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世界の果てまでもあなたを追いかける  作者: お歌詞屋さん
12/33

12話


「はぁ〜」


裕翔は疲れ果てていた。無理もない。


裕翔はバレー部の仮入部のあと柔道部、バスケ部、ボクシング部、将棋部、弓道部、ウエイトリフティング部など色々なところを周り伝説を作っていった。


というかこの高校、部活ありすぎ…ウエイトリフティングなんてやる高校生そんなにたくさんいるのか…


そういえば弓道部でショッピングモールで会った琴美がいた。

すごい形相で的を狙う姿はまさに武士だった。


「なぁ早苗、そろそろ終わりに…『次はソフトテニス部ね。』はぁ〜…」


(まあいいかこれで最後になるだろうし。)


早苗はスキップしながら裕翔を引っ張り校庭に連れ出すのだった。


「塚ちゃん先生ー。今日、この子とペア組んで試合したいんですけどいいですか?」


何回今日でやったかわからないがまたあの上目遣いをする。


早苗が塚ちゃんと読んだ先生は石塚 真之介(いしづかしんのすけ) 先生だ。

教科は体育で良い体つきをしており男子生徒が恐れる先生第1位だった。


そんな先生をちゃん付けで呼ぶ早苗はある意味最強だ。


「早苗か…よし、いいだろう。」


塚ちゃん先生がそう言うと早苗は飛び跳ねて喜ぶ。


「だがその代わり相手は清水(しみず)と私だ。」


「「お〜〜」」


それを聞いた男子テニス部は声を上げる。


清水(しみず)とは清水 太一(しみずたいち)。男子テニス部部長で全国大会に出場したことがある人だ。


しかも塚ちゃん先生がテニスをやるのも久しぶりらしくその強さは清水と互角、それ以上だという。


流石にこれには早苗も驚くかなと思いけや、そんなことなく。むしろ燃えていた。


(もしこれで勝ったらお兄ちゃんにカッコいいところ見せられる。よし、絶対勝つわよ!)


早苗は勢いよく更衣室に飛び込みたった1分足らずで着替えて来た。


「よし、始めましょう!」


早苗が言うとそれぞれ位置に着き始め早苗と清水が前衛、主に点を取りに行く側。裕翔と塚ちゃん先生が後衛、ボールを繋げる側になった。


「高橋部長。手加減なしでいかせてもらいますよ。」


「かかって来なさい。」


そういえば早苗は女子テニス部の部長だったと裕翔が思い出している試合が始まる。


最初に塚ちゃん先生の強烈なサーブが裕翔に来る。


裕翔はそのボールを軽く上に上げストレートにロブで返す。


すると塚ちゃん先生がそのチャンスを逃すことなく鉄砲のような音を出してトップ打ちする。


その時早苗が前に出てボレーをし決まった。

そう思ったがなんと清水がそれを返した。


そしてそのボールが地面に転がっていくのを早苗は見て放心状態になる。


(そんな私のボレーが…)


早苗が驚いていると誰かがその頭を撫でた。


「俺に任せろ。」


裕翔だった。


本当は前衛、後衛を勝手に変えるのは色々あるが練習試合ということで許された。


早苗は涙を手で拭いで構える。


(たった一点でめそめそしちゃダメよ!もっと頑張らなくちゃ。)


お得意のポジティブ思考を発動させ気合いを入れ直す。


また塚ちゃん先生のサーブだ。


"ッパン!"


さっきとは全然比べものにならないほどのサーブが裕翔に遅いかかる。

これはサービスエースかと誰もが思った瞬間、裕翔はそのボールを清水の方に返し抜いた。


誰もが驚き唖然とする。


だが驚くのはまだ早かった。


裕翔は塚ちゃん先生が打ったボールを全てボレーしさらには清水からサービスエースを取った。


そして試合は終わりなんと裕翔たちのストレート勝ちとなった。


「おい!早苗!」


「は、はい!」


早苗も裕翔の強さに驚いて突っ立ていると塚ちゃん先生が大声で呼ぶ。


「はい、なんでしょう?」


「あの子は一体何者なんだ?」


「あ、えっと裕翔くんのことですか?」


「裕翔…あ!」


塚ちゃん先生が何かを思い出すとすぐに裕翔のところに駆け寄る。


「君が来週から入部する秋本 裕翔 か?」


「はい。」


裕翔がやっと言いたいことが言えたという顔をする。


「え?そうだったの?」


早苗は驚き裕翔に近づく。汗をかいたせいか運動着が濡れていて少し目のやり場に困る。


「そうだったら最初から言ってよ〜もう!」


「言おうとしたさ。だけど早苗が…」


「私が悪いって言いたいの?!」


その時全方位から視線を感じ寒気を感じる。


この後、早苗に許してもらうためアイスをおごるはめになったのだった。

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