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戦略の一手

マグリットが質が落ちると言った刀も、万見仙千代が見た限りでは良品だそうだ。

それを100本以上。

この辺では流通していないのに、だ。

彼女の人脈と財力の凄さはどれくらいか見当もつかない。


今回の報酬のうち、前払金の使い道は決まっていた。宿を引き払い家を借りるのだ。部屋の多い建物を探して、2階建ての食堂・広間のある物件にした。

すでに契約も終えて荷物も運び込み、明日からの入居となっている。

個室は30部屋。今は侍が12人、マリアン達が3人。つまり、後14人は入居が可能なのだ。

え?侍の数が合わない?

服部正重、三段崎為之と一緒に2人を具現化していたからね。


C「羽川義植」

C「足立六兵衛」

どんな武将かって?

まず2人共1回ずつ覚醒をしている。

さらに称号を持っている。

羽川が「盗賊武将」、足立が「頚取り足立」。

そして2人共図柄がネタという事。

羽川は盗賊というより山賊になっている。さらに肩には千両箱、手には宝石。いや、色々おかしいから。実際に大量の財宝付きで現れた。


足立は巨人だ。2メートルを超える身長。何故か上半身は裸。下半身のみ鎧を着ている。筋骨隆々の肉体がまるでヘラクレスだ。

武器は鉄の棒、鉄張りの槍、棍棒、と重量級の武器ばかりである。

ゴブリンジェネラル襲来の時には2人とも別の門で待機していた。

明日からの入居に備え、その日はオルファンも早めに休むのてあった。



都市の外で世界は動いていた。

脱法都市の歴史の中でもゴブリンジェネラルとの交戦記録はいくつかある。ただし、その全てが人側が攻め込んだ時だけだ。

しかし、今回はゴブリンジェネラルから姿を現した。何故か。脱法都市はミカサ王国に属している。そしてミカサ王国やその周辺国は100年近く戦争をしている。

ミカサ王国の相手はアテナイ都市連合国家。

アテナイ都市連合国家はミカサ王国に奇襲を仕掛けるため、無謀な作戦を決行していた。

ゴブリン帝国のある森を横断しての奇襲である。

全滅を避けるため、1万5千ずつ2つの軍が森に入った。

地図等ない潜入であり、1つの軍は黒狼との戦闘になりながらも森を抜ける事に成功した。その数は1万2千。

オルファン達が遭遇した黒狼はこの軍に追われたものであった。


もう1つの軍はゴブリンジェネラル達に遭遇し、総力戦となった。そして敗走しながら森を抜け、運良くミカサ王国の物資集積基地近くに出る事ができた。

その数は6千。半数以下となっている。

脱法都市を攻めたゴブリンジェネラルはこの軍を探していたのだ。


物資集積基地を発見したアテナイ軍は決死の突撃を行った。基地を守る兵は3千。前線でないため油断もしていた。抵抗らしい抵抗がないまま基地は陥落。大量の食糧、兵器、武具はアテナイ軍の手に渡った。


森を抜ける事に成功したアテナイ軍1万2千は東に進み、途中の村や街を灰塵に帰した。各地の領主の抵抗など踏み潰していく。

国内に2つの敵国軍がおり、さらに補給線を絶たれたミカサ王国は即座に討伐を指令した。

その中には脱法都市へ実力者を貴族に斡旋する依頼も含まれていた。脱法都市が長年希望していた都市の拡張を対価として。

国は金を出さず、都市が貴族に雇用される実力者にある程度の財貨を支払う。もちろん貴族も別途に多少は支払う。だが、貴族の負担が少なくなる事で雇う兵を増やし、兵力を増やす事が目的であった。

戦乱の風は吹き荒れていた。

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