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魔法の星の恋物語  作者: 知香
第2部
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18.浮気

「すぐに染み抜きしましょう!これは魔道具で、契約書等への署名によく使われる特殊なインクなのです。落ちにくいですが、すぐに染み抜きすれば薄くはなると思いますので!」


「あっ……いや、大丈夫──」


「ほら!早くこちらに!」


かなり強引に背を押されて、カリナ様が行ってしまった方向とは逆に連れていかれた。


そして何処かの部屋に通された。

部屋の入り口で手早く使用人らしき方に染み抜き作業を指示していた。


「すぐ来ると思いますので、ソファに座ってお待ちください」


「は、はい……」


(良かったのかな?カリナ様が犯人を追ってくださったのに、何も言わずここに来てしまった……)


でも、プブル侯爵家の邸で、プブル卿自身からドレスを汚されてしまって、そのままでいたらプブル卿が何か言われてしまうかもしれない。ご迷惑がかかる。ちゃんと体裁を守るためにも、染み抜きはして貰った方が良いのだろう……多分。


(すぐ来るって言ってたし、すぐに終わらせて貰えば……そしてすぐに戻ろう)


染み抜きの魔法が使えればな……。

ああ、でも魔道具のインクって言ってたっけ。魔法じゃ落ちないのかな。


暫くすると、女性が1人入ってきて、すぐに染み抜きをしてくれた。丁寧に作業してくれたが、落ちきらず少し残った。


「申し訳ない!薄くはなったが、汚れが分かってしまうな。代わりのドレスを準備させようか!」


「いえっ!そこまでしていただかなくても大丈夫です!」


「しかし……では、新しいドレスを贈らせて欲しい!」


「いえいえっ!本当に大丈夫ですから!」


「そうか……」


そう言うと、女性に下がるよう言い、部屋に2人になってしまった。


(ちょっ……2人は不味いのでは……)


「あの、私はこれで失礼して、ホールに戻ります」


お辞儀をしてその場から立ち去ろうと背を向けたら、腕を掴まれた。


「少し、お話ししませんか?」


(お話し!?)


「あっ、あの……」


「まあ、座って」


腕を掴まれたまま、かなり強引に反対の手で腰を掴まれ、ソファに誘導された。


(なんか、怖い……)


「フレイヤ嬢。君はベルック公爵の息子と婚約したんだったね」


「……ええ、はい」


分かっているなら2人っきりは不味いので離して欲しい。


「彼は浮気はしないの?」


「は?」


「彼の兄は女たらしで有名じゃないか。未亡人との多くの噂もある。あの外見だからね、モテるだろうし」


エミリオ様って……そうだったの!?

知らなかった……。確かに初対面の時、凄くスマートに手を取られキスされたっけ。女たらしで有名だったんだ。


「弟も凄くモテるらしいね。兄と同じで遊んでたりしないの?」


「……してません」


「どうして分かるの?君に隠れて浮気してるかもよ?おかしいなって思ったこと無いの?」


レオン様はモテる。


私が婚約者になっても、虫除けとして全く役に立っていない程、変わらずモテる。


愛の言葉はスラスラ出てくるし、キスも色んなバリエーションで、受け身の私は恥ずかしがってばかりで。


経験があるから?

他にもお付き合いしている女性がいるから?

だからあんなにも恥ずかしげもなく出来るの?



でも……

初めてキスした時は、恥ずかしくなって逃げてしまったって言ってた。

この間の湖畔でも、私の声を聞いて顔を赤くしていた。



「レオン様はそんな人じゃありません!私、失礼します!」


毅然と言って立ち上がる。

掴まれた腕を振り払おうとするが、男の人の力には敵わず、逆に引っ張られてしまった。


「今も、他の女性が隣にいるかもしれないよ?」


「……やめてください!」


おとがいをグイッと掴まれた。


「君の唇は、男を誘うね」


顔が近付いてくる。


嫌だ!

キスされちゃう!


レオン様っ!



『また怖い目にあったら俺のところに転移しておいで』



レオン様の台詞が頭を過る。


(レオン様っ…………!!!)




◇◇◇



「はぁ、どこいったのかしら。はぁ……」


フレイヤ様に嫌みを言う令嬢が、やっと姿を現したかと思って追いかけたのに、見失ってしまった。


誰だったのか分からなかった。ドレスがピンク色だったということしか分からない。


私としたことが、逃してしまった。


仕方がないので、化粧室に戻ることに。

しかし、化粧室にフレイヤ様がいない。


「はぐれてしまったから、レオンお兄様のところに戻ったのかしら?」


とりあえずホールに戻ろう。犯人を逃してしまったことも報告しないと……。


何人かの男性に声を掛けられたが、急いでいることにして断り、足は止めなかった。実際急いでいるのだ。


私もフレイヤ様みたいに婚約したら、声を掛けられなくなるかしら……。面倒なのよね、結構。


婚約か……。


ホールに入り見回すと、エミリオお兄様とレオンお兄様は見事にご令嬢に囲まれていた。


婚約ね……。

しても意味ない人もいるのね。


近寄って周りを見渡すが、フレイヤ様の姿が見あたらない。


「レオンお兄様!」


「ああ、カリナ。あれ?フレイヤは?」


「フレイヤ様、戻られていないのですか!?どうしよう!どこにいったのかしら」


「何があった?」


近くの令嬢に話を聞かれないように、レオンお兄様に連れられ一度ホールを出た。



◇◇◇



「化粧室に入ったら、フレイヤ様に対する嫌がらせの言葉を言われて、私それを言ったと思われる令嬢を追いかけたのです!でも見失ってしまって……それで化粧室に戻ったのですが、フレイヤ様がいらっしゃらなくて……」


カリナを付けたが、嫌がらせの言葉は変わらず言われたのか。


「そうか……フレイヤは俺が探す。お前は兄さんのそばにいろ」


「でも……」


「いいな」


「……はい」


いくら優秀と言えど、女のカリナに色々やらせる訳にはいかない。まだ社交場に出始めたばかりだし、あいつ自身も色んな男性に狙われているのだ。


しかし、何処をどう探せばいいか。


彼女の魔力を辿るか。あまりやったことはないが、感知できるか……。


目を閉じ、ふうぅと、息を吐き意識を集中させる。

なんとなく感じる彼女の魔力。


……やはり、化粧室の方角だ。


とりあえず化粧室に向かう。


すると、1人の令嬢が向こうから走ってくる。

あれは……


「はっ、はっ、あっ!あのっ!レオン様!」


「君はこの間の……」


ドルバック伯爵の妹だった。


「大変です!フレイヤ様が……!倒れたんです!」


「えっ!!!」



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