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最強ゲーマーの《多世界攻略録(マルチバースアーカイブ)》  作者: 紅柳
第五部魔法世界編 第一編 猟犬追跡編
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第163話:調査

特魔災害対策庁本部。

池袋事件から数日後。

会議室には大型モニターが設置され、複数の事件記録が表示されていた。


画面に映るのは、各地で発生した魔法犯罪。

違法アーティファクトの使用。

一般人による魔法暴走。

突然の破壊活動。


それらの情報が並べられている。

青真達PRIMEの四人は、会議室の席へ座っていた。

「池袋の事件以降、各地の事件記録を再調査した。」

蓮が資料をめくりながら話す。

「結果、過去にも同じような事件が複数発生していたことが分かった。」


メグがモニターを見る。

「でも、今までは別々の事件として処理されていた。」


「そうだ。」

蓮は頷く。

「使われたアーティファクトも違う。」

「暴走した人数も違う。」

「だが、共通点があった。」


画面に複数の事件が表示される。

「違法なアーティファクトの流通。」

「そして使用者の精神状態の異常。」


闇風が腕を組む。

「裏で繋がっていたわけか。」


「ああ。」

蓮は一枚の資料を表示する。


黒い紋章。

その下に書かれた名前。

「ネメシス。」


部屋の空気が少し重くなる。

青真は画面を見る。

「まだ分かっていることは少ないんですよね。」


「その通りだ。」

蓮は答える。


「組織の規模。」

「構成員。」

「拠点。」

「目的。」

全て不明。


「ただし。」

蓮は続ける。


「奴らが偶然事件を起こしているわけではないことだけは確かだ。」

「計画的にアーティファクトを配布している。」


「何か目的がある。」

カレンが静かに口を開く。

「一般人を利用した理由が気になります。」

「戦力としてではなく、データ収集の可能性がありますね。」


メグも頷く。

「アーティファクトの性能確認。」

「精神干渉の効果確認。」

「誰かが試していた可能性が高い。」


青真は拳を握る。

「人を実験に使ってるってことか。」


蓮は静かに頷いた。

「だから早急に調査する必要がある。」


「だが、相手は慎重だ。」

「池袋事件の後も、大きな動きは確認されていない。」


闇風が目を細める。

「姿を隠している。」


「ああ。」

蓮は四人を見る。


「そこで、PRIMEには各地の関連事件調査を頼みたい。」

「全国規模になる。」


青真は頷いた。

「分かりました、探します。」


蓮は続ける。

「ただし無理はするな。」

「相手の情報が少なすぎる。」

「正体不明の組織ほど危険だ。」


青真は立ち上がる。

「それでも次の被害が出る前に止めます。」


その言葉に、闇風、メグ、カレンも続いて立ち上がった。

こうして。

人類最強部隊PRIMEによる、ネメシス追跡が始まった。


PRIMEによる調査が開始されてから数日。

各地で発生した魔法犯罪の情報が、少しずつ集まり始めていた。


その中で。

一つの共通点が浮かび上がる。

違法アーティファクトの流通経路。


そこを追っていた闇風は、とある地下街へ足を踏み入れていた。

薄暗い路地。


表向きは普通の商店街。

しかし。

一歩裏へ入れば、そこには違法な魔法道具を扱う闇市場が存在していた。


「……ここか。」

闇風は周囲を見回す。


魔力を隠す結界。

監視用の魔法道具。


普通の人間なら気付けない細工。

だが。

闇風の気配察知は、それら全てを捉えていた。


「三人全員、武装しているな。」

その中の一人。


黒い箱を別の男へ渡している。

中身は違法アーティファクト。

闇風は静かに距離を詰めた。


「……誰だ。」

構成員の一人が振り返る。


しかし。

その瞬間には。


既に闇風の姿は消えていた。

「な――」


次の瞬間。

男の背後。


短剣の柄が首元へ叩き込まれる。

ドサッ。

男はその場へ崩れ落ちた。


「一人。」

闇風は淡々と呟く。


残り二人が慌ててアーティファクトを起動する。

「敵襲!」

「こいつ一人だ!」

魔力障壁。

強化魔法。

攻撃用アーティファクト。


しかし。

相手が悪かった。


「遅い。」

闇風が踏み込む。


一瞬。

二人の武器だけが切断された。


ガキィン!!

そして。

次の瞬間には二人とも意識を失い、地面へ倒れていた。


戦闘終了。

時間にして数秒。

闇風は倒れた構成員達を拘束する。


「……末端か。」


装備。

魔力。

戦闘能力。


どれも低い。

だが。

情報源としては十分だった。


◇◇◇


特魔災害対策庁。

取り調べ室。

拘束されたネメシス構成員が座っている。


蓮。

青真。

闇風。

メグ。

カレン。

全員が資料を確認していた。


「ネメシスについて話してもらう。」

蓮が告げる。


構成員は笑う。

「俺達は下っ端だ。」

「上のことなんて何も知らねぇ。」


闇風が静かに口を開く。

「なら知っている範囲でいい。」

「誰から指示を受けた。」


数秒の沈黙。

やがて。

男は答えた。


「……ハウンド様。」

闇風の目が細くなる。


「ハウンド。」

「現場を動かしてる上司だ。」


「俺達はあの方の指示でアーティファクトを流していた。」


メグが資料へ視線を落とす。

「やっぱり。」

「組織的に動いてる。」


さらに調査を続ける。


判明した情報。


* ネメシスには複数の部門が存在する

* 違法アーティファクトの製造担当がいる

* ハウンドは現場指揮を担当している

* さらに上に存在する人物がいる


青真は静かに資料を見る。

「ハウンドの上、まだいるのか。」


構成員は震えながら答える。

「俺達が知ってるのはそこまでだ。」

「だが……。」

「ネメシスは、まだ始まったばかりだって。」

「ハウンド様は言っていた。」


◇◇◇


その頃。

ネメシス拠点。

暗い部屋。


ハウンドは複数のモニターを見ていた。

池袋事件。

回収されたアーティファクト。


そして。

PRIMEの戦闘記録。


「……。」

「やはり。」

ハウンドは小さく呟く。

「一般人程度では、この程度か。」


机の上には新たな資料。

そこには人間の魔力データ。

強化術式。

人体改造計画。


「第一段階終了。」

「次は、より強い個体で試す。」


ハウンドの背後。

暗闇の中で複数の影が動く。


ネメシスの計画は。

次の段階へ進もうとしていた。


読んでいただきありがとうございました!もし面白いと思っていただけたら、ブクマや評価で応援してもらえると励みになりま

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