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ハズレスキル『土壌感知』で転生した俺に、死にかけの辺境村を任されました  作者: ヲワ・おわり


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第66話 第二回収穫祭

二年目の、収穫祭の日が、来た。


去年は、村人だけの、ささやかな、内輪の祭りだった。


今年は、違った。辺境の、三つの村から、視察団が、来ていた。それぞれ、五人から、十人。「噂の、見本村を、見に来た」のだ。ダールム村の名は、辺境の中で、知られ始めていた。



広場の、テーブルには、食べ物が、並んでいた。


去年とは、量も、種類も、まるで、違った。


「去年は、麦粥と、塩漬けが、メインだったのにな……」


住民の一人が、しみじみと、言った。焼きたてのパン。野菜のスープ。豆の煮込み。焼いた肉まで、あった。


視察団の者たちが、驚いていた。


「本当に……廃村だったのか、この村が」



ミリアが、視察団に、農業の説明を、していた。


「土に、堆肥を入れて、栄養を、戻します。それから、植える作物を、毎年、変える。輪作です。それと、水路を、整備して――」


すらすらと、自分の言葉で、語っていた。質問にも、よどみなく、答えている。


俺は、横から、補足しなかった。ただ、見守っていた。


ミリアは、もう、一人で、農業を、語れる。一人で、教えられる。それを、見ているだけで、十分だった。



ラナが、祭りの中心で、食事を、とっていた。


俺は、その隣に、腰を下ろした。


「去年も、ここで、食べましたね」


「ああ」


「去年と、違うのは?」


ラナは、少し、考えてから、言った。


「……全部だな」


短い、言葉だった。だが、その「全部」に、どれだけのものが、込められているか。俺には、分かる気が、した。



視察団の一人が、住民に、言った。


「来年の、収穫祭にも……来ても、いいですか」


「いつでも、来てください」


住民が、誇らしげに、答えた。


かつて、誰からも、見向きもされなかった村に、人が、「また来たい」と、言う。「ダールム村は、続く」――それは、もう、確かなことに、なっていた。



祭りが、佳境に、なった頃。


ラナが、俺の袖を、引いた。


「少し……外に、出ないか」


俺は、立ち上がった。


「農地の方へ、行こう」


ラナが、言った。


「また、別の時に」と、言っていたラナが――今、自分から、誘っていた。


俺は、静かに、ついていった。

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