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第97話:新たな挑戦

王都へ到着してから数日。

百華繚乱は王都での生活にも慣れ始め、飛龍討伐の功績もあってギルド内でも一目置かれる存在となっていた。だが、青真達は現状の実力で満足するつもりはない。

四神獣との戦いを見据え、更なる高みを目指す修行の日々が始まろうとしていた。


朝早く、王都郊外の訓練場。

青真は木剣を構え、正面に立つカレンと向かい合っていた。

「では、始めます。」

カレンの合図と同時に木剣が閃く。未来予知で軌道は見えている。青真は最小限の動きで受け流し、そのまま反撃へ移った。


しかし、その一撃はあっさりと受け止められる。

「今の判断は良かったです。」

「ですが、剣筋がまだ甘いですね。」

「未来予知で避けられても、剣が追い付いていません。」

青真は苦笑しながら木剣を下ろした。「やっぱり簡単にはいかないな。」


午前の訓練を終えると、今度は闇風との体術訓練が始まる。

「では青真さん、今度は私が相手をします。」

闇風は短剣をしまい、素手で構えた。

「力勝負になった時の対処を覚えましょう。」

「お願いします。」


闇風は一気に距離を詰め、青真へ体当たりを仕掛ける。

青真も受け止めるが、一瞬で押し込まれた。

足が地面を滑り、体勢が崩れる。

「ぐっ……。」

「やはりまだ筋力不足ですね。」


闇風は青真を起こしながら静かに言った。

「ですが、それは欠点ではありません。」

「青真さんには未来予知とマナショットがあります。」

「力勝負を避け、自分の長所で戦えば十分に勝てます。」

その言葉に青真は大きく頷いた。


昼食を終えた一行は王都の武器街を訪れる。

「訓練用の木剣じゃ実戦は厳しいわね。」

アルナが店先を眺めながら言う。

「そろそろ青真さん専用の剣を買う頃でしょう。」

カレンの提案に全員が賛成した。


店主は様々な片手剣を並べて見せる。

青真は一本一本手に取り、重さや重心を確かめていく。

そして最後に選んだのは、装飾こそ少ないが扱いやすい鋼鉄製の片手剣だった。

「これなら振りやすい。」

店主も満足そうに頷いた。

「良い目をしてるな兄ちゃん。その剣は癖がなく長く付き合える一本だ。」


午後。

百華繚乱は王都西部に位置するC級ダンジョン『岩石洞窟』へ足を踏み入れた。

洞窟内には湿った空気が流れ、岩壁には青白い鉱石が淡く輝いている。

闇風が周囲へ意識を巡らせた。

「前方に五体。ゴブリンです。」


ゴブリン達が一斉に飛び掛かる。

青真は未来予知で攻撃を見切り、新しい剣で迎え撃った。

以前より滑らかに剣は振れる。

しかし、一撃で急所を捉え切れず、討ち漏らした一体へマナショットを放つ。

光弾は正確に額を撃ち抜き、ゴブリンはその場へ倒れ込んだ。


さらに奥では巨大なビッグスライムが行く手を塞ぐ。

メグは微笑みながら魔人形を前へ出した。

「お願い。」

魔人形達が一斉に斬り掛かり、アルナの風魔法が動きを封じる。

最後は青真のマナショットが核を撃ち抜き、ビッグスライムは音を立てて崩れ落ちた。


続いて現れたのは猪人族――ハイオークだった。

筋骨隆々の巨体が大斧を振り下ろす。

青真は剣で受け止めたが、そのまま鍔迫り合いへ持ち込まれる。

「ぐっ……!」

腕が軋み、少しずつ押し込まれていく。

「青真さん!」

カレンが叫ぶ。


青真は無理に耐えず後方へ飛び退いた。

未来予知で次の動きを読み切る。

ハイオークが踏み込んだ瞬間、マナショットを胸へ撃ち込み体勢を崩す。

「今だ!」

その隙にカレンと闇風が左右から斬り込み、見事な連携で討ち取った。


最奥部へ辿り着くと、大地を揺らす咆哮が洞窟中へ響いた。

岩壁を砕きながら姿を現したのは、全身を岩の鱗で覆われた岩竜だった。

「これがボスか。」

青真は剣を構え直し、仲間達も静かに武器を握る。

四神獣への第一歩となる戦いが、今まさに幕を開けようとしていた。


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