スキルの目覚め
念願の賃貸住宅に入る。
食堂や倉庫はあるが風呂はない。いずれは風呂に入りたい。
オルファンに割り当てられたのは一番広い部屋が2つ連なった部屋であった。
奥の8畳くらいの部屋が秘密の部屋、手前の12畳くらいの部屋が居室という贅沢な使い方だ。
かつての持ち主は奥を衣装部屋、手前を執務室としていたという。
うん、広いね。
奥の部屋にスーツケースやパソコン、スマートフォンを置く。誰かに触らせるつもりはない。この部屋に置いて大事にしないと。
こちらに来て半年近く過ぎている。さすがにパソコンの電源は入ら、入った。
「パソコンの電源が入りました。スキル『電脳』が解放されました。」
・・・・。
え?
パソコンを開く。
「なんだ、このメールの数。」
始めはようこそからだが、だんだん無視すんなになって、最後はお願い気付いてとなっている。
使える機能は『メール【受信専用】』と『神ラインショッピング』、『悪ゾン』。
メールは差出人不明で色々と入っている。内容は食べ物についてから戦闘アドバイス、酒に対する愛など様々。少なくとも10人以上から来ていそうだ。
神ラインショッピングは通信販売だ。創造神神殿に寄付をすれば銀貨1枚につき1Gとなり、買い物ができるようだ。武器から薬、ペガサスなど幅広く販売されている。
悪ゾンも通信販売だ。こちらは魔神崇拝を掲げる占い師に寄付をするようだ。普通に魔神崇拝の紋章を掲げているという。こちらも銀貨1枚につき1Mとなる。売られているのは魔剣、妖刀、奴隷や禁書など。ヤバイ雰囲気がプンプンする。
もしかして、この世界にきてすぐにパソコンを確認していたら「電脳」スキルを最初に手にしていたのかも。しくじった。
「機能の追加もあります。アップデートにご期待ください。」
なんだろう、急に悲しくなった。
名前:オルファン
称号:迷い人
レベル:36
状態:記憶消去
スキル:ガチャ(ユニーク)
大器晩成
電脳
???
剣 レベル2
槍 レベル2
棒 レベル2
斧 レベル1
棍棒 レベル2
長柄 レベル1
弓 レベル1
投擲 レベル2
幸運
加護:
後方の物資集積基地を奪われ、ミカサ王国の前線は混乱していた。将軍や貴族の意見も纏まらない。
短期決戦、前線維持、後退。内部崩壊を起こすのは時間の問題であった。
オルファンが自由にできるお金は金貨150枚。残りは皆のために使うと決めている。家を出て貧民街へ向かう。刀鍛冶の近くにいたはずだ。居た。
魔神崇拝の占い師。
小さな黒いテント。開いているようだ。
「失礼します。」
テントに入る。
そこには中東の踊り子のような格好の女性がいた。
顔はマスクによりわからない。だが、見せ付ける肢体は瑞々しい。漂う香が妖しさを増していく。
「どんな御用?占い?それとも私を抱きに来たの?」
「寄付をしたい。」
表情はわからないが女性が戸惑っている事がわかる。
「慈善なら創造神神殿に行って。ここは魔神を崇拝する場所よ。」
こちらも説明できる事でもない。
寄付金がどう使われるかもわからないが、己のスキルのためだ。
問答は避ける。
「金貨50枚を寄付する。どうすべきかはわかるだろ?」
いや、俺がわかってない。
「私を買う気?」
「いや、寄付だ。では、失礼する。」
うん、ドキドキした。
帰ってパソコンを確認すると5000Mがチャージされていた。次は神殿だ。
創造神神殿は賑わっていた。
シスターを通して神父に金貨50枚を寄付をする。
名前を聞かれる前に逃げ出す。司祭を連れて来ようとしていたし。面倒はゴメンだ。
帰ってパソコンを確認すると、やはり5000Gがチャージされていた。
これで買い物ができる。後はパソコンを開かなくてもできるようななって欲しいのだが。
ん?メール?
「初めての寄付、ありがとうございます。今より24時間セールを開始します。今後も色々なイベントを用意しております。これからも神ラインショッピングをよろしくお願いします。」
「初めての寄付、感謝いたします。今後の魔神の活動に役立たせていただきます。感謝の気持ちを込めまして、悪ゾンでは24時間セールを行います。ぜひご利用ください。これからも悪ゾンをよろしくお願いします。」
・・・・。
さぁ、セールだ!




