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剣と魔法の異世界で、最弱の俺は『きのこ』を極めます。~28歳フリーター、異世界で成り上がる~  作者: リーさん


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第10話 皆を守りたい俺だった

五人の顔にはS級としての誇り、闘志が現れていた。


「〝雷龍の鉤爪〟覚悟を決めろ!!」


――――孝典が走り出した数秒後、


「ミリア、僕らがもし奴に敵わずに全滅するような事があれば、僕たちを結界に閉じ込めて君だけでも逃げるんだ」

「馬鹿なこと言わなっ.....」


ヴァールが真剣な表情でミリアを見ていた。


――――――――


「(.....ふざけないでよ!)」


ミリアは唇を噛み締めた。


「どけっ、マートン!〝イビルショット〟!!」


トロイの放った矢が急加速した。

だが矢は躱され、後ろの大木を四本ほど弾き飛ばした。

ミストウォーカーはトロイに接近した。


「伏せろ!」


危機一髪のところでマートンが間に合い、ミストウォーカーの振り下ろした拳を盾で受け止めた。


「こんのぉ....」


マートンは片膝をつき、今にも崩れそうだった。


「〝ステータスアップ〟」


メレナがスキルを唱えると、四人の身体を光が包んだ。


「サンキューメレナ!うぉおおお!!」


マートンが力を振り絞り、ミストウォーカーの拳を押し返した。


―――――その頃、孝典は


ヴァールたちから離れ、出口までの中間地点まで戻っていた。

するとそこには、レッサーウルフが三体見えた。


「ハァハァ、嘘だろ....」


レッサーウルフは孝典に気づき接近してくる。


孝典は後ろへ走りながら、急いで霧吹きとゴム手袋を出し、麻痺ダケをセットした。


ピコンッ


《【一般級:霧吹き】に麻痺が付与されました》


「よし、とりゃーー!」


シューー…


三体のレッサーウルフは身動きが取れなくなった。

孝典は疲労からその場に座り込んだ。


「くそっ、」


――――――


「皆見てー、優勝した!」


ミリア…


「怪我したらいつでも言ってくださいね」


メレナさん…


「大丈夫か、タカノリ」

マートン…


「おっす!タカノリ」


トロイ…


「お手柄です、タカノリさん」


ヴァールさん……


――――――――――


孝典が土を握りしめた。


「俺だけ逃げていいわけねぇだろ...!!」


孝典はヴァールたちのいる方向へ振り返り、走っていった。


「(ごめん、ヴァールさん。約束守れそうにない!)」


――― 一方その頃、ヴァールたちは、


マートンがスキルを発動する。


「〝アース・バインド〟」


ミストウォーカーの腰付近まで、岩がせり上がり固定した。

ヴァールがすかさず攻撃を仕掛ける。


「〝トール・ハンマー〟!!」


眩いほどの雷を、剣に纏わせた。

ミストウォーカーに攻撃が当たり、緑色の血を流した。


「〝攻撃が通った...!〟」


「よしっ、もう一度行くぞ〝アース...〟」


ミストウォーカーがマートンに急接近し、首を掴み投げた。


「ぐわぁ!」

「マートン!!」


トロイがマートンの元へ走った。


「大丈夫か!〝隠蔽〟」


トロイが〝隠蔽〟を使い、二人の姿を隠しその場を離れた。


「〝フロスト・コフィン〟」


ミリアのスキルがミストウォーカーの動きを封じる。

氷が脚と腕から中心にかけて広がっていった。


「長く持たない!」


ミリアが焦った表情で振り向くと、ヴァールがすかさず剣に炎を纏わせる。


「〝千龍炎夏〟!」


パキィィン…

ヴァールの剣がミストウォーカーの右腕を切り落とした。


「はぁはぁ、やっとの思いで右腕だけか...」


キィィィィ…!!

ミストウォーカーが、耳をつんざくような雄叫びをあげる。


「くっ...」

「なんなのよこれ....」


五人全員が耳を塞いでいる。

それぞれの顔には、消えかけていた恐怖心が再び芽を出した。


「ハァ、大丈夫だみんな...」


剣を掴みながら立ち上がるヴァール。


「今まで積み上げてきたものを信じるんだ!」


ヴァールの背中に、勇気を貰った4人が立ち上がる。


「やっぱり、お前がリーダーでよかったぜ」


マートンがヴァールの背中をポンッと叩いた。

すると、ミストウォーカーが左手を前に出した。


「なんだ...?」


次の瞬間、不完全ながらも茶色の魔法陣が生成された。


「嘘だろ...皆離れろ!」


マートンの足元が岩で固定された。


「俺のスキルを真似やがった...!」


盾で足元の岩を割った。


「時間をかけると厄介だ...」

「あぁ、メレナの補助魔法までものにされたら太刀打ち出来なくなるからね....」


五人は改めてネームドの恐ろしさを知った。

走る孝典の目に、ミリアの〝サイレント・ドーム〟が映った。


「皆ー!俺も戦わせてくれ!!」


孝典は叫んだが、結界の中は外の音が遮断されてるため、誰も孝典には気付かなかった。


「はぁはぁ、みんな!」


ドンドンッ

孝典は結界を叩き続けた。

するとマートンの視界に孝典が入った。


「...タカノリっ!?」

「えっ、なんで戻ってきた!」


逃げたはずの孝典が現れ、五人は驚きの表情を浮かべた。

すると――


「タカノリさん!後ろ!!」

「ミリア!ドームを解除しろ!」


ミリアが〝サイレント・ドーム〟を解除すると、マートンは孝典の元へ全速力で走っていき、盾を構えた。


ガンッ…!

先程、孝典が麻痺させた三体のレッサーウルフだった。


「おらぁぁ!」


マートンはレッサーウルフを押し潰し、盾の側面で切った。


「マートン!避けて!!」


ミリアが叫んだ次の瞬間、ミストウォーカーがマートンの横腹を殴り飛ばした。


「ゴフッ……」


不意をつかれ、攻撃をまともに受けたマートンは吐血し、意識は朦朧としていた。


「マートン!俺のせいで......」


地に伏したマートンを見つめ、孝典は自らがあまりに無力で、戻ってくるべきではなかったと後悔した。


ピコンッ


《経験値を獲得したため、レベル3へアップグレードしました》

《ガチャシステムを解放します》


絶望的な状況の中、俺の前にウィンドウが表示された。


(つづく)


==================================

《ステータス》

・三田 孝典 (みた たかのり)

・レベル3

・F級冒険者

・【固有職業:きのこマスター】

・【一般級:霧吹き】

【一般級:ゴム手袋(薄手・ピンク)】

・【ウィンドウ】【マップ:レベル1】

【会話:レベル1】【ガチャシステム】

==================================

最後まで読んで頂きありがとうございました!

応援、コメント頂けると励みになります!


〝S級パーティー全滅寸前、駆けつけた孝典に解放された新たな力、ガチャシステムとは――!?〟


次回お楽しみに!

(*・ω・)*_ _)ペコリ


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