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789話

「はぁ...やられちゃったわねぇ...」


 仰向けに倒れたレヴィーエルは胸元部分に風穴が空いており、その風穴からは血がだらだらと地面に流れ続けているということもあって、死んだと思われていたのだが、まだ息はあったのか口を開き、小さくため息を吐きながらぽつりと呟く。


 そんなエルフィーはまだ息があるレヴィーエルをとどめを刺すためになのか屋根からさっと飛び降り、ふわりと音もなく着地すると、反撃されたりしないように警戒しつつ、ゆっくりと弓を構えながらレヴィーエルの下へと歩きながら近づいていく。


「撃ち抜いたというのに息があるのは驚きじゃな」


「魔族は意外と頑丈なものなのよ。まぁ私はもう死にかけだしここで退場なのだけれども」


「ふむ...それならばとどめを刺す必要もなさそうじゃな」


 ただエルフィーがとどめを刺そうと近距離で弓の弦を引き絞り、頭に目掛けて準備していた光の矢を放とうとするも、レヴィーエルが言うにはどうやら死にかけのようで、このまま息絶えるだけとのことであった。


 まぁ魔族といえど、胸元部分にぽっかりと穴が開いてしまえば流石に生命活動を維持するというのは厳しいようで、人族などとあまり大差ないのだろう。


 そのため、エルフィーは指先すらピクリと動かさないレヴィーエルにとどめを刺す必要性が無いと思ったのか、弓の弦を引き絞るのをやめ、その場から離れると、今度は倒れているライラ達の下へ向かおうと歩みを進める。


「でもこのまま何もしないのも癪なものだと私は思うのよねぇ...」


 しかしエルフィーが少し離れた位置に移動すると、レヴィーエルがこのまま死んでいくのは癪だと言い出し、今度は全身がぼんやりと赤く光り輝き出すではないか。


「嫌な予感がするのぅ...何をするつもりなのか分からんが儂はそう簡単に何かをさせるつもりはないぞ?」


 その呟きを耳にしたエルフィーはパッと振り返ると、そこにはぼんやりと赤く光り輝き出したレヴィーエルがおり、身の危険を感じたと言うことで、弓の弦を引き絞り、すぐさまとどめを刺すための光の矢を放っていく。


 しかしエルフィーが放った光の矢は一直線上に仰向けに倒れ、ぼんやりと赤く光り輝き出していたレヴィーエル対して飛んでいくも、途中で霞のように消えていったため、何が起こったのかよく見てみると薄っすらと広がっている炎によって防がれてしまったようであった。


「余計なことをするくらいなら逃げた方が良いわよ?ここら一帯爆発で巻き込まれちゃうもの」


 どうやらレヴィーエルは今からこの場で自爆をするつもりのようで、無駄な刺激をするくらいであれば、寧ろ早めに逃げた方が良いのでは?と逆に警告してきたりした。


「エルフィーさん!逃げて下さい!」


「しかしお主らを見捨てては...」


 ただここでこのまま自爆されてしまうと、今地面に伏しているライラ達も巻き込まれてしまうため、何とかして2人と共に安全な場所まで移動したいところなのだが、エルフィーの体格的を考えると流石に2人を抱えてこの場から自爆に巻き込まれない位置まで離れるのは流石に厳しいといったところ。


 そのため、苦渋の決断を迫られることとなったのだが、そんな選択を迫られていたエルフィーの前にある程度回復した様子のアインが地面に少しだけ残されている水たまりのような場所からぬるりと現れた。


「皆さんレヴィーエルさんは僕に任せて欲しいっす」


 そして目の前に現れたアインから自爆しようとしているレヴィーエルについては任せて欲しいと一言だけ言い残されると、自身の身体をどろりと溶かしていき、大量の水へと変化させ、今にも自爆しそうなレヴィーエルの周囲を包み込むように水のドームが形成されてゆく。


 そんな今にも自爆しそうなレヴィーエルを水のドームで包み込み終わると、すぐに内部で巨大な爆発音や地鳴りと共に大爆発が起こることとなったのだが、アインの作り出した水のドームのお陰でなのか、周囲に被害はいくことはなく、水のドームの内部だけで大爆発は留まることとなり、エルフィーやイザベル達も爆発に巻き込まれることはなかった。


 そして水のドーム内の爆発がある程度収まると、アインが作り出した水のドームは徐々にキラキラと煌めきながら空へと登っていき、土煙が晴れてきたのだが、そこには自爆を起こした張本人であるレヴィーエルや爆発を防いだアインはおらず、ただ悲惨な爆発の跡だけが残されているだけなのであった...。

いつも見てくださってありがとうございます!


次回の更新は多分6月6日になると思いますのでよろしくお願いします!

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