シーズン4 2
受験が無事に終わり、復帰第一戦は、托塔天王晁蓋領とのクリスマス特別戦。
特別戦は、使用できる英雄に制限があり、決められた範囲でどう戦うかというのが私は面白いと思っているので通常の参加賞以外に特別褒賞として、指定された枠の英雄が一人プレゼントされるというのを抜きにしても私はこの特別戦シリーズが好きなのだ。
さて、今回は、物語、文化人、古代枠が指定された。
(うーん、古代枠ってまだ実装英雄少ないのに、難しい枠を指定してきてるな・・・。
物語と文化人があるし、今回はチーム西遊記を中心に戦うしかないか・・・)
チーム西遊記とは、個人的そう呼んでいる軍の名称で、名前通り、孫悟空、猪八戒、沙悟浄、玄奘三蔵の四人に西遊記の物語の中で孫悟空と戦った妖怪である、牛魔王や紅孩児、鉄扇公主、六耳美猴といった妖怪たちで組んだ軍である。それから、三蔵法師は[僧侶]の枠なので今回はお休み。
でも、大将に据えるのは沙悟浄。使い勝手の良い発展陣形の車掛を持っているからだ。
その上、英雄のランクもSになり、最大人数の十人で組める。孫悟空、猪八戒、牛魔王を前衛にして、紅孩児、六耳美猴を中衛に鉄扇公主を後衛に据える。二人足りないが、これでも十分に強い。
ちなみに、この六耳美猴というのは西遊記の物語の後半で登場する妖怪の一人で、容姿をはじめとしたすべてが孫悟空に瓜二つという妖怪で、三蔵法師の悟空を戒める緊箍児を絞める呪文を唱えても同じように痛がったりして、三蔵法師達にはどちらが本物か見分けがつかない。そこで観世音菩薩に頼み判定をお願いした結果、見破られ虫に化けて逃亡しようとした時に悟空にあっさり捕まり退治されるという妖怪。保有するスキルもこの物語が下敷きになっているのか【もう一人の悟空】というもので、孫悟空と一緒であれは、孫悟空のステータスやスキルを全てコピーして、孫悟空と同じ強さになるというとんでもないもの。そのうえ[物語]枠の英雄としては基礎ステータスも高い方なので、孫悟空がいなくてもかなり使える英雄になっている。
さて、気になるのは次元の歪みが、どんなマップに当たるかだ。
これまで、それほど難しいのマップに会ったことはないのだが、シーズン2で所属していた連合の仲間から聞いた話では、マップごとに様々なギミックがあり、それを嫌って、ポイントの調整はしやすいが、次元の歪みをプレイすることは止めて、対人戦オンリーに切り替えた人もいたり、中には、数戦連続で火山マップに当たり途中で兵士が足りなくなり、途中であきらめたというプレイヤーまでいるそうだ。
けれども、皆が口をそろえて、一番、難儀だと言うのは海マップだろう。
なぜなら、海マップはゲームのヘルプにも書かれているのだが、操船技術を持つ英雄が一人以上いないと移動すらできないというギミックがあり、今回の場合は、ピーターパンの物語に登場する物語枠のフック船長や文化人枠の紀伊国屋文左衛門などがいないと移動すらかなわないのだ。残念ながら、私は紀伊国屋文左衛門が手元にいるけれども、市場で内政官として頑張ってもらっているので、できれば引っ張り出したくないという思いもあるので、海マップと出会ってしまったら完全にお手上げなのである。
(今回の褒章、フック船長をリクエストするかな?)
まぁ、そうなったら、盟主拠点の周りをうろついて100ポイントとって離脱という方法もあるのだが、久しぶりのゲームなのでガッツリ楽しみたいと思っているで、時間はかかるが、次元の歪みを確認したうえで、托塔天王晁蓋領に拠点を築いて、そこから、相手方の出方をみて誰かに挑むということも視野に入れている。
そして、始まった托塔天王晁蓋領とのクリスマス特別戦。気になっていた次元の歪みのマップは、快晴の山岳という山越え移動のスキルを持っていないと移動速度が減ってしまうマップだった。でも、私の軍にはクラスSの孫悟空がいる。彼のクラスSになると登場するスキル【筋斗雲】は移動速度が上昇し、山岳や河川などの障害物を無視して移動できるようになるので、とても便利である。他にも、同じタイミングで引いた源義経も同じスキルを持っているので状況に応じて使い分けている。
次元の歪みの事でいろいろ考えたが、今回も無事乗り切ることができた。
勝敗は、余裕をもってというレベルではないけれど、久しぶりにガッツリ参加した盟主戦を楽しかったといえる結果でした。
褒賞は予定通り、フック船長をリクエストした。
「次の盟主戦は・・・」
私はそんなことを呟きながら、カレンダーを見ると、なんと、次の盟主戦は十二月の三十日と三十一日と一年の終わりの日だった。
(プログラムでそうなってんだろうけど、こういう、年末年始くらいは外せないのかねぇ・・・)
と思った。今年の年末年始は、父の実家へ泊りがけで行くことがすでに、決定しているので、ゲームのため、私だけ残るなどということはできない。しかも受験も終わっているので受験勉強ということも言えない。なにより、祖父や親族からのお年玉をもらい損ねる。それだけは、まだアルバイトもしていない学生の身なのでそれは避けたいし、親戚とも久しぶりに会いたいので、ゲームは休まざるえない。残念!
十二月二十九日の夜に近い夕方、父の実家に着いた。
久しぶり合う親戚や祖父母と交流する。私も思いがけず、推薦入学で受験が片付いたので、受験勉強をがんばっているクラスメイトには申し訳ないが、勉強のことを考えずに思い切り羽が伸ばせる。
一月一日。親戚一同揃って、お屠蘇を酌み交わし、お雑煮やお節をいただき、互いの健康と長寿を祈る。祖父母の家のお節は煮物中心で昔風の濃い味付けのものが多いが、これも我が家の伝統と考え、そして、祖父母が元気な証だと私は思っているので文句を言ったりする気にはならない。
翌、一月二日に少し寂しいが、祖父母宅より自宅へ帰る。
夕方、自宅に戻り、自宅で私と両親だけの小さな正月の祝いを行う。私は、父の実家の正月料理も好きだが、母の作る母の実家の正月料理、とはいっても、今年は父の実家で済ませたので、母の正月料理はお雑煮だけである。
そして、私は、部屋に戻りパソコンを立ち上げ、今年最初の『ドリーム・ヒストリー・ヒーローズ』を始める。
今年も昨年同様、年の初めの三が日中の始めの一回に限りだが、十枚一斉のバーシルクジはひとつ以上、クラスSがひとつ以上確定と『お知らせ』に出ているので、まずは、さっそく、バーシルクジである。
いつものように、抽選機が現れ、抽選機がくるくると回りポンポンポンと十個の珠を吐き出す。虹色ひとつ、緑二個、紫三個、金色四個。
英雄の内訳はクラスSは帝釈天。クラスAは結城秀康、デイビー・クロケット。クラスBは母里太兵衛、韓信、ラプンツェル。クラスCはランスロット、コゼット、犬塚信乃、持国天だった。
(三名槍の持ち主、揃っちゃった・・・。御手杵も持ってるしちょうどいいや・・・)
そして、今度はチケットクジでの十枚クジをやってみた。すると、シーズン1の盟主英雄、光源氏が登場した。スキルをチェックしてみると、【シャイニング・プリンス】臥龍の陣が付随したこのスキルは、その眉目秀麗さで女性英雄を骨抜きにし、戦闘に参加させないというもの。二つ目の【高貴なる血筋】は源氏物語が編まれる以前に生存していた英雄(聖徳太子、卑弥呼など)や日本の神話に登場する神々は除外されるが、日本中世、戦国や幕末やも物語や文化人各枠の日本人英雄のステータスと指揮兵数を2.5倍に増やして、確率スキルが100%発動する恒常スキルに変更されるという軍の仕立て方次第では、こちら側がかなり有利になるトンデモスキルだ。
(・・・ナポレオンと同じバラン破壊系・・・。よく、O.K.出たよね・・・)
と思い、これなら経済的に余裕のある人は、お金をかけるほどに強くなれるから、たくさんの課金をするんじゃないかとも思い、自分も変な風にハマらないように気を付けようと思った。
そして、使いどころに困っていた若紫がようやく役に立ってくれると嬉しくなった。
だが、こうなると、他の源氏の愛した女性たちも手に入れたくなるのが人情。ゲーム内通貨のバーシルや英雄の限界までやってみようかとも考えている。




