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人がモンスターになる??  作者: 愚者B
第2章 テイマーの役目

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第25話 冒険者の在り方


「5つ目の村って事ですか?」

 ムーチーは信じられなくて聞き返した。


「そうです。ムーチー君の特殊能力をお聞きしました。」

 クエストの紙をムーチーへ飛ばした。受け取って内容を見た。


 ・F~Bランク

 内容:ヒュースターの判別

 報酬:ヒュースターの場合銀貨1枚以上


「君に負担がかかるが、他に方法が無いんだ。対価は払う。」

「分かりました。僕に出来る事でしたら可能な限り協力します。」


「ありがとう、本来の目的に戻るのだが……。ウルキャットの情報を詳しく教えて欲しい。」

 ムーチーはルルに話した内容をそのまま伝えた。


 毛穴がシルバー、瞳が紫のリーツァ。黄色の毛色のライカークと息子のファルーだと……。

「ギィシャさんも同じ考えでした。」


「見た目はこんな感じで合ってるか?」

 紙を受け取り姿を見た。


『昨日見た光景そのままだ……。』

 ムーチーは涙を堪えきれずに流した。


「はい。見たまんまです。」

 リーツァがファルーを咥えて見てきた場面がそのまま絵に描かれていた。


「そうか。予想はしていたが残念だ。」

 ギルマスもムーチーの涙を見てもらい泣きしそうになっていたが、窓の外を見て誤魔化した。


「ギルマス、これ……。貰っても良いですか?」

 

 少しの間が空き、ムーチーは諦めギルマスの机へ返しに向かった。

「特別だ。誰にも見せないように。」


 歩いていた足を止めてクエストの用紙に目を落とした。

「ありがとうございます。」


「今日は以上だ。また何かあればルルを通して話が行くだろう。」

 ムーチーは頭を軽く下げて部屋を後にした。


 ◆◇


 ムーチーは帰りに受付へ寄った。まだ、時間が早いこともあり、受付は空いていた。

「ルルさん、これなんですけど……。」


 商人の荷馬車の積み込みのクエストを見せた。

「あぁ、商会から聞いてるよ!お疲れ様!」


「はい、追加と合わせて銅貨8枚。」

「ちゃんともらえて良かった。」


 ムーチーは安堵した。するとルルから釘を刺された。

「本来は無いからねぇ……。基本的にはクエスト分だけこなすだけでも罰金は起きないし、逆に拒否されたら罰金が発生するからそこは安心してね?」


「分からなかったギルドを通すこと!」

 ムーチーは頷いた。


 帰りにクエストの掲示板を見たが、低ランクのクエストはあまり残って無かった。


 宿に帰ると、ローユンがムーチーを見つけて目を輝かせた。

「ムー!待ってたぞ。薬草の買取だ。」


 まさかの銀貨4枚そのまま渡された。

「ちょっとローユンさん!お金そのまま渡して……。」

 ムーチーは呆れた。


「あはっ、誰も見てないから大丈夫さ!宿代は1泊食事付きで銀貨1枚。ムーはこれからも薬草納品してくれるなら1週間で銀貨5枚ってとこかな?」


「そんな、銀貨2枚もいいんですか?」

『2泊ただで泊まれることになっちゃう……。』


「いいんだって!薬草他で買うよりだいぶ安くなるし、今は品薄だからな。Win-Winの関係さっ!」

 ローユンさんはドヤ顔で答えた。


「ローユンさんがそう言うなら……。」

 ローユンはニヤけて追加注文をしてきた。


「気になるなら、たまにでいいからナオハともご飯一緒に食べてくれたらそれでいいよ。」

 受付の奥の窓からナオハが手を振ってきた。


「ナオハが私以外に懐くの、ムーが初めてだからさっ!」

『確かに人見知りだとは思っていたけど、僕以外友達居ないのかな?』


 疑問に思ったが、人それぞれだと聞くのをやめた。

「ご飯出来るまで時間あるし風呂入ってのんびりしてな!ナオハと食べれる時に声をかけるから!」


 ムーチーは頷いて自分の部屋に帰った。


 ◆◇◆◇


『今日も慌ただしい1日だったな……。』

 思い出しながらお風呂の準備をしたが、手を止めた。


 ギルマスからもらったウルキャットの絵を眺めた。

『リーツァ姉さん……。』


 しばらくの間眺めて目に焼き付けた。

『誰かに見られたらダメだから、ここに隠そう。』


 机の引き戸の中へ入れて呟いた。

「この引き戸に鍵が付いていてよかった。」


 鍵を閉めてたことをしっかりと確認し、お風呂へ向かった。

『きっと解決策が見つかるはずだ……。いや、見つかってくれ!』


 お風呂でぼーっとしながら願い続けた……。

『のぼせた……。』


 お風呂を出ると、出口でローユンが仁王立ちしていた。

「ムー、長湯だったな?溺れているかと様子を見に行くか悩んでたところだ!」


 ムーチーは苦笑いした。

「すみません、考え事してたらのぼせてしまって……。」


「ご飯だよ!そのまま食堂においで。」

 ムーチーは紙を濡らしたまま、ローユンの後ろをゆっくりついて行った。


 食堂に着くと、ナオハがフードをかぶったままチョコンと椅子に座って待っていた。

『だいぶ待ってたのかな?めちゃくちゃ睨まれている……。』


 ムーチーは気まずくなり、目を反らした。その姿を見て、背中を叩いて言った。

「あははっ、大人しく作って待ってくれたんだぞ?」


 ムーチーは反動で数歩前へ動いた。目の前にナオハの顔が……。

「お待たせ……。」


 ナオハは目の前のムーチーが、どことなく元気が無いことに気付いた。

『何かあったのかな?ローユンさんからは何も聞いていないけど……、ムー君の雰囲気がいつもと違う!』


 ナオハは思ったことを飲み込み、微笑んだ。

「ご飯が冷めちゃうよ。早く食べよ?」


 3人で雑談をしながらご飯を美味しく食べた。


 ◆◇◆◇◆◇


 翌日、ムーチーは1人でギルドに顔を出した。

 宿を出るとき、後ろでローユンがついて行くと叫んでいたがナオハに止められていた。


『ローユンさん……。ありがとう、犠牲を無駄にしない!』

 勝手にナオハを犠牲と決めつけ、振り返らなかった。


 ギルドに着くと冒険者が何やら受付前で騒いでいた。ムーチーは近くに居た、新人冒険者(装備で判断した)に声を掛けた。

「あの、何の騒ぎですか?」


 新人冒険者はムーチーを見て、装備をしていないからただのヤジだと思った。

「危ないから当分受付には近づかない方がいいよ?」


 すると同じパーティの女の子が後ろから追加情報をくれた。

「なんかぁ、モンスター討伐禁止らしいですよ?てか君、冒険者ですか?」


『この子、直球だな……。』

 ムーチーは苦笑いを必死に堪えてギルドカードを見せた。


「一応Fランクです。ソロですが……。」

 すると新人冒険者がムーチーの顔をじろじろと見て来た。


「あぁー!謎テイマー君じゃん……。えっ?」

 職業選択の時、話題になっていたが、相手の顔なんていちいち覚えていないムーチーは返答に困った。


「君、ソロなのにもうFランク?ずるでもしたぁ?」

『この子……、容赦ないな。』


「いえ、正式に依頼を受けていますよ?町のクエストと薬草採取だけですけど?」

 ムーチーは無難に答えた。

『ここで騎士団の名前なんか出したらめんどくさそう……。』


 2人は黙ったムーチーをじろじろと見てから答えた。

「まぁ、いっか。冒険者なんだし。」

「癪だけど、ルシャ周辺の村5つで人がモンスター化する現象……()()()()()()?が起きたらしい。」


『ヒュー……。あ、ヒュースターの事か!』

 ムーチーは言い間違いに納得した。


「それでこの騒ぎですか?」

 ムーチーの質問には、予想外の回答が帰ってきた。


「依頼がモンスターの捕獲系と、護衛の2つがメインのクエストになったわけ。」

「討伐を生業にしていた冒険者で護衛のクエストの取り合いと、討伐クエストを発注しろと抗議しているところ。」


『あぁ、なんか嫌な予感がする……。』

 すると後ろから声が掛けられた。


「ムー、ちょっとおいで。」

 振り返るとクライシスだった。

「クースさん、お久しぶりです。」


 クライシスは苦笑いした。

「立った数日じゃないか……。受付がこんな状況だから私が駆り出されたんだ。」


『あぁ、嫌な予感が的中しちゃったよ。』

「いろいろ教えてくれてありがとう!またね。」


 2人の新人冒険者にお礼を言ってクライシスの後ろをついて行った。

「変なやつぅ。」

 女の子がジト目でムーチーを見て愚痴った。


『俺たちより先にソロでFランクだと……?』

 もう1人の新人冒険者は先にFランクへランクアップしていることが信じられなくてずっと固まっていた。

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