11話
「じゃいきなりだけど時間がないから試合していくよ。」
「え…」
幸に言われ裕翔は戸惑いながらもコートに入る。幸は逆のコートに。
「ルールはわかる?」
「多少なら。」
「OK。じゃあ試合を始めよう。」
この会話に裕翔は違和感を持ち幸に聞く。
「なぁ、なんで早苗と話す時に語尾にスってつけるんだ。」
そう聞くと幸は苦笑いで言う。
「なんていうか高橋さんの前だとああなっちゃうんだよね…というか下の名前で呼ぶってどれくらい仲がいいの?」
裕翔は少し考えこむ。
(そうか、住田は俺が早苗の兄さんとは知らないのか、あの時と雰囲気というか髪型が違うからな。)
あの時とは早苗とショッピングモールに行った時のことだ。当の早苗は今、この場にはいない。
「まあまあ。」
適当な返事に幸が何か言おうとすると試合スタートの音が鳴る。
「この勝負、勝たせてもらうよ。」
そう幸が言ったすぐあと幸の後ろからサーブが打たれる。
そのボールを裕翔のチームの1人が取り、もう1人がトスを上げ、またもう1人がアタックする。
上手く連携した速いボールが決まったと思った次の瞬間、幸がそれをブロックしたのだ。ブロックされたボールは地面に着き先制点を幸のチームがとる。
その頃裕翔はただただじっと見ていた。
この後は早く、幸のチームがどんどん点を決めていく。
それ受けて裕翔のチームは働かない裕翔を睨む。
「解析完了。」
裕翔が変なことを言うと急に動き出す。
(なんだアイツ…?)
そんなことを思いながら幸は構える。
"ボンッ"
裕翔のチームの1人のサーブを打つ音が聞こえた。
それを幸のチームは綺麗にキャッチ、トスをし幸が飛び上がり今までの中で一番いいアタックを打つ。
(よし!決まった!)
そう思ったつかの間、幸が打ったボールはすでに幸達のコートに落ちていた。
「う、うそだろ…」
幸は今見た現実を受け入れられなかった。
自分が打った今までで一番いいボールを裕翔が人の速さとは思えないスピードでポジションに着き豪速球を打ったのだから。
そのあとは試合は裕翔チームの圧勝勝ちで終わった。




