36 燕原小学校の花子さんにまつわる話【1】
* 燕原小学校のウワサ話1:
おばけがいたらしいよ。
そういうあだ名の子。
それで、本当におばけになっちゃったんだって。
校舎2階の女子トイレ、いちばん奥の個室。
放課後にその扉の前に立つと、泣いてる声が聞こえるの。
雪で作った三角形をふたつ置いてノックすると、おばけになった子──花子さんは泣き止むけど、なんにもしなかったり、雪を崩すと呪われる。
* 燕原小学校のウワサ話2:
おはよー、積もったねー。
雪の日にだけ試せる学校の七不思議があるって知ってる?
そーそー、2階の女子トイレのやつ。
放課後だれかやるかな?
あれ、ほんとにあった事件らしいよ。
いじめっこがさ、雪でおばけ退治のおまじないごっこをして女の子をおどかしたんだって。
どんなおまじないかって?
詳しくは知らないよー。
とにかくね、怖がりな女の子はトイレから出られなくなっちゃって、塾の時間でみんなに置いていかれた後もそこにいたらしいよ。
おまじないに使った雪、窓の外から取ったらしくて、最後に窓をきちんと閉めてなかったんだって。
だから、取り残された女の子は寒くて死んじゃったらしいよ。
その子が幽霊になって、今でも出るんだって。
でね、でね。
花子さんに挨拶するときに使った雪をね、いじめっこの机のひきだしに入れておくと、いじめっこは一週間以内にヒドイ目に会うんだって。
だからこの学校、いじめられっこの雪の日の登校率高いらしい。
放課後になるとみんなトイレに注目するから、実際にやる子っていないっぽいけどねー。
で、まだ続きがあるの。
《雪の日の花子さん》はさ、いじめっこに罰を与えてくれるけど、花子さんにとっての復讐相手はもう学校にいないから、ずっと成仏できずにいるらしいよ。
かわいそうだよね。




