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10話
2つの影が午後の眩しい太陽でくっきりと映し出されていた。
「吹奏楽部どうだった?」
「まあまあ。」
早苗が聞いた言葉に簡単に返す裕翔。早苗はその言葉を聞いてどこか嬉しそうだった。
廊下を歩く二人は別棟の体育館に向かっていた。
"ギィギィギィ…"と音を立てて開く体育館の扉は緑色で所々錆びていてこの学校の歴史を感じさせる。
「すみません。仮入部お願いします。」
そんなどこかの番組ナレーションを脳内でしていると早苗が剣道部の方に話しかける。
だが、剣道部の人達は声を上げながら素振りをしていて声が届いていないようだった。
別に近くに行って話しかければ絶対に気づくだろが正直言うと剣道部のあの防具の臭さに少し近寄りがたかった。
悩んでいると身に覚えのある少年を見つける。
「あれ?住田くん?!」
早苗が声をかける。
「た、高橋さん?!」
前と同じ事を言う幸に少し笑みをこぼす早苗。
「へ〜住田くんてバレー部なんだね。以外。」
「そうなんスよ。って以外?」
「うん、住田くんって私のイメージだと帰宅部自分勝手元気少年だと思っていた。」
(結構な悪口な気が…)
幸がそう思っていると早苗の隣にいる裕翔に目が行く。
「あ、そうだ裕翔くんを仮入部させてくれない?」
早苗の言葉に驚く幸。
「え?仮入部?」




