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最弱テイマーはゴミ拾いの旅を始めました。  作者: ほのぼのる500
王都と冒険者

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1117話 魔物の討伐依頼

「ドルイド、ラットルア、前方から3匹!」


「「了解」」


ランカさんの指示でお父さんとラットルアさんが、前方から来る3匹の魔物に向かって走る。


「アイビーは、ラットルアとドルイドの援護を」


「了解」


ランカさんが私に指示を出すと、シファルさんとヌーガさんが対応している4匹の魔物のところに向かう。

私は、お父さんとラットルアさんを援護する為に、近くの木に登って周りを見渡す。


「二人がちゃんと見えて、矢が使いやすい場所は……あった!」


お父さんとラットルアさんが戦っている場所の近くの、太い木に移動すると、矢を構える。


「にゃうん」


シエルが私に向かってくる魔物を倒してくれたので、私はお父さんに飛びかかろうとしている魔物の目に向かって、木の上から矢を射る。

命中したことを確かめると、次の矢をつがえて、ラットルアさんと戦っている魔物の後ろ脚に向かって放った。


私は、森の整備が済めば、今回の魔物の暴走はすべて解決したと思った。

でも、ランカさんが受けてきた依頼と彼女の話から、違うと知った。


魔物達には縄張りがある。

でも、魔物の暴走で縄張りから出てしまった為に、今、森にいる魔物達は気が立っている。

その結果、いつもなら気配を感じて避ける魔物が、近くにいる魔物に襲いかかってしまうらしい。

そういう事があちこちで起こると、また魔物が暴走してしまうとランカさんが教えてくれた。


その為、王都にいる中位冒険者と上位冒険者は、冒険者ギルドが「危険」と判断した魔物の討伐を行う。

ランカさんが受けてきた依頼も、その1つだ。


「こっちは終わった。そっちはどうだ?」


シファルさんの声に、お父さんが最後の魔物の首に剣を刺し、動かなくなったのを確かめると、声が聞こえたほうを見た。


「こっちも終わった。シファル達は無事か?」


「大丈夫よ。ポーションがあるから」


ランカさんの返事に、お父さんが少し険しい表情をする。

私は木から下りると、傍に来たシエルの頭を撫でた。


「シエル、ありがとう」


「にゃうん」


「ランカ、怪我をしたのか?」


「ちょっとね。でも問題ないから心配しないで。そっちへ行くわ」


しばらくすると、右肩あたりの服を真っ赤に染めたランカさんが、笑顔で私達の傍に来た。


「その血の量でちょっとか?」


ラットルアさんの問いに、ランカさんは右腕をぐるぐる回す。


「動くし、ポーションで怪我も治ったわ。ちょっとでしょ」


ランカさんの説明に、ラットルアさんが溜め息を吐く。


「そうではないと思うが……」


「ソラ~、ありがとう。あなたのポーション凄いわね」


「ぷっぷぷ~」


木の上にいたソラが、ランカさんに向かって胸を張って鳴く。


「昔の傷痕まできれいになるから驚いちゃったわよ~」


「あれ? ランカはソラのポーションは初めてか?」


ランカさんの説明を聞いていたシファルさんが首を傾げる。


「2日前までは、自分で買ったポーションがあったからそっちを使っていたのよ。なくなったから買わないと駄目ねって思っていたら、部屋に来たソラがポンポンとポーションを作っていくから驚いたわよ~」


ランカさんが笑って言うと、シファルさん達も笑って頷く。


「確かに最初は驚くよな」


ラットルアさんの呟きに、私はお父さんを見る。


「何? どういう事?」


お父さんは私を見て首を横に振る。


「ラットルア、今のはどういう事だ?」


お父さんの問いに、ラットルアさんだけでなくシファルさんもヌーガさんも驚いた表情をする。


「えっ、青と赤のポーションがなくなったら、ソラとフレムが部屋に作りに来てくれるんだよ。ポーションがなくなっているのをどうやって知るのかはわからないんだけどな。あれって、アイビーの指示じゃないのか? 一応、ポーション代は二人の家族口座のほうに振り込んでおいたけど……」


ラットルアさんの説明に、私は木の上にいるソラとフレムを見る。


「ソラ、フレム。どういう事?」


ソラとフレムは、私から視線を逸らして青空を見る。


「こら、視線を逸らしても駄目よ」


「ぷ~?」


「てりゅ~?」


2匹の不満そうな鳴き声に、思わず溜め息がこぼれてしまう。


「ふっふふふ」


私とソラ達の様子を見ていたシファルさんが笑い始めると、つられるようにラットルアさん達も笑い始める。


「悪い。ポーションをソラから貰った時に、『アイビーから?』って聞いたら、返事をしたから確かめなかったけど、ドルイドがアイビーに聞けばよかったな」


「いや、こっちも押し売りみたいで悪いな」


シファルさんがお父さんを見て謝ると、お父さんはシファルさんに向かって小さく頭を下げた。


「ポーション代金は返すよ」


お父さんの提案に、シファルさん達は「いらない」と返事をする。


「あれは持っていると安心感が違う。だから、必要ない」


ヌーガさんの説明に、シファルさんが頷く。


「確かに、あのポーションは持っていると、ちょっと無理をしても大丈夫と思えるわよね」


「ランカからは取り上げるか」


ランカさんの呟きに、ラットルアさんが真剣な表情で言う。


「ちょっと、どうしてよ!」


「ソラ達のポーションが手元にあると、いつも以上に暴走するって事だろう?」


「違うわよ…………たぶん」


小さな声で「たぶん」と呟いたランカさんに、シファルさんもヌーガさんも溜め息を吐いた。


「それにしても、どうして俺達にポーションを渡したんだ?」


シファルさんが木の上にいるソラ達を見る。

ソラとフレムは顔を見合わせると、プルプルと震えた。


「皆が心配だから?」


ソラ達の表情が少し不安そうに見えて、私は無意識にソラ達に聞いていた。


「ぷっぷぷ~」


「てっりゅりゅ~」


ソラ達の返事に、ラットルアさんが嬉しそうに笑う。


「そっか。心配だから、ポーションを作ってくれたのか。ありがとう」


「ぷっぷぷ~」


「てっりゅりゅ~」


ラットルアさんの言葉に、ソラとフレムは頷きながら鳴く。

でも、私とお父さんを見ると、不満げに鳴き声を上げた。


「ぷっ!」


「てりゅっ!」


「えっ?」


お父さんが2匹の態度に首を傾げる。


「俺とアイビーに不満みたいだけど、理由はなんだろう」


お父さんの問いに、今までの会話を思い出す。


ソラ達は皆が心配でポーションを作った。

シファルさん達は喜んでくれたから問題ない、でもソラ達は不満?

問題はポーションではないのかな?

それに……私に何も言わずに作った理由はなんだろう?


「あっ、ポーションの代金?」


「ぷっぷぷ~」


「てっりゅりゅ~」


私の呟きに、ソラ達が満足そうに鳴く。


「あぁ、そういう事か。ポーション代を貰ったから不満なんだな。それにアイビーを通さなかったのは、代金を貰わない為か」


「ぷっぷぷ~」


「わかった。代金は返しておくよ」


お父さんはソラと話が終わると、不思議そうにお父さん達を見ていたシファルさん達に視線を向けた。


「ソラとフレムが作ったポーションは、ソラ達からのプレゼントみたいだ。だから、ポーション代は返すよ」


「えっ? でも……」


シファルさんが戸惑った様子でソラ達を見る。

ソラはシファルさんと視線が合うと、楽しそうに縦に揺れた。


「そっか、シファルさん達は仲間で家族だもんね」


「ぷっぷぷ~」


「てっりゅりゅ~」


私の言葉に反応して嬉しそうに鳴くソラとフレム。

その2匹の反応に、シファルさん達は嬉しそうに笑った。


「家族か。ありがとう」


ラットルアさんがソラ達に言うと、ソラとフレムは満足げにプルプルと縦揺れした。


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― 新着の感想 ―
善意に胡座をかき始めたらっていうのもわかるけど、プレゼントだって言うソラたちの気持ちも大事 プレゼントに対価とか野暮だよね でもランカさんからは取り上げよう、無茶するからw
ソラとフレムはランカさんに無茶してほしくない。 でも彼女は無茶する、無茶したくなる。 取り上げ案件ですねw みんなのことがオープンになっても、レアには変わりない。 警戒心はソラとフレムにも理解してもら…
いつでもタダだと善意に依存する事に繋がる 人間と親密に接する以上は対価を要求するのが正しいハズ
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