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最強ゲーマーの《多世界攻略録(マルチバースアーカイブ)》  作者: 紅柳
第三部異世界編 第一編 城塞都市編
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第83話:冒険者という生き方

ギルド内の喧騒を横目に、青真達は受付カウンターへ案内されていた。


先程の能力測定の結果は既にギルド中へ広まっているらしい。


視線を向けてくる冒険者も多い。


中には露骨に驚いている者までいた。


四人は少し居心地の悪さを感じながら席へ座った。



「改めまして、冒険者登録おめでとうございます」


受付嬢が微笑む。


名前はエリナ。


冒険者ギルドで働く受付嬢らしい。


先程の能力測定ではかなり驚いていたが、今はすっかり落ち着きを取り戻していた。



「こちらが皆様のギルドカードです」


四枚の金属製カードが差し出される。


青真は受け取ったカードを眺めた。


名前、ランク、所属都市、そして簡単な個人情報が刻まれている。


異世界で初めて手にした身分証だった。



「このカードは身分証明書になります」


「他の街や国でも有効ですので、大切に保管してください」


エリナが説明する。


四人は頷きながらカードを受け取った。


これで少なくとも身元不明者ではなくなった。



「ところで」


メグが手を挙げる。


「私達、この世界のことをほとんど知らないのよね」


「簡単に説明してもらえない?」


エリナは少し不思議そうな顔をした。



「旅人の方ですか?」


「まあ、そんなところです」


青真が曖昧に答える。


流石に異世界から来ましたとは言えない。


エリナも深くは追及せず話を続けた。



「では基本的なところから説明しますね」


そう言って大陸地図を机の上へ広げる。


かなり巨大な地図だった。


海を挟みながら複数の国家が存在している。


その半分近くが赤色で塗られていた。



「この世界はリベリア大陸と呼ばれています」


「そして大きく人類圏と魔族領に分かれています」


エリナが赤く塗られた地域を指差す。


そこが魔族達の支配地域らしい。


四人は真剣な表情で耳を傾けた。



「魔族と人類は長年戦争状態にあります」


「現在も各地で小競り合いが続いています」


その言葉に青真達は顔を見合わせる。


どうやら平和な世界ではないようだ。


異世界でも戦いは避けられないらしい。



「そして人類圏を支えているのが冒険者です」


「魔物討伐」


「護衛依頼」


「素材採取」


「ダンジョン攻略」


エリナは指を折りながら説明した。



「ダンジョン?」


青真が反応する。


エリナは頷いた。


「はい」


「この世界には各地にダンジョンが存在します」



その言葉にメグも興味深そうに身を乗り出した。


「ダンジョン内部には魔物や財宝が眠っています」


「鉱石や素材の採取場所でもあります」


「冒険者達の主な収入源ですね」


まさに異世界ファンタジーそのものだった。



青真の目が少しだけ輝く。


ゲーム好きの血が騒いだ。


闇風も腕を組みながら静かに聞いている。


カレンも興味深そうだった。


未知の世界への期待が膨らんでいく。



「ダンジョンにもランクがあります」


「S、A、B、C、D、E、F」


「冒険者ランクと同じです」


「F級は初心者向け」


「S級は伝説級ですね」



「ちなみに冒険者ランクも同じです」


周囲の冒険者達も自然と耳を傾けている。


先程の能力測定結果が気になっているのだろう。


青真達も改めて自分達の評価を思い返す。


異世界基準でもかなり高評価だった。


少しだけ実感が湧いてきた。



「そしてダンジョンでは魔宝道具が発見されます」


「魔宝道具?」


今度はメグが反応した。


エリナは頷く。


「アーティファクトとも呼ばれています」



「魔法の力を宿した特別な道具です」


「武器や防具」


「装飾品」


「便利道具など様々な種類があります」


「こちらもランクはSからFまでです」



「同じランクのダンジョンから同じランクのアーティファクトが発見されます」


「つまりS級ダンジョンならS級アーティファクトですね」


その説明に四人は納得した。


非常に分かりやすい仕組みだった。


ランク制度が統一されているのだ。



未知のダンジョン。


未知の財宝。


未知のアーティファクト。


青真は胸が高鳴るのを感じていた。


まるで冒険の始まりを告げられているようだった。



「ちなみに皆さんなら」


エリナが四人を見る。


「C級ダンジョン程度なら十分攻略可能だと思います」


その瞬間、周囲の冒険者達がざわついた。


新人への評価とは思えないからだ。



「冗談だろ」


「普通はF級からだぞ」


「C級なんてベテラン向けじゃねぇか」


そんな声が聞こえてくる。


しかしエリナは真面目な顔だった。



「カレンさんと闇風さんはA級評価です」


「完全に超人クラスですね」


二人は少しだけ照れた表情を浮かべる。


周囲の冒険者達はさらに騒ぎ始めた。


新人でA級など聞いたことがない。



「メグさんもA−評価です」


「魔法と錬金術の両方を扱えるのは非常に珍しいですね」


メグは少し得意げに胸を張った。


当然の評価だと言わんばかりである。


周囲からは感嘆の声が漏れた。



そして最後にエリナは青真を見る。


「青真さんはB+評価です」


「ただし反応速度、索敵能力、判断能力はA級相当」


「近接戦闘技術だけが足りていません」


「そこが補われればA+級も十分狙えます」



ギルド内が静まり返る。


数秒後。


冒険者達が一斉にざわつき始めた。


メグは額を押さえる。


カレンは苦笑する。


闇風は肩をすくめた。


そんな中、ギルドの掲示板に新しい依頼書が貼り出された。


多くの冒険者達が集まり始める。


青真達も自然とそちらへ視線を向けた。


異世界での初依頼が始まろうとしていた。


新たな冒険の第一歩が、今まさに始まる。



冒険者。


ダンジョン。


アーティファクト。


そして魔王軍。


青真達の新たな物語は、ここから本格的に動き始めるのだった。

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