↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
20/31

第18話

 奥の部屋から溶接でもしているのか、ジジジと独特な機械を熱する物音と、数人の話し声が聞こえてくる。俺は一応ノックしてみた。


「はーい、どなた?」

「初対面の者だが、突然の来訪を許して頂きたい。ある情報が欲しくて、このラジオ塔を訪れた者だ。中に入ってよろしいかな?」

「⋯⋯入り口や屋上は鍵がかかってたはずだけど、どうしたのかな?」

「ヘアピンとドライバーで開けさせてもらった。内側からもう1度鍵をかけてもいる」


 ドアのすぐ向こう側に足音。俺は念のためウェンディを横にズレさせた。突然、ドア越しに銃撃されてもたまらないからな。


「悪いけど、身元がハッキリしない人とはドア越しの会話になるけど、良いかな?」

「かまわない。俺は契約者と呼ばれている類のステイゴールドだ」

「そう。私たちはここのラジオパーソナリティと、修理を請け負ってるウォムの業者だよ。それで、聞きたいことって?」


「2つある。この地域から外に出て、ずっと遠くに行く方法と、この声に聞き覚えないか」


 俺はいつもの通りパソコンを操作して、マドカちゃんの録音した声を再生した。


「あいにくだけど、両方とも誰も心当たりがないみたい。でもこのラジオ塔の地下室の資料なら、自由に見てもいいよ。私たちの管轄でもないからね」

「わかった。少ないがこれは勝手に鍵を開けた詫びと礼だ。受け取ってくれ」


 俺はスペードの1が描かれたトランプを1枚だけ抜いて、ドアの隙間から通して贈った。


「待って、こちらも聞きたいんだけど、君たちはジウルーンなの?」

「ジウルーンではないな。というか、ジウルーンについては、俺もよく知らないんだが」

「ここ1月前くらいかな。ウォムの深海エリアに急に出てきた乱暴な連中でさ、きな臭くて保安隊が躍起になってるのよ」


 急に出てきた、か。外から何らかの手段でやってきたのか、あるいは出入りしているのか。調べて見る価値がありそうだ。


「そうか、悪い連中について行かないように注意するよ。じゃあ、今度はできれば顔を合わせて会おう」

「そう願うわ。じゃあね、ステイゴールド」


 会話を切り上げて階段を再び降りていく。4階と3階は事務作業を行う場所だったのか、電源のつかない壊れたパソコンや、壊れて使い物にならない銃器が転がっていて目立つ。

 2階と1階は身を隠せるバリケードや銃撃戦の跡、使用済みの地雷部品が床に転がっていた。


「これ、激しい戦闘でもあったのかしら?」

「ヤドカリたちと、何度かやりあったのかもな」


 最後の階段を降りる。途端に磯臭い匂いが濃くなってきた。資料室は天井から染み出した海水が貯まっているのか、軽く水没しかけている。

 紙の資料なども残っているが、水分でふやけてほとんど読めそうにない。残ってたのは画面が割れているノートパソコンだけだった。

 公共用の物だったのか、パスワードはかけられていない。資料の検索履歴をさっそく辿ってると、ある1点が目についた。


「リヴァイアサン、プロジェクト⋯⋯?」


『実績:現実世界の真実□/□』

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。