シーズン3 1
シーズン3、開幕です。
シーズン3が始まった。
今シーズンはどういうわけか、これまでの二シーズンと異なり、上杉謙信や千利休など日本の戦国時代に活躍した人物ばかりとなっている。何か意味があるのかもしれないので、運営のアナウンスを待つことにする。
ゲームを始めれば、十二枚の肖像画が現れる。カーソルを合わせ、ひとりひとり見ていく。
カードイラストのアップとともに、その英雄のエピソードやスキルとその効果を伝えるメッセージが表示される。男性陣は、今時のさわやかイケメン風から、渋いおじさま風まで様々だ。その中から、変わり種は織田信長の妹、お市の方。彼女は初め、浅井長政と結婚し三人の娘を産み、その後、兄・信長に夫が滅ぼされ、実家に戻った後は、柴田勝家に嫁いだ人物で、戦国期の女性としては複数回の結婚はよくある話だったのかもしれないが、そのエピソードからか、白いタキシードを着た男性の腕(恐らく浅井長政と思われる)に自身の腕を絡ませ、ウエディングドレスを着て幸せそうに微笑んでいるという今風なイラストだ。あの時代にウエディングドレスがあったのかとつっこみたくなるが、兄・信長の西洋趣味や現代人の感覚からすれば、幸せとは言い難い生活をしていたようにも思えるし、ゲームのイラストなので、こういうのも悪くないと私は思った。
立花誾千代と甲斐姫の女性陣は、上杉謙信などと同じように、ゲームのキャラクター仕様にアレンジされた日本の甲冑着ているという分かりやすいイラストだった。
(鎧が、ビキニアーマーとかでなくてよかった・・・)
ひとしきりそんなことを思い、私は今期の盟主英雄をお市の方に決めた。
他にも、渋い茶色の直衣の片袖を脱ぎ、筋肉質な胸元をあらわにして、三本の矢を手にしているものの、その矢を今にも折ってしまいそうなマッチョな毛利元就と迷ったが、やはり、ウエディングドレスの美しさとお市の方の幸せそうな表情には勝てなかった。
ところで、今シーズンと来シーズンの私は大学受験になるので、もちろん、そっちが優先になると思うので、前シーズンまでよりもプレイ時間が少なくなると考えている。
連合に入っても、思うようにプレイができず、迷惑をかけてしまうかもしれないので、今期と来期はどの連合にも所属せず、ソロで活動することにする。
(シーズンが終わって、連合報酬がもらえないけど仕方ないよね・・・)
それから、今シーズンは、新たに全部で三つの新機能が実装された。
ひとつは、英雄宿舎という英雄カードの手持ち枚数が増やすことのできる施設が実装された。建てる場所に指定はないので、空いているマスに建てることにする。
けれども、この英雄宿舎。初めて建てる時は木材などの資材を消費するだけだが、レベル2に上げたりする場合、資材と課金をしなければいけない仕様になっている。それでも、ひとつ建てるだけで500人増えるので、課金してでもレベルを上げるかどうかは、プレイヤーの戦略に合わせてということになるので、余裕が欲しいプレイヤーは上げてもいいだろう。ちなみに最大レベルは5。
次に、迷宮探索といって、英雄を最大で10人まで派遣し、迷宮を探索させ、ロングソードなどの一般武具や蜻蛉切などの銘のついたユニーク武具や資材にゲーム内通貨のバーシルを拾ってこさせたり、英雄のレベル上げを行ったりするもので、2時間、5時間、8時間、12時間、24時間の時間指定で探索に行かせることができるので、受験勉強で思うようにプレイができなくなる身としては、とてもありがたいタイミングで、面白い機能が実装されたものだと嬉しくなった。
もちろん、時間が長いほど、良いものを拾ってくる確率も高くなりレベルもたくさん上がるようになっている。
そして、チケットクジに十枚で一回というものが加わり、チケットを十枚使う代わりに前シーズンまでの盟主英雄を一人獲得できるというものだ。
私はくじを引くときは、主にゲーム内通貨のバーシルを使うのでチケットはかなり溜まっている。運試しにさっそく一回引いてみることにする。
バーシルの時と同じように、パソコンのモニター中央に、黒い背景に抽選機が現れ、赤い地色に白のストライプに黄色の文字にアルファベットで『ticket』と書かれた長方形の紙が十枚現れ、抽選機に吸い込まれていく。抽選機を回す人に渡しているという演出だろう。
そして、抽選機がくるくると回りポンと虹色の珠を吐き出す。その珠がカード状に変形し、くるりと正面を向くと、そこにはシーズン1の盟主英雄であるナポレオンが姿を現した。
盟主英雄が出ることは解っていても、実際にその画面を見ると感動が沸き上がり、私は思わず「おぉ」と声を上げる。これでアマテラスに続き二人目のシーズン1英雄が手に入った。
さっそくスキルチェック。
まず、ひとつは【天才指揮官】車掛の陣も付随したスキルで移動速度が上昇し、山岳を無視して移動できるようになる。
二つめは【不可能無き辞書】陣形相性と得意位置が無視される。という、とんでもないものだった。
(なんというか、ゲームバランス壊すようなスキルよく付けたよね・・・。
車掛の陣も使い勝手がいいし、得意位置が無視されるようになるから、後衛不足な私には嬉しい)
と考えた。手にした直後は、さっそく英雄のレベル上げだ。
保有する、車掛の陣も大抵の基本陣形との相性がいいので、いつものように城の隣の森へ一人で狩猟に行かせる。まだスキルレベルは上げてはいないが、素の状態で移動速度上昇のスキルも持っているので、往復で一分。帰ってきたので、英雄の様子を見てみると、以前、アマテラスを鉱山に一人で行かせた時と同じように、レベル2ではなく、一気にレベル5になって帰ってきた。
そうしてナポレオンの英雄レベルやスキルレベルを上げつつ、最初の盟主戦に向けて兵士たちを募集しているうちに、今シーズン最初の盟主戦がやって来た。




