は彼女を追いかけながら、今日一日、彼女の行動を、いつもより気にかけてみようと思った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ