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第21話 平民の少年 その2


トリスタン皇国 ドルフィン家領の町の片隅

――――――――――――――――――――――――――――――――――


梨絵  :「ドルフィン家? あの悪さをしている?」


その質問にダンテスは困ってしまう

ミステリアスなドルフィン家

黒い噂(うわさ)も絶えない

子供を馬車で轢(ひ)いた とか

敵対貴族の家に放火した とか

その上でダンテス自身はドルフィン家を信用している。。。

というかドルフィン家の令嬢に恩もある

そしてドルフィン家の良い部分は

このトリスタン皇国では珍しいぐらい領民に良政を敷(し)いている事

でも自分の雇い主で忠誠を誓っている皇子

そしてその取り巻きの皇子派と敵対している事

だから どう答えたらいいものか


ダンテス:「まー」

少年  :「おーい おバカな質問でダンテスさんを困らせるなよ」

梨絵  :「へ?」

少年  :「それが分からないんだから お可哀想 とか言われちまうんだよ」

梨絵  :「。。。。。。」

メアリー:「あのー チャールズさんは何でその

      アルフレッドさんの足跡を探してるのですか?」

少年  :「イタズラするために決まってんだろ?」

梨絵  :「へ? イタズラ?」

少年  :「水を汲んだ桶(おけ)をバシャーって」

全員  :「。。。。。。へ?」

少年  :「壁を背に立っている

      相手は闇に紛れて何かを監視してる。。。というか隠れるのが仕事

      そこにバシャーって水かけられても 怒ってこれないだろ?

      闇魔法まで使って隠れてるはずだから」

全員  :「。。。。。。へ?」

ダンテス:「いや 少年!! 伯爵家の執事長にそれはマズいだろ!?」

少年  :「まー たまたま水をバラまいたら

      そこに隠れている人間が居た。。。ってだけだし」

メアリー:「。。。。。。(止めなくていいんですか?)」 ダンテスの方を見る

ダンテス:「。。。。。。(相手は伯爵家の執事長だ 流石(さすが)にやらないだろ)」

梨絵  :「。。。。。。(この少年ガチでやる気だ)」

少年  :「それで聖女様はここで何してんだよ?」

梨絵  :「えーと 待ち合わせ? 侯爵さんと南に向かうんだって」

少年  :「へーー まー せいぜい頑張ってくれや」

梨絵  :「投げやりだなー 病気が流行っている村があって

      一応 人の回復をしに行くんだよ?」

少年  :「どうせラトゥールの領地だろ?」

ダンテス:「。。。(様 または 侯爵を付けないか!)」と言いかけたが止めた

少年  :「デュクルーが任されてる場所だったか 問題あったの」

ダンテス:「。。。(様 または 男爵を付けないか!)」と言いかけたが止めた

少年  :「ふーん まー この町で回復魔法を使わない限り問題ないけどね

      つーか 使うなよ! 使ったら軽蔑(けいべつ)するから」

梨絵  :「。。。へ? どういう事?」

少年  :「そこの 近衛兵のおじさんに聞いてみな?」

ダンテス:「。。。(おじさんではない! 私はまだ若い)」

梨絵  :「ダンテスさん どういう事です?」

ダンテス:「??????」

梨絵  :「。。。。。。(きょとんとしてるなー)」

ダンテス:「いや なんの事だか (この少年は何を言っているんだ?)」

梨絵  :「。。。。。。」

少年  :「護衛をあんまり虐めてやるなよ (知らないのか 伝えられてないのか) 

      俺が質問しろって言ったんだけどな(ならダンテスは大丈夫か?)

      見てわかるだろ! ダンテスは騎士の鏡みたいな人間なんだから」

梨絵  :「ねー チャールズ君は何か知ってるの?」

少年  :「知ってるけど教えない」

梨絵  :「何でよ!」

少年  :「だってアンタ皇子と仲がいいんだろ?」

梨絵  :「まー 顔はいいし、筋肉もあるし。。。信用してるけど」

少年  :「美味しい食べ物、お金、位、そしてイケメンの囁(ささや)き

      でコロッといっちまった訳(わけ)だ」

梨絵  :「ちょっと 人を何だと思ってるのよ!」

少年  :「違うと?」

梨絵  :「違うわよ!!(違わないけど)」

少年  :「なら アンタが皇子に聞くべきだろ? 他の人巻き込むなよ!」

梨絵  :「。。。。。。」

少年  :「皇子に聞いても教えてくれないだろうけどな」

全員  :「。。。。。。」

梨絵  :「なんで誰も何もおしえてくれないのよ?」

少年  :「教えたくても教えられない。。。だろ? ダンテス

      まー 知らなきゃ教えようもないだろうし」

ダンテス:「。。。。。。(私が知らない? いや知らされてない?)」

少年  :「だから知(・)っ(・)て(・)い(・)る(・)リ(・)ュ(・)ー(・)ズ(・)じゃなくて

      知(・)ら(・)な(・)い(・)ダ(・)ン(・)テ(・)ス(・)が護衛してるって事だろ」

ダンテス:「!!!」

梨絵  :「へ? (リューズさんが何かを言おうとしたのは覚えている)

      じゃー どうすればいいのよ?」

少年  :「教会の人に訊いた?」

梨絵  :「教会の人? 余りいい印象ないんだけど」

少年  :「なんで?」

梨絵  :「回復魔法を使用するために高額なお金を請求してるって」

少年  :「うん それで?」

梨絵  :「しかも それを指示したのがドルフィン家だって」

少年  :「うん そうだよ。。。それで?」

梨絵  :「それでって。。。教会とドルフィン家は悪い奴じゃない」

少年  :「それで教会全体が悪い奴だって思ってるわけだ」

梨絵  :「そうじゃないの?」


そしたら地面を指差す

私が何かなーと かがんだら

わたしの耳を覆(おお)ってヒソヒソ声ではなしてくる


少年  :「病院を実際に自分の目で見てから教会の人と話してきな

      それでも考えがかわらないんだったら そうなんじゃないか?

      ダンテスと侍女には言うなよ? というか巻き込むなよ」


そう言ってから少年は走り出す


梨絵  :「え? ちょっと?」

メアリー:「あのー 聖女様 あの少年に何と言われたんです?」

梨絵  :「いやー 良く解んないです」

メアリー:「そうですか。。。」







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