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魔法の星の恋物語  作者: 知香
第2部
31/159

2.婚約

我が邸の玄関にて家族揃ってお出迎え。

相手方も親子揃っての訪問、なのだけど……


いやいやっ!今日も超絶美形!

レオン様、薔薇の花を周りに背負ってます!?幻覚が見えてます、私!

華やかさ、美しさ、格好良さが半端じゃない!

そしてお父様もお母様も美形だから、目がやられます!

凄すぎる!眩しい!!



「フレイヤ嬢。この薔薇を、君に」


レオン様から手渡されたのは、何本あるのか分からないが、両手で持ってもずっしりと重たい真っ赤な薔薇の花束。


周りに背負っているように幻覚が見えていたのではなくて、本当に薔薇の花を持っていたのですね。


……いや!美形の微笑みのバックには、やっぱり薔薇の花の幻覚が見えます!


「ありがとうございます」


必死に作った笑顔で応える。私も一応公爵令嬢。顔が火照っている気がするけれど、大きな薔薇の花束で少しは隠れていることだろう。



「エミリー様、お久し振りでございます」


「お久し振りですね、マデリン」


「エミリー様とこうした形でまたお会いできて嬉しいですわ!」


「ふふふ。そうですね。これからよろしくお願いします」


お母様とレオン様のお母様との親しげな会話にちょっと驚いた。


「お二人は仲が良いのですか?」


レオン様が、私も思った疑問を口にしてくれた。


「お互いに始まりの魔女の直系の公爵家ですもの。幼い頃から知っています。私の方がエミリー様より3つ年下ですけど、社交場で度々顔を合わしたし、遊んでも貰ったし、とても良くして頂いたのよ」


お母様の方が年上なんだ!


「私はきょうだいがいないから、勝手に妹のように思っていました。こんなに可愛らしくて今では美しくなられた人を捕まえて妹だなんて、烏滸がましいわね」


レオン様のお母様はきっと幼い頃、とても可愛かったんだろうな。


「いえ、とても嬉しいですわ!私も長女でしたから、甘えられる方がいて嬉しくて、それこそ私もお姉様みたいに思っていましたわ!」


「そうなのですね」


全く知らなかった。


「ここでは暑いですから、どうぞ中にお入りください」


いつもの穏やかなニコリとした笑顔でお母様が皆を促す。


魔力暴走を起こしてばかりいて、社交場に殆ど出たことのない私。でもお母様は小さな頃からきちんと社交をしてこられたんだな。さっきも私とお父様が緊張している中、お母様だけはとても落ち着き払っていた。公爵家令嬢としての立ち居振る舞い……私、お母様みたいになれるかしら。



その後、応接間で婚約申請書を書いた。これを教会に提出して承認されれば、婚約成立だ。


結婚は私がアカデミーを卒業した後になるが、おそらくアリーチェ王女殿下の結婚式も同じ頃になるのではと言われている。まだ公式に殿下の婚約発表はされていないので、結婚式の日程も不明だ。だから、私達の結婚式の日取りは殿下の日程が決まってからということになった。


正直、レオン様と想いを伝え合ったのがつい先月のこと。夏の長期休暇に入る直前だった。それから数える程しか会えていないにもかかわらず、先日レオン様の邸に招待頂いた時に、レオン様から、「婚約して欲しい」と言われたのだ。


「こっ、こっ、こっ、婚、約!?」と、驚きを隠せずに公爵令嬢らしからぬ声を出し、またニワトリになってしまったのは恥ずかしい思い出。乙女らしく頬を染めて、なんなら涙を浮かべて喜ぶべきだっただろう……。

私って……魔法だけでなく、こんなところまでダメだな……。


そっからが早く、すぐ翌日に婚約打診の手紙が我が家に届き、何にも知らなかったお父様が泡を吹いて倒れたのも、我が家として恥ずかしい思い出……。


お母様はさすがで、「まあ、はやいわねぇ。捕まえられちゃったわね」とニコニコしながら手紙を読んでいた。


そして今日、こうしてご挨拶にいらっしゃってくださり、婚約申請書に署名をすることになったのだ。



「しかし、レオンは家督を継がないのを良いことに、社交を全くしてこなかったから、これからしっかりやらないとな」


「……はい」


レオン様のお父様は、レオン様と同じ黒髪でとてもダンディーだ。レオン様も将来こんな風になるのだろうか。でも顔はどちらかと言うとお母様似だ。顔の造形全てが美しい。


「それはフレイヤも同じです。魔力を制御しきれず危ないことを理由に殆ど社交場に連れていったことがありませんから」


お父様は私と一緒にあんなにも緊張して手がカタカタ震えていたのに、今はそれを微塵も感じさせない、凛々しい振る舞いだ。

やはり公爵家に婿として入り、王宮魔導士として王家に仕えているということもあり、さすがの対応力だ。

やれば出来るタイプなんだな。羨ましい。私もそれを目指そう!


「婚約者となったのですから、2人で一緒に社交場に行ってこれから学べば良いわ」


「そうね。私が一緒に行って教え込みますわ。レオンもいずれ公爵家の当主となるのだから、覚悟なさいね」


レオン様のお母様の笑顔が、何故か怖い。


私は一人娘。なのでレオン様が婿として我が家に来てくれるそうだ。

あと数年もしたら、この美形の方が私の旦那様となり、この邸で一緒に暮らすのか……


いやっ!今考えるのはまずい!

顔が火照ってしまう!

妄想はダメ!


必死に落ち着こうと、俯き静かに深呼吸をする。何回か微かに開けた口からスーハーしてから顔を上げた。そしたらバッチリレオン様と目が合ってしまった。


(もしかして、見られてた……!)


そう思った瞬間にニコリと微笑まれて、その破壊力に結局顔が火照ってしまった。



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