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シーズン2 3

 先日、バーシルクジを引く時、改めてどんな英雄がいるのかとラインナップを見ていると、空海や鑑真などのお坊さんも英雄に含まれていることに気が付いた。

 (確かに歴史に名を残した偉人だけど、ゲームの内容から考えて、なんか不釣り合いだよね)

と違和感を感じた。

 けれども、当時は、最先端の知識を持つ一流の教養人という立場でもあったわけで、学問所などの配置要員と考えるべきなのだろうか。

まだ手元に一人も持っていないので何とも言えないが、そういうことなのだろう。

 ところで、このゲームには、枠という分類がある。例えば、周瑜や諸葛亮などの[三国志]やムカリ、ジェベなどの[大軍人]アマテラスなどの[神話]といった感じである。

先程、話した空海や鑑真は[僧侶]という枠になるようだ。

 

 そして、二度目の盟主戦の日がやって来た。相手は、かぐや姫領だったのだが、内政中心のいわゆる農民プレイヤーばかりが集まっているのか、相手陣営の拠点がリチャード一世領に所属するプレイヤーの周りに拠点が築かれず、こちら側からも相手プレイヤーの周りに拠点を建てた人は何人かいたのだが、その影響なのか、盟主戦初日で、私たちリチャード一世領の勝利が決まってしまうという、なんとも面白くない結果で二戦目が終わった。

 (たった30人しかいない領なのに、本当に農民プレイヤーばかりなのかな?今回は、様子見でわざと戦わなかった可能性もある・・・)

と私は考えながらも、万が一に備え、次のかぐや姫領との対戦の時は気を付けければと考えていた。

二戦目が終わり、報酬であるバーシルが割とまとまった金額でもらえたので、今シーズン三度目のバーシルクジを引いてみることにした。登場した英雄は、加藤清正、久坂玄瑞などすでに所持している英雄ばかりで、しかもランクも同じ。

 (あー、がっかり。でも、清正が二枚目を獲れたのはよかったかも・・・)

と考えていた。


 そして、週末、第三戦目が始まった。対戦相手は、玄宗皇帝領だ。籍を置いているプレイヤー数は私たちの方が多いが、相手方のプレイヤーの主だった人の準備日の戦況を見ると盟主英雄を含めたクラスSの英雄をそろえている人が多く、油断できないなと思った。だが、私はまだ、準備が足りないのでNPCとの次元の歪みでポイントを稼ぐつもりだ。

 そして、単純なプレイヤーの数はこちらの方が多いのだが、相手方のプレスやーたちが積極的に攻めてきたことで、わずかなポイント差で、せり負けてしまった。これで二敗である。



 かぐや姫領との二戦目が終わった頃、ちょうどシーズン2が始まって、ひと月が過ぎた。

このゲームでは、新シーズン開始後の翌月から、毎月五人の追加英雄が加わる。今月の英雄は、蘭陵王、ジークフリート、ガネーシャ、櫛名田姫、ヴリュンヒルドの男性三枚、女性二枚のようだ。

 (ヴリュンヒルドって、誰だろう・・・。名前の感じからして、北欧系・・・?)

 調べてみると、北欧神話の盾の女神らしい。名前の感じから、北欧系かなとは思っていたが、推測がこれまで学んだことが間違っていなかったと思えて嬉しい。

そして、今回は、どちらかと言えば武闘派メンバーなので、とりあえずは要らないので、来月以降のバーシルクジで引ければラッキーと考えることにした。


 ところで、このところ英雄のレベル上げばかりで、内政がおろそかになっている。

とはいっても、内政を充実させるための内政要員のレベルアップも同時に行っているので、ほったらかしに近い状態になっているのは、施設のレベルアップの方。

 まず、病院の内政官として、クラスCのヒポマラテスを置くと、


 『ヒポクラテスを任命したことにより回復時間が15%アップしました』


というメッセージが現れた。続けて、


 『ヒポクラテスを任命したことによりボーナス5%が追加されました』


 (現代にも続く医療者の心得を顕した人だから当然よね。でも、それでも5%か・・・)

他にも、以前見たバーシルクジの英雄ラインナップで、にナイチンゲールやケイローンといった病院の内政官の適正がありそうな英雄がいたので、いつか引けるといいなと思っている。



 三戦目が終わり、ゲーム内通貨であるバーシルにも多少の余裕ができたので、内政要員や軍事要員の補充を兼ねて、しばらくぶりにバーシルクジを引いてみた。

 登場した英雄は、クラスEで祝融、夏侯惇、宮本武蔵、クラスDは本多忠勝、平将門、梁紅玉、大黒天、夏侯淵。クラスCが諸葛亮、森蘭丸、福島正則である。またしても、ダブリが出てしまった。でも、始めに出たものよりもこちらの方がクラスは上なので、こちらを成長させるといいかもしれない。

 (やっぱり思った通りにはいかないなぁ・・・)

そんなことを思いながら、バーシルではあと七回引くことができるので、もう一度引いてみることにした。結果は、クラスEでルイ十三世、上泉信綱、姜維、小栗上野介、清少納言、杜甫、張飛、呂蒙、片倉景綱。クラスDは、魏延、紀伊国屋文左衛門だった。

 (連続で引くと、EやDが多くなるのかな…)


 十月の二週目は、今シーズン初めての同盟戦が行われる。

同盟戦とは、六対六の団体戦で、ここまで一対一で戦ってきた盟主同士が力を合わせ戦うというものだ。

 私は、前シーズンの最後の戦いで、一度、経験はしているので、イメージはつかめているのだが、私の戦力もまだ、どうにか一戦、戦える程度で、前シーズンをはじめからプレイしてきた人とは、経験値が違うので、今回も、強めの他のプレイヤーの邪魔にならないよう戦っていこうと考えている。

さて、どんな組み合わせになるやら・・・。

 (私たちは、まだ一勝も挙げれてないので、二勝してる領と組めるといいなぁ・・・)

 組み合わせは、

  エリザベス一世領      リチャード一世領

  織田信長領         孫堅領

  ネロ領       対   稗田阿礼領

  芹沢鴨領          かぐや姫領

  ソロモン領         ゼウス領

  玄宗皇帝領         源頼朝領


 対戦相手には私たちが敗れた、玄宗皇帝領とソロモン領がいる。それ以外の領とは、まだ一度も剣を交えていない領なので、どんなプレイヤーがいるのかわからない。でも、味方には三戦目の相手で黒星ではあったが力量の解っている源頼朝領がいるので心強い。現時点でまだ一勝もできていないので、チーム戦とはいえ、今度こそ、勝って白星を積み上げたい。

 そして、準備日に


 《ソロモン領のシオンが10,10地点に拠点を築きました》

 《ネロ領の三日月が18,20地点に拠点を築きました》

 《芹沢鴨領の天ぷらが23,18地点に拠点を築きました》


と三つの陣営の上位者に取り囲まれた。


 (うっわ、各陣営の上位の人たちだ。初心者も見逃さないということか。防衛…できないよね。多分・・・)

手持ちの英雄の中で、何とか戦えそうなのは、ずっとお世話になっている、クラスSのアマテラスとクラスA英雄のスブタイ、ジュチの二人。同じクラスAで手にした魯粛は内政監督署で内政官としてがんばってもらっている。

 (とりあえず、次元の歪みでポイント稼ぐか・・・)

 同盟戦初日、開戦と同時に、シオン、三日月、天ぷらの上位者三人が、一斉に襲ってきた。防衛の準備はしてはいたが、あっという間に、私の盟主拠点を落とされてしまった。次元の歪みで稼ぐ時間も無く。防衛軍にしていた、アマテラス、スブタイ、ジュチ、エカテリーナ二世、ヘラ、猪八戒、本多忠勝、井伊直正、徳川家康、加藤清正の十名中、第二、第三に第五、第六を任せていたスブタイにジュチ、本多忠勝、井伊直正の四人が大怪我、大将であるアマテラスも怪我こそしていないものの体力が残り少なくなっていて他のメンバーも似たような状態だった。

 文句を言っても仕方がないので、大けがをした四人は、病院に入院。体力が少なくなっているメンバーはリゾートホテルで休ませることにした。

 それで、回復までの時間を見て驚いた。大怪我をした四人は、復帰まで、五時間半。

ホテルで休ませている四人も六時間と今日はもう遊べないくらいの時間がかかるようだ。

 (軍事訓練での怪我と盟主戦で受ける怪我って違うのかな・・・?)

と思い、戦況を調べてみると、シオン氏と天ぷら氏の二人ともが、前シーズンと今シーズンの盟主英雄で固めたとんでもない軍だったことが判明。その上、各英雄のスキルも最大のレベル10。そして、攻撃力アップなどの補助系の汎用スキルも学んでいたとんでもない英雄たちだった。

 (初心者相手にそこまでするか!)

と少しだけ腹が立ったが、こういうのも、この手のゲームの常と切り替え、

 (きっと、学問所とかの内政施設レベルも高いんだろうなぁ・・・)

と思っていたら、メッセージの項目が点滅した。開いてみると、前シーズンでやり取りをしたトキノさんからだ


 『ごめん。間に合わなかったみたいだね。あの三人に囲まれてるの気づいてたから、援軍出そうと思ってたけど、間に合わなかった。やっぱり、準備日の間に、援軍用の拠点を作っとかなきゃだねホント、ごめん』


という、謝罪のメッセージが来ていた。

 (頼んでないけど、これすぐに返信した方がいいよね・・・)

そう思い、文章を考えた。


 『前シーズンでは、ありがとうございました。今のことは気にしないでください。こういうゲームではありがちなことですから。それにしても、強力な方たちでしたね』


と返信をした。しばらく経って、


 『そう言ってもらえると、こちらとしてもいくらか気持ちが落ち着きます。戦況拝見しました。余計なお世話かもだけど、猪八戒いるのなら、クラスAまでは上げたほうが良いですよ。【天蓬元帥】は発展陣形と移動速度がさらに上昇するから。

それで、スキルレベルも10まで上げておくともっといいですよ。それから、このゲームって、移動速度がわりと重要だから、固有スキルで移動上昇持ってる英雄は優先的にスキルレベルを上げるといいですよ』


という思いがけない返信をもらった。もちろん、お礼の返信を返したのは言うまでもない。

 (なるほど、開幕直後から、三人がかりで遠距離から攻撃できたわけだ・・・)

とトキノさんからのメッセージを読んで納得した。

 (だけど、盟主館の復活まで、四時間半。で、主力が戻ってくるまで、六時間。

 戦えるようになるまでかなりかかるから、今日は、もうゲームで遊ぶの止めようかな)

と思ったが、領主拠点からの出撃ができないだけで、領主拠点内の施設まで破壊された扱いにはならないので、トキノさんのアドバイス通り、これまで学問所はスキルのレベルアップにしか使ったことがなかったが、今回、初めて、英雄にスキルを憶えさせるために使ってみることにした。とりあえず、実験も兼ねているので待機中のサブメンバーの英雄たちに移動速度上昇のスキルを憶えさせようと学問所をクリックし『スキルを憶える』から【移動速度上昇】を選び、次に憶えさせたい英雄を選ぶ。一度に三人まで登録できるので、加藤清正にランクCの諸葛亮、ボオルチュを選んでみた。すると、終了までの時間が、四時間半という時間が出た。『はい』をクリックし、学問所での研修を始めた。

 どちらにせよ、今日はもうゲームはできないので、これで止めにして、学生らしく勉強に励むことにする。


 翌日の日曜日、ゲームにアクセスすると、自領拠点となる領主館に、トキノさんを含め何人かのプレイヤーが援軍を送ってくれていた。それぞれのプレイヤーにお礼のメッセージを送り、昨日の続きを再開した。とりあえず、参加賞が欲しいので、100ポイント獲らなければならない。とはいっても、それは、次元の歪みにある、歪な者たちが建てた拠点を一つ破壊すれば事足りので、ゲーム開幕と同時に、盟主拠点を復活させ、次元の歪みに移動し、拠点を一つ破壊する。でも、それだけではせっかく援軍に来てくれているプレイヤーに申し訳が立たないので、初心者ではなくなるぎりぎりの数値の29,000くらいを目指して、ポイントを獲得する。今回の戦いの編成は、昨日、敗北した軍を少しいじり、ジュチを加藤清正に、エカテリーナ二世をボオルチュと昨日、汎用スキルの【移動速度上昇】を憶えさせた英雄に入れ替えた軍で、次元の歪みの拠点を破壊していく。レベルがまだ1なので、さほど速くなったような実感はないが、でも、いくらかはマシになったような気がする。

この次元の歪みでの戦闘は、狩猟や軍事訓練と異なり、一度の戦闘で大将と副将は3、三軍以降の英雄も必ず1上がるので、とてもオイシイのである。

 この次元の歪みをプレイ中、私の盟主拠点に、昨日同様、天ぷら氏が単身で攻めてきたが、援軍に来てくれていた皆さんが撃退してくれたのでとてもありがたかった。

 その日は、次元の歪みでポイントを稼いだ後、まだ、汎用スキルの【移動速度上昇】を憶えさせていない英雄たちに憶えさせるため、学問所に研修に出した。アマテラスに、クラスAになれば、陣形スキルが、アマテラスと同じ鉤行になる横木を持っている、スブタイと柴田勝家の三人だ。また、五時間半の休憩だ。研修が終われば、昨日【移動速度上昇】を憶えさせ英雄たちのスキルレベルを上げてみようと考えている。残念ながら、スキルを憶えさせる研修と、レベルアップは同時にできないのだ。

 (同時にできるとありがたいよねぇ・・・)

 夕食を食べた後、ゲームにアクセスすると、アマテラスたちの研修が終わっていた。

今度は、憶えてもらったスキルのレベルアップだ。メンバーは、たった今、スキルを憶えてもらった三人だ。やはり、強い英雄や強くなる要素を持っている英雄を優先させた方が良いと考えたからだ。レベルアップには以前は、1から2へ上げるのに四十分かかっていたが、いまは学問所のレベルも10になり、半分の二十分になっている。

 その間に、現在行われている盟主戦の戦況を見ると、天ぷら氏の襲撃の後も、シオン氏が襲来したようだが、防衛に来てくれていた人たちが撃退してくれている。

ちなみに、防衛でもポイントが入るのだが、そのポイントは防衛を行ったプレイヤーに割り振られるので、防衛軍を入れてもらっている領主に対しての加算は行われない。だが、領主自身も防衛軍を入れていた場合は防衛ポイントが発生するが、初心者を卒業する三万ポイントのうちには加算されないという仕様になっているので、もっと強くなれば、自領の防衛だけでもそれなりの順位には行けるようだ。

 (明日、改めて、お礼のメッセージをしよう・・・)

そんなことを考えながら、その日のゲームを終えた。



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