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790話

 さて...場面は移り変わり、ライラ達よりも先に戦闘を行っていたドールはというと...裏ギルドの頭であった男と獲物を構え合いながら対峙しており、どうやら実力がほぼ同等に近しいのか、拮抗した状態となっているようで、お互いに自身が有利になりそうな間合いをはかっていたりする。


「強い奴とは戦いたくはないんだがなぁ...」


「それはこっちの台詞なんだよねぇ...僕もSランク冒険者なんて相手したくはないんだけどねぇ...」


「だったらさっさとお縄に捕まってくれや」


「それは残念ながら出来ないかなぁ...まだまだやるべきことがあるしねっ!」


 そしてお互いに有利になりそうな間合いを見極めつつ、愚痴をこぼしながらの会話をしていたのだが、先手を取ったのは裏ギルドの頭のようで、目を凝らさなければ分からないほどの細く小さな金属の針を指先で弾き、ドールに向かって投げ付けたようであった。


 しかし流石はSランク冒険者といったところ。ドールもその目を凝らさなければ分からないほどの細く小さな金属の針が勢い良く飛んできたとしてもしっかりと見えていたようで、片手に持っていた剣を上手いこと使って全て弾き返していき、飛んできた細く小さな金属の針を地面へぽとりぽとりと突き刺さっていく。


 とはいえ、裏ギルドの頭であった男の攻撃はまだ終わっていなかったようで、指をパチンと鳴らされると、ドールが弾き返して地面に刺さった細く小さな金属の針が今度はキラキラと輝き出し、大きな爆発を巻き起こした。


「ごほっごほっ!やりづれぇったらありゃしねぇな!」


 そしてドールはというと、その細く小さな金属の針が起こした大きな爆発に巻き込まれたのだが、特に目立った外傷がない状態で土煙の中から飛び出していく。


 ただそんな土煙の中から出てきたドールに対して裏ギルドの頭であった男はどこから出てくる位置を把握していたようで、隙を付くかのように背後から片手に持っていた剣を首元に向かって横薙ぎに振るう。


「それくらい分かってんだよ。何年Sランクランク冒険者やってると思ってんだ?」


 しかし背後から隙を付くかのように首元に向かって振られた横薙ぎの剣をドールは分かりきった様子で軽々と受け止め、今度は反撃としてなのか空中で身体をひねりながらいつの間にか反対の片手に持っていた短剣で裏ギルドの頭であった男の首元を逆に差し返していく。


「おわっ!なんだそりゃ!?」


 そして裏ギルドの頭であった男の首元をドールの振るった短剣の刃に対して避ける素振りすらせず、すんなりと刃が通り過ぎることとなったのだが、一切の手応えを感じることはなかっため、ドールは驚きの表情を浮かべた。


 しかしその代わりとして深く被って顔を隠していたフードの根本はビリビリに切り裂かれることとなり、首元から切れていったフードはそのまま空の彼方へと飛んでいってしまい、裏ギルドの頭であった男の素顔が晒されることとなる。


 そんな裏ギルドの頭であった男の素顔はというと、ジョリジョリとした無精髭に鼻の上には何か鋭利なもので切られたような跡が残る垂れ目の男であり、到底裏ギルドをの頭だったとは思えない風貌であり、素顔が晒された裏ギルドの頭であった男はドールから距離を取る。


「やっぱりお前さんはグランヴィルだったか...」


「あらら...まぁ顔がバレちゃってもいっかぁ...とりあえずさっさと終わらせないとねぇ...」


 どうやらフードが空の彼方へと飛んでいき、裏ギルドの頭であった男の顔が晒されたことによって一体誰と戦っていたのかようやく確信を得たようで、どうやらドールにとっても知った顔だったらしく、グランヴィルと名前を呼ぶと、名前を呼ばれたグランヴィルはしまったなぁといった表情を浮かべながら苦笑いをしていたりする。


 そして顔がバレてしまったことについてはしょうがないと言いながら早くこの戦いを終わらせるためなのか、グランヴィルという男はポケットから青く輝くサファイアのような宝石を取り出すと、レヴィーエルと同様に口の中へ放り込んでゴクリと飲み込んでしまうのであった...。



いつも見てくださってありがとうございます!


次回の更新は多分6月11日になると思いますのでよろしくお願いします!

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