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第39話 男同士の会話 2回目


トリスタン皇国 ドルフィン家領の町の酒場

―――――――――――――――――――――――――――――――――

客   :「おい お貴族様が来ているぞ」

客   :「ああ それなら飲みに行かないとな

      悩みも話させてストレスを発散させてやらないとな」


どんなに短褐穿結(たんかんせんけつ)な服を着ても 伯爵様は伯爵様

アルフレッドさんが酷(ひど)い服を用意する事もなく

酒場に来る者達は貴族か貴族の関係者として皆わかってしまう

それを敢(あ)えて口に出さない客

その辺は客の方も心得(こころえ)ている


エールを皆と共に飲む

それも豪快に美味しそうに


それだけ疲れとストレスが溜まっっているのであろう

それ以上に 酒を奢(おご)ってもらえる

だから周りの人としては文句は無い


酒場の主としてもそうだ


多くのエールが売れる 売り上げが伸びる

断る理由がない


ただ この日を嫌っている人間が1人居る

それは 黒こげ茶の髪をした少年チャールズ


いくら働いてもお給金の額は変わらない

なら忙しい日よりも 一般の日の方が楽に金をもらえるからだ


伯爵  :「なー 主よ 今日は彼」

酒場の主:「今日はいます」

伯爵  :「本当か!!! やっと会えるか!

      少し話したいんだ 数分後 彼を外に送り出してくれないか」

酒場の主:「了解しやした」



***数分後***

トリスタン皇国 ドルフィン家領の町の酒場の裏口

―――――――――――――――――――――――――――――――――

伯爵  :「やー 少年」

少年  :「あー 貴族のおっちゃん

      それともドルフィン家の伯爵様と言った方が言いのかな」

伯爵  :「へー 私の正体を知っていたのか?

少年  :「この酒場では何故(なぜ)かバレてないけど

      普通に知らない方がおかしいと思う

      もしかして バレてないと思っていた?」   

伯爵  :「え?」

少年  :「この酒場に来る貴族 地理的にドルフィン家関連しかないし

      地域の平民は正体は知らなくても おっちゃんの顔を知っているし」

伯爵  :「でもドルフィン家の伯爵とは限らないだろ?」

少年  :「まーね でも青を着こなす事の出来る貴族はドルフィン家しかいない      

      そして その夫人のドレスの話

      ドルフィン家の伯爵だろうなと」

伯爵  :「それは参ったな」

少年  :「って事で逃げていい?」

伯爵  :「こらこら」

少年  :「でも まー そうか。。。そうか」

伯爵  :「それより会いたかったよ

      なかなか会えないから避けられていたと思ってたし」

少年  :「その通りだよ」

伯爵  :「え?」

少年  :「当然だろ? アンタが来れば飲める人間は幸せになる

      酒場も売り上げが伸びて幸せになる

      でもさー 俺の立場からだと休憩も取れないぐらい忙しいのに

      給金がかわらないんだよ

      皆の幸せ その為の不幸が自分一人にのしかかってるみたいでね

      ハッキリ言っておっちゃんが来る日に働くのは損なんだよ」

伯爵  :「。。。」

少年  :「ただ今月はどうしてもいつも以上の金がいる

      だから今日は仕方なかったけどね」

伯爵  :「そうか。。。なんか悪いな」

少年  :「いや 伯爵が領民と直接飲み交わすこと自体は悪くないし

      おっちゃんが悪い訳でも無い


      俺だけの問題だ! ただ損だけはしたくないんだよ

      それより どうしたの? また悩み?」

伯爵  :「まー そうだな

      それより まずは前回のお礼をしたい」

少年  :「なんか くれるって言うなら貰うよ」

伯爵  :「これでどうだ?」


伯爵が金貨を放り投げる

それを受け取った少年は直ぐに放り投げ返す


伯爵  :「どうした? 足りないのか?」

少年  :「貰いすぎ!!! 

      銀貨だったら。。。貰いすぎだけど今月は厳しいから貰っちゃうけど」

伯爵  :「銀貨 銀貨。。。すまない金貨しかない」 ポケットを探っている

少年  :「ははは やはりお貴族様だね? おっちゃん」

伯爵  :「ちょっと待ってろ! 換金して来る」

少年  :「やめなって そんなハシタナイまねは

      おっちゃんはさー 一応 伯爵様なんだから」

伯爵  :「そ そうか。。。なら これはどうだ? この銀の指輪」


伯爵は指輪を取り外し少年に放って投げる

それを受け取った少年は直ぐに放り投げ返す


伯爵  :「え? ダメなのか?」

少年  :「俺 おっちゃんにそこまで嫌われてる?」

伯爵  :「え? いや 全然」

少年  :「本当に?」

伯爵  :「ただ お礼がしたいだけだ」

少年  :「俺の事 殺そうとしたのかと思った」

伯爵  :「!!! 何を言っている?」

少年  :「違うの?」

伯爵  :「違うさ」

少年  :「まー なら 次は銀貨を用意しておいて」

伯爵  :「指輪じゃダメなのか?」

少年  :「あのねー そんなの俺がどうやって換金するんだよ!!

      逆に盗んだって言われて牢に放り込まれるだけだよ!!

      そしてそれが伯爵様の物だった お前 打ち首!!!」

伯爵  :「あ!!!。。。すまない。。。そうだよな。。。

      酔っているせいか配慮が足りなかった」

少年  :「それより おっちゃん」

伯爵  :「ん?」

少年  :「おっちゃんが夫人のドレスに刺繍(ししゅう)いれてるの多分だけどバレてるよ」

伯爵  :「。。。へ?」






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