27話 2年前
読んでくださりありがとうございます。今、「探してる魔王が俺だってどう言えばいい。」という異世界物を投稿しています。是非読んでみてください。
1ヶ月前…
「秋山 裕翔…」
美久は窓の外を眺めながら呟いた。
外は水色の空に白い雲だけ見えていた。今、美久は飛行機で日本へ向かっていた。
理由は過去に遡る。
2年前、メイリー・スミスは死んだ。殺されたのだ。
メイリーの両親は外国人で軍人をしていた。
ある日の夜、母親の両親に会いに行くためメイリーたちは祖父母の家で家族全員、食事を共にしていた。
「大きくなったなメイリー。」
祖父が美久にやわらかな笑みを見せながら言う。
「おじいちゃんはちっちゃくなったね。」
メイリーは冗談を言いながら笑顔を見せる。
「はあはあはあ!」
祖父の笑い声が食卓に響いた。
「それにしてもチェス上手くなったね。」
今度は祖母がメイリーに言う。
「うん。たくさん練習してきた。」
この頃のメイリーは好奇心旺盛な少女で今のほとんど無口とはかけ離れていた。しかしその日を境にメイリーは笑顔を見せなかった。
たわいもない会話を楽しみながら食事をしていると
"ピンポーン"
と高い音が鳴った。
「俺が出るよ。」
父親がそう言い立ち上がる。
「あ、まってお弁当ついてますよ。」
母親が上手な日本語で優しく言い父親の口元についた残飯を取る。
「ありがとう。」
父親はそう言うと玄関に向かって歩いて行った。
数秒後…
"バンバンバン!"
脳まで響いてくる大きな音が玄関から3回聞こえてきた。
軍で働いている母親はその音がなんなのかすぐ気づき叫ぶ。
「あなた!!」
母親は慌てて玄関へ向かった。すると
"バンバン!"
また同じ音が聞こえてきた。
メイリーは耳を押さえ何が起きたかわかっていなかったが祖父母はわかったらしく顔色を変えた。
「メイリー!逃げなさい!」
祖母がそう叫んだがもう遅かった。
メイリーが後ろを振り向くとそこには大きめの拳銃を持った男がおり次の瞬間…
メイリーは頭を撃ち抜かれた。
本当は死んでいた。しかしメイリーは幸運か不幸か人型軍事兵器として生き返った。
その後は家族を殺した相手を探しまくった。しかし手がかりは掴めず今はスパイとして活動している。
そして日本に行くのはあるスパイが日本にも軍事用ではないが機械の身体を持つ人間がいると情報がはいってきたからだ。
日本についたメイリーは情報をくれたスパイが用意したアパートに住み、裕翔を調べ始めた。
調べ始めて2週間目。
メイリーはふと、こう声に出した。
「いいな…」
家族もいて友達もいる裕翔を見て羨ましいと思ったのだ。
美久は自分の放った言葉に驚き憎んだ。
(私は復讐の事だけを考えればいい。そうするのがいい…)
理性ではそう思っていても残念ながら精神的に病んでいた心には意味がなかったそして…
(秋山 裕翔の幸せを奪う…)
復讐の矛先が裕翔に向けられた。
メイリーはまず裕翔に学校に来るなといい、もし来たら早苗という人物を殺すと脅す。
そして仲間のスパイに理由をつけて秋山 裕翔を殺す方針に変えさせその話をわざと早苗に聞かせる。
話を聞いた早苗が裕翔にその事を伝えるため学校を早退するのを待ち1人になったところを殺す。
そうすれば秋山 裕翔は悲しむ。
そんなシナリオをメイリーは脳内で一瞬で完成させ今に至る所まで来た。
早苗との距離まで2メートル。秒速25メートルで移動できる美久にとっては数センチと変わりない。
メイリーは悪い笑みを浮かべる。
(決まった!)
そう思った次の瞬間、メイリーは数十メートル後方に吹き飛ばされた。
「間に合ったか…」
そこには裕翔の姿があった。
はぁー。はぁー。この頃体力が乏しい…




