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第6話 夜の散歩


トリスタン皇国 城の大広間

――――――――――――――――――――――――――――――――――

伯爵  :「宰相! ヨハン第一皇子の教育を見直した方が宜しいのでは?」

宰相  :「確かに。。。誠に申し訳ない」

伯爵  :「折角の聖女様のお披露目会

      なのに夫人の気分が害されてしまった」

宰相  :「誠に申し訳ない」


皇子を直接叩くのを止(や)めたドルフィン家夫妻は宰相に攻撃対象を切り替える

ただ ドルフィン家と宰相は実は仲はそれほど悪くはない

予(あらかじ)め皇子が面倒になった場合は攻撃するからなと言っており宰相も理解をしている

宰相としてもメンツよりも面倒な第一皇子の態度を改める機会があるほうが

楽だと漏(も)らしていたし

今回の不穏(ふおん)な空気の落としどころ

これは皇子を攻撃するのを止める演技であるとほとんどの貴族が理解している


ヨハン第一皇子は不服そうだが皇后も首を振ってこれ以上発言するなと伝えている


実際に国のトップである宰相、公爵家、と侯爵家は

ドルフィン家と定期的に会っている

王都に滅多に来なく王令を平気で断る為

爵が低くても逆にドルフィン家に出向くぐらいである

それは騎士団も同じである

国を護る その為にはドルフィン家とのつながりは大事である

それが分かっている


皇帝も そして皇子もそれが分かっているから止める事ができない

全ての命令を下す事ができても止める事ができないという無力さ

それがあるから皇子と皇帝はドルフィン家に逆恨みの様な感覚を抱(いだ)いている


伯爵  :「まー 折角のパーティーだ

      皇族の出す料理と酒を堪能(たんのう)させてもらおうかな」

伯爵夫人:「そうですわね

      私達だけが聖女様の時間を奪ってしまうのもなんですし」


そして礼をしてからドルフィン家の夫妻は赤い絨毯(じゅうたん)の上から立ち去る



その頃 城の大広間の壁際

――――――――――――――――――――――――――――――――――――

騎士団長:「えーと私ではいけないのですか?」

伯爵令嬢:「私としても騎士団長にお願いしたいんですけど

      この場にに皇帝夫妻と皇子がいる

      警備の長(おさ)として部屋から立ち去るのは問題でしょう?」

騎士団長:「確かに。。。では部下を呼ばせます おい!!」


その間に 伯爵令嬢は侍女から袋を貰う

パーティー会場にあったお菓子を集めた物だ


***数分後***

2人の若い男性騎士が伯爵令嬢の前に現れる


ダンテス:「近衛(このえ)のダンテスです」


少し大柄な体系

服の上からでも分かる筋肉質

そして愚直ともとられるぐらい分かりやすい真っすぐな性格が顔から見て取れる

黒髪の近衛兵 


レオン :「パレスガードのレオンハルトです」


皇子のサラサラな金髪と違い くせっけの金髪

それで何よりもキザったらしい顔立ち

ただ立ち方ひとつで鍛え込まれていた体感

筋肉質であるが

それをうまく着痩(きや)せさせて見せようとしている


騎士団長:「この二人を護衛に付けましょう」

伯爵令嬢:「あら パレスガード?」

騎士団長:「レオンはパレスガードで私の管轄下(かんかつか)ではないのですが

      以前 鍛えてあげたので」

レオン :「騎士団長の頼みなら断りませんよ」

伯爵令嬢:「レオンハルト

      あなた美しい顔をしていらっしゃるのね?」

レオン :「レディー ドルフィン

      ずい分直接的な言い方をされるのですね?」

伯爵令嬢:「ただ香(かお)りがきつ過ぎます」

ダンテス:「たはぁ」

騎士団長:「あはは」


思わず騎士団長とダンテスが笑い出してしまう


伯爵令嬢:「あなた右利きよね?」

ダンテス:「そうですが」

伯爵令嬢:「ならあなたの左肩に乗せて頂戴(ちょうだい)」

ダンテス:「分かりました」


始めは断ろうとしたダンテスだが利き腕を確認したという危機意識感もあり

また伯爵令嬢のレオンに対する言葉も面白かったため左肩に令嬢を乗せる


レオン :「お嬢ちゃんには香水の香りが分からないのか?」

伯爵令嬢:「レオンハルト 誤解しないで

      あなたの2種類の香水を使用するという考えの深さは

      この広間で間違いなく上位に入るセンスの良さです

      そのセンスの良さは充分に敬服するに当たります」

レオン :「。。。。。。」

伯爵令嬢:「ただ 女性の香水をかき消すのはやりすぎです」

レオン :「。。。。。。」

伯爵令嬢:「なので服を交換してくるというのであれば同行する許可を与えます」

レオン :「あはははははははっは」


レオンハルトは思った

こちらを褒(ほ)めてさらに見限った訳では無いとの認識もさせてくる

凄いな! このお嬢様は!


2種類の香水を使っているというのは今まで誰にもバレた事が無い

自分だけのオリジナルの香りを付けたい

その欲求から生まれた物であり

ただ自分だけの香水を作る知識はなかった

それを酒場で吐露(とろ)した時、黒焦げ茶の髪をした少年が提案したものであり

その簡単かつ誰も真似できない方法を使っている


それを出会ったばかりのこの伯爵令嬢が看破(かんぱ)した

面白い これがドルフィン家か

ガキの御守りには興味がない

そんな考えは搔き消えていた


レオン :「ダンテス 最初はこの先の絵画が飾られてる場にお連れしてくれ

      俺は服を変え次第 同行する」

ダンテス:「分かった」


***数分後***

伯爵令嬢:「へー これが皇帝が飾っている絵画

      うーん」

ダンテス:「どうですか?」

伯爵令嬢:「興味は余り」

レオン :「おーい! 服を変えてきたぞー」


そこにレオンハルトが合同する






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