第18話 平民の少年の一日
トリスタン皇国 ドルフィン家の領の片隅
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***朝 日の出前***
早く起きる
少年 :「じゃー お母さん 行ってくるねー」
町にある瓦版の店
配達10件分を受け取る
1軒1軒配達を終わらす
この時間から起きている家 この時間から働いている侍女
それらに渡していく また家によっては宅配箱の中に入れる場合も
そして最後の1軒が少し遠い
この頃には日が昇ってくる
だから休憩がてら最後の配達用の瓦版をゆっくりと読む
へー 聖女さん頑張ってら―― 意味もないのに。。。いやあるのか
まー あの皇子だしなー 人気取り用の手柄になっている訳か
おー 教会が聖女様を正式に拒否している
。。。というとドルフィン家が関わる事になるのかー
メッサに動きはない。。。本当か? コレ?
少年 :「よっと」 新聞を綺麗に畳んで立ち上がる
少年 :「さーて こいつを届けちまうか」
そして朝日に照らされた道のなかを一人で駆け抜けていく
***10分後***
届け終わってからパン屋へ行く
少年 :「おはよー 買いに来たよー」
パン屋 :「あー チャールズ いい所に来た
菓子パンと総菜パンとパイを
ドルフィン家に持って行って欲しいんだ
駄賃も弾むぞ」
少年 :「。。。。。。いらない!
それより このパン2斤買わせてねー」
パン屋 :「いや 駄賃をはずむから」
少年 :「いくら?」
パン屋 :「銅貨2枚だ」
少年 :「いらない!!」
パン屋 :「銅貨3枚ならどうだ?」
少年 :「あのさー 俺が貴族嫌いなの知ってんでしょ?
いつも通り馬車で着てもらえばいいじゃん」
パン屋 :「いや それはそうなのだが」
少年としてはお金が欲しい
ただ 甘い話にホイホイついていく程に愚かではない
そして魔物と同じ いやそれ以上に危険で気を付けないといけないのが
貴族である事を知っている
少年 :「はい 銅貨! それじゃーねー」
お金を渡して そそくさとパン屋を出る
パン屋 :「あ! ちょっと待て!」
そんなパン屋の店長を無視し走って行く
庶民の味を知りたい! という事とそこそこ美味しい
という事でこの町のパン屋には貴族が買いに来る
貴族が馬車で買いに来る
その手間は銅貨2~3枚なんて安い物ではない
それを考えたらあのパン屋の店長は明らかに中抜きをしている
明らかに通常以上に搾取されての仕事はするつもりはない
そして 貴族相手なら そこそこの礼儀を知っている人間に頼むのが筋だ
だから絶対に裏がある
下手したら奴隷として捕まったり誘拐されたりする可能性がある
あのパン屋のパン 好きだったんだけど
明日から違うパン屋に行くかなー
村の他の子供にも念のため注意しておかないとなー
家に戻り母親とパンを食べてから 近所で掃除と農作業の手伝い
パン屋が怪しい事を伝えておく
***昼***
町の食堂で一番安いメニューを頼んでからそれを頬張る
食堂のおばさんにもパン屋が怪しい事を伝えておく
それから町の図書館に
村の図書館の本は全て読みつくしてしまった
だから多少遠くても町の図書館に行く
そしてひたすら読書
この時間だけは 少年は自由であった
労働からの解放 日常生活の不安からの解放 時間からの解放
本の活字が生み出す想像という夢の世界
ただ睡眠の終わりを告げる朝日とは逆で
夕日が沈む事が自由時間が終わる事を告げる
***夜***
町の酒場の駐車場を見る
今日は馬車が来ている!!
なら 止めておくか
馬車が居れば 働かない
馬車が無ければ コインによって働く
それが少年の決め事である




