第5話 自覚がない聖女
美味しい食べ物を食べさせてもらい
綺麗な服を着させてもらい
侍女とかの世話係もつけられ
大魔導士とよばれる人から魔法の訓練や座学を受けて数日
王子ではなく皇子らしい でも発音おなじじゃん と思ってしまっていたが
皇帝 :「今夜 我がトリスタン皇国に聖女様がいらした事を発表する」
との事でお披露目会があった
トリスタン皇国 城の大広間
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普通に皇子様と共に広間にいって挨拶をすればいいだけの事らしいが
会場がざわついている
そして皇帝の挨拶で私達が入場するが
赤いカーペットの上の3人
青いドレスの婦人 目立たない訳がない
右隣にはとてもつもなく紳士的なオーラを醸し出す人
左隣には まるでお人形のようにしている女の子
私はその女の子を知っている
あれは小説やアニメなどに出てくる定番 ポーカーフェイスロリ!!
でも実物で見るのは初めて
本当に可愛い!!
そんな事を思っていたのだが
ヨハン :「チッ ドルフィン家か」
皇子はとても嫌そうな顔をしている
そして入室前に何が起きていたかを私達は知らない
なのに何が起きているかを知らない皇子が勝手に決めつけて発言してしまう
ヨハン :「公爵 侯爵をさしおえての挨拶か!」
伯爵夫人:「あらあら ヨハン第一皇子は相変わらず物を見る目がない事」
伯爵 :「夫人のドレスを褒める事も出来ない子供だ
何が起きてるかなんて判るはずはないだろう」
伯爵令嬢:「ヨハン皇子はまるで
タンポポの綿毛の様に飛んで行く自由な御人なのですね」
会場にいる数人が令嬢のこの言葉の意味を理解する
そして戦慄する
タンポポの綿毛の様に自由
これは隠語で放蕩されているという意味
デビュタントの後の教育で習うべき事柄
それをまだ10歳にも満たない? であろう少女が口にしている
ドルフィン家というだけでも厄介である
その上でだ
途轍もない知識がある
途轍もない教育が施されている
下手に横から口出ししたら飛び火しかねない
それを 令嬢の一言で周りに知らしめてしまう
ヨハン :「ああ 俺は第一皇子で誰よりも自由だからな」
その隠語の意味すら理解できない皇子
ヨハン :「だいたいドルフィン家なんてこの間 馬車で」
皇帝 :「やめないか!!!」
皇子の言葉を止めたのは皇帝であった
ただ それで終わる話では無い
皇子としてはドルフィン家にまつわる噂
不祥事を取り上げてドルフィン家をこのパーティーで馬鹿にしようとした
ただ皇帝はそれを止めるしかない
謎の多いドルフィン家
ただトリスタン皇国としては絶対に必要な家でもあった
ドルフィン家はトリスタン皇国の東端に位置しており領地は2つの隣国と面している
交易の栄えた国 エステート
資源の多い国 プリマベーラ
そして両国は いつでもドルフィン家が寝返る事は大歓迎というぐらいである
逆にドルフィン家がトリスタン皇国を去ったら間違いなく
エステートからは経済的に
プリマベーラからは軍事的に攻めてこられかねない
それでもドルフィン家が他国に行かないのは
皇后が敬意を払っているからに他ならない
それを超える無礼を働いたのならばドルフィン家はこの国を見限るであろう
そんな事すら分からないのか! この馬鹿は!!
皇帝は皇子に対してそう思って声を張り上げたのだが
伯爵夫人:「折角ですからヨハン第一皇子の話の続きを聞かせてもらいたいものね」
伯爵 :「私としてもぜひ興味がある
当然 男は一度放った言葉を飲み込む事は出来ないはずだ」
この時点でヨハン第一皇子は困ってしまう
皇帝である父親が止めたという事は絶対に続きを話してはならない
それは皇子でも簡単に理解できてしまった 皇帝が声を荒げて止めたのだから
その上でドルフィン家が続きを話せと催促してくる
ただ父親の声は絶対である
公衆の面前の前で馬鹿にされても続きを話す訳にはいかない
伯爵夫人:「どういたしたのですか? ヨハン第一皇子
石像のように固まってしまって」
ヨハン :「。。。。。クッ」
それを弄び楽しむかのようにドルフィン家は追撃の手を緩めない
何が起きているか分からなくても梨絵は居心地の悪さを感じている
ただこの状況を誰も止める事はできない
それを打ち破ったのは1人の少女であった
伯爵令嬢:「貴方が聖女様なの?」
梨絵 :「うーん そう呼ばれてるけど自覚が無いんだよね?」
伯爵令嬢:「異世界から来たって言うのは」
梨絵 :「うん それは本当」
フレンドリーに話しかけている
伯爵令嬢としての話し方 聖女様と呼ばれる者に対しての話し方
聖女様としての話し方 伯爵令嬢に対しての話し方
そんなものが全く無いかのようにお互いが話しあっている異様な状態
全員 :「。。。。。。」
会場にいる皆が皆 その話のみを聞かざるをえない
伯爵令嬢:「貴方のいた世界はどのような場所だったの?」
梨絵 :「うーん ここより文明が数百年は進んでいるかな」
”ざわざわざわ”
梨絵 :「でも魔法はこっちの方かな」
”ざわざわざわ”
伯爵令嬢:「魔法の適正は受けたの?」
梨絵 :「うん
氷が良かったんだけど 聖魔法だった」
”氷? 氷ってなんだ?”
”ざわざわざわ”
梨絵 :「水晶玉がぶわーー と光って眩しかった」
”ざわざわざわ”
伯爵令嬢:「そう お可哀想に」
梨絵 :「え?」
そしたら伯爵令嬢が伯爵夫人に耳打ちをしている
ここでの出来事に興味を失ったかのように
礼をしてから立ち去って行った
これが後に親友となる小さな伯爵令嬢との最初の出会いであった




