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第48話 逃避行


トリスタン皇国 シャンデン家の領へ向けて馬で移動中

――――――――――――――――――――――――――――――――――――

梨絵  :「それで?(騎士様と馬で二人乗り きゃーー 大胸筋が頭の後ろに)」 

レオン :「とりあえず距離を出しておきたい

      今日中に行ける所まで行く」

梨絵  :「うん」

レオン :「そして まー アリバイ作りの為というか

      捜索隊を撒くためというか

      会いに行かないといけない人がいるというか

      明日は少しだけお茶会に参加だ」

梨絵  :「へ? お茶会? まだ続いていたの?」

レオン :「公爵家の大きな大きな お茶会だからな

      貴族間で親は情報交換、交渉、婚約者探しとか色々あって

      数日間から1週間だ

      1日会って終わりって訳じゃない

      アンタも お茶会に参加したがってたろ?」

梨絵  :「まー」

レオン :「服はそこそこの物を俺が買ってやる」

梨絵  :「おおーーー 騎士様からのプレゼント」

レオン :「皇子みたいな綺麗なドレスを期待するなよ」

梨絵  :「えーー」

レオン :「えーーー じゃない

      そこまでの物は城下町か大商人からしか手に入らない

      そんな時間も金もないんだよ」

梨絵  :「チャラいのに? この甲斐性《かいしょう》なし!」

レオン :「甲斐?。。。国から逃げようってのに何言ってんだよ!!」

梨絵  :「騎士様との逃避行なのに」

レオン :「まー 聖女様よりも もっといいお嬢さんの方が良かったんだけどな」

梨絵  :「えーー 私 かわいいじゃない!」

レオン :「否定はしないが。。。聖女さんさー 少し残念だし」

梨絵  :「何よそれ!!!」


怒って見せるが本当に怒っている訳ではない

こういう おどけた会話が凄く助かっている


梨絵  :「でも お茶会かー」

レオン :「一番の理由はレディー ドルフィンが居る事だ」

梨絵  :「あの ポーカーフェイスロリ!!」

レオン :「知っている事を聞きだすんだ」

梨絵  :「。。。でも教えてくれるかなー」

レオン :「理由を教えてくれない。。。とか言っている場合じゃない

      聖女さん。。。理由を聞きだすんだ」

梨絵  :「。。。。。。」

レオン :「殺されそうになったんだ。。。なりふり構ってる場合じゃねーだろ!」

梨絵  :「。。。。。。」

レオン :「。。。。。。」

梨絵  :「わかった」

レオン :「。。。。。。」

梨絵  :「ねー 私をエステートに送ったあとレオンハルトは?」

レオン :「暫(しばら)くはつきやってやる。。。知らない世界の知らない土地

      そこに運ばれても普通に困るだろ?

      生活が安定するまでか 元の世界に帰る段取りができるまでかな

      ただ俺はパレスガードとしての任務がある」

梨絵  :「城に戻るの?」

レオン :「パレスガードは城を守る事が責務

      皇帝達の思惑とかは関係ない」

梨絵  :「でも捕らわれたりとかは?」

レオン :「やろうとしてくるだろうな。。。でもそれなら一戦交えるだけだよ」

梨絵  :「。。。ちょっとーー 死を覚悟しないでよ」

レオン :「騎士としてやらないといけない事ってあるからな

      あんたには分からないだろうけど」



トリスタン皇国 城の宿舎近くの騎士団長の部屋

―――――――――――――――――――――――――――――――――

秘書官 :「騎士団長 どういう事だ!!」

ダンテス:「何がです?」

秘書官 :「聖女様が居なくなったんだぞ!! なのに捜索隊を出せないだと!?」

ダンテス:「城下町に買い物か観光にでも行ってるんじゃないですか?」

秘書官 :「そんな訳ないだろ!!!

      昨日の夜に居なくなってたんだぞ!!」

ダンテス:「どういう意味です?」

秘書官 :「昨日の夜から行方不明なんだ」

ダンテス:「どういう意味です!!!!」 声を荒げて すごむ

秘書官 :「だから昨日の夜から」

ダンテス:「夜中に聖女様の寝室へ訪れた!!

      秘書官は結婚前の女性の部屋に行った

      とおっしゃっているのですか!!!!!」 罪人を見るような眼で叫ぶ

秘書官 :「い いや そうではない」

ダンテス:「皇子の婚約者の部屋に夜に行ったと!!!!!!」 剣の鞘(さや)に手をかける

秘書官 :「いや そうは言ってない」

ダンテス:「本当に!!!!」 剣を少しだけ抜く

秘書官 :「あ ああ それは間違いだ」

ダンテス:「そうですか 間違いなら信じましょう

      でも だとすると秘書官はなんで行方不明と

      決めつけておられるのですか!?」

秘書官 :「そ それは。。。」

ダンテス:「聖女様の損失は国の損失

      秘書官が心配するのは分かりますが 聖女様とて一人の女性

      買い物や観光をしたいでしょう 

      それを邪魔するのはいただけない

      なので今日の夜までに戻らなかったら捜索隊を出す事を認めましょう」

秘書官 :「。。。。。。。」

ダンテス:「宜(よろ)しいですね!!!!!!」

秘書官 :「チッ わ わかった」


余りにも愚直すぎる男 ダンテス

だから秘書官はそう言われたら梃(てこ)でも動かないと知っている


このダンテスによる時間稼ぎの行動のお蔭で

レオンハルトと梨絵は逃げ延びる事ができるのであった






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