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人がモンスターになる??  作者: 愚者B
第2章 テイマーの役目

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第23話 ムーチーの特殊スキル


 翌日、ローユンは起きてこないムーチーに違和感を覚えた。

『まさか昨日のままなんてことないよな?』


 不安になり、部屋へ押しかけた。

「ムー!起きてるかい?」


 ムーチーは大きな声に《ビクッ》とし、慌てて飛び起きた。

「あれ……。ここは?」


 ローユンは声が聞こえたので中に入った。

「昨日のまんまじゃないかい?取り合えず風呂入っといで?ギルド行くんだろ?」


 ギルドの言葉で昨日の事を思い出した。

「はいっ、ありがとうございます!」


 急いで風呂に入りながら昨日の事を思い出した。

『そういえば昨日リーツァ姉さんの事をずっと考えて寝られなかったんだ……。』


 まだ受け止め切れていないが、知らぬ間に寝落ち出来たことと、ギルドに行く時間が迫っていることが動く原動力となっていた。

 風呂から出ると、ローユンが待ち構えていた。


「ギルドに行くんだろ?時間は大丈夫かい?」

 焦って起きて時間が無いことしか本人も理解していなかった。


「あれ?確かギルドが開く前に来てくれって言われました。」

 咄嗟に出たのは昨日、ルルとの会話を復唱することだった。


「まだ間に合うから準備しておいで!」

 ムーチーは急いで部屋に戻り、外に出る準備をした。


 ローユンは時間を考えてナオハに声を掛けた。

「ナオハ、ムーと私にサンドイッチ作ってくれるかい?」


 少しするとバタバタとムーチーが階段を急いで降りて来た。


「あはっ、早いね!ナオハがサンドイッチ作ってくれたから一緒に食べよう。」

 テーブルで座っているローユンが声を掛けた。


「えっ?そんな時間あります?」

 時間をそもそも把握していないため、ご飯を食べる時間がないと思って初クエストの時にもらった干し肉をポケットに突っ込んでいた。


「私が大丈夫って言ってんの!おいで?」

 ムーチーは言われるがまま座り、サンドイッチを食べた。

 

 ◆◇


 ムーチーが席に着き、食べようとすると受付に目が行った。

「あれ?ローユンさん、今日も出かけるんですか?」


 受付の上には昨日ギルドへ行くときに置いていた『不在、呼び鈴を鳴らして下さい。』の看板と呼び鈴があった。

「あぁ、私もついて行こうかなって。」


 ムーチーは口元まで持っていったサンドイッチを落としそうになった。

「えっ?」


「大丈夫、気にしなくていいよ。どうせルルとタッコルに会うんだろ?薬草を受け取りに行くついでさ!」

 ローユンは呆気からんと話していた。


『大丈夫なんだろうか?』

 ムーチーは疑問に思ったが、断る理由も思いつかず頷くだけでサンドイッチを食べた。


 食べ終わるとナオハが横に来ていた。食器をまとめながら2人に言った。

「いってらっしゃい!」

 そのまま見送ってくれた。


 無言のまま通りを進み、ギルドに行くと扉の前にはルルが待機していた。

「え”っ?ローユンさん……。」


 ルルの顔色が一瞬で青ざめた。

「昨日ぶり!またタッコルの部屋行くんだろ?」


 適格に言われ、頷くことしかず扉を開けた。

「ムー、先歩きな!道分かるだろ?」


 ムーチーは頷き、違和感に気付いた。

『あれ?いつの間にかローユンさんの僕の呼び方が変わってる?』


 ムーチーはいつ変わったのか、不思議に考えながら先頭を歩いていた。

「ローユンさん、どういうことですか?」

 ルルはムーチーに聞こえない様に小声で聞いた。


「いや、昨日ちょっと様子がおかしかったから?まぁ、薬草がメインだけど!」

 とローユンは答えると笑いだした。


『2人楽しそうだな……。』

 と後ろを振り返らず、笑い声だけで判断していた。


「薬草の準備は終わってますけど、それ以外の事はギルマスが言えない場合は大人しく帰って下さいよ!」

 ルルは予めくぎを刺しておいた。


「はぁーい!」

 ローユンは気の無い返事を返しただけだった。


 ◆◇◆◇


「タッコルー、入るぞぉ!」

 ギルマス部屋に着くとローユンが声を上げて中に入った。


 その光景をムーチーはルルを疑いながら見た。

「昨日も似たような感じだったよ……。」

 ルルは諦め気味に答えて中に入った。


 案の定ギルマスは頭を抱えていた。

「なぜ2日続けて来るんだ!薬草はちゃんと用意している。」


 ギルマスはルルへ目配せをした。ルルはすぐに薬草を机へ取りに行き、ローユンに渡した。

「おっ、ムー!これは相当儲けたな!こんばんはご馳走だ!」


 ローユンは嬉しそうに伝えた。

「残念ながら数日は調査が無くなった。」


「はぁ?何が理由だ?」

「まぁ、まぁ。騎士団が別の村へ調査を行うことが目的です。新たな村が2つ犠牲になりましてね……。」


 ムーチーはルルを見た。

「この後ギルドで報告するから軽くパニックになるよ?護衛任務も発生するからそんなに日数はかからないと思うけど。」


「ルル、ムーチー君に昨日の報告を!」

 ルルは薬草の入っていた袋と、小銭の入った小さな袋、クエストの紙を渡された。


「クエスト依頼数は13、ランクをFランクにあげるからギルドカードを貸して?」

 ルルに言われるがままギルドカードを渡した。


「ムーチー君、例の件はルルから軽く聞いている。今日の通常クエスト終わり、報告に来て欲しい。」

 ムーチーは頷いた。

『ローユンさんには必要以上の情報は渡さないってことかな?』


 それを察したローユンが反撃に出た。

「私は蚊帳の外かい?」


「はぁ、理解してくれた前。いくら君でもこればっかりはすぐに伝えることが不可能なんだ。」

 ローユンはギルマスから言われて、罵声の続きを必死に飲み込んだ。


「ルル、後は任せた。」

 そして3人はギルマス部屋を後にした。


 ◆◇◆◇◆◇


 受付に戻ると、冒険者でごった返していた。

「おいっ、これマジか?」

「ここ、私の故郷なんだけど?」


 みんなクエストの掲示板前に集まっていた。その状況をルルが説明してくれた。

「これが報告です。受付の前に1人看板で掲示板に誘導。掲示板で現状を報告しています。」


 ローユンも流石に引いていた。

「こりゃー大変だな……。」


「ムー君、個室で話があるのですが……。ローユンさんは帰られますか?」

「いや、どうせならついていこう。」


 ルルはやっぱりと苦笑いした。

『やっぱり、帰ってくれないですね……。』


 そのまま昨日と同じ個室へ移動した。

「では先ほどの説明の通り薬草採取で13のクエスト達成になります。前回の2つと足すと15回達成になりますのでFランクになります。」


 ルルはギルドカードを更新した。


 ――――

 名前:ムーチー

 年齢:15歳

 職業:テイマー

 ランク:F


 スキルレベル:剣術1、体術1、テイム1

 特殊スキル:判別取得

 ・効果:モンスターか人かの判断が出来る。

 ――――

 

「どうぞ、次のEランクまでは残り15のクエスト達成です。Eランクのクエスト3つ達成ですが、こちらは昨日の任務で達成済みです。」


 ギルドカードを受け取った。

「ルルさん、特殊スキルが追加されました!」

「どれどれ?おっ、噂にもってこいの能力じゃないか!」


 ローユンが横から覗き込んで読んでいた。ルルはムーチーのギルドカードの複製で確認した。

「これはギルマスに報告しておきます!夕方にギルマスから追加の話があると思います。」


「では報告は以上で、掲示板で普通のクエストをこなして下さい。」

 とここでルルと別れた。


「ルル、例のマスク残ってる?」

「ちょっと待って下さい、取ってきます。」


 ルルは急いで取りに行った。

 ローユンはマスクをし、髪の毛はターバンを腰のバックから取り出し被った。

『ローユンさん、変装かな?だから服装がいつもと違ったのか!』


 ローユンとは分からなかった。ムーチーの目を見て、聞きたいことを答えた。

「まだ私を知っている冒険者がいるからね!バレたら面倒だから。」


 ローユンと個室を後にした。

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