覚醒
ゴブリン軍撃退から数日が過ぎた。ゴブリンジェネラルが『謎の爆発』で倒された話題は未だに尽きない。誰が倒したのかについては、マグリットが「フフフ。秘密よ。」で黙っていてくれるので助かっている。
当たればいいな、で投げたら倒しちゃいました。なんて恥ずかしくて言えませんよ。
そのせいか「ゴブリンジェネラルを倒した男」を名乗る者が増殖中である。その中に混じりたくないよ。
さて、幸運を手に入れてからのガチャだがCが4連続きた。幸運の意味がないって?
それが全て同じカードだったら?
4回目の覚醒が終わる。
図柄も装備品などあきらかに良いものを持っている。また頭の中に声が響く。
「4回目の覚醒が終わりました。最後の覚醒を終えると覚醒ボーナスが付与されます。Cは肉体強化(小)と抗魔力(小)が付与。UCは四大基礎魔法から1つを付与。Rは加護が付与。と、なります。後は御自身でお探しください。」
「Cを初めて4回覚醒させました。これにより、ガチャが次の段階に進みました。1日2回引けるようになりました。」
やったぜ!!1日2回引けるのはでかい!!
そして4回覚醒させると覚醒ボーナスがあるとは!
すぐに具現化させた万見仙千代達に申し訳なくなる。戦略なんてないけど、これで戦略の幅が広がる。
いえ、言ってみたかっただけです。
そして4回覚醒させたカードであるが、
C「佐脇良之」
「織田家家臣。前田利家の弟。小姓、後に赤母衣衆。桶狭間の戦いで信長が城を飛び出した際に付き従った5名の1人。後に出奔。浮野の戦いで手柄をあげた。」
「具現化」
元は美男子であったであろう30代である。少し陰があり、渋みもある。赤い母衣を着けた騎馬武者の姿があった。
「佐脇良之、参上したした。」
山口飛騨守、加藤弥三郎と旧交を温めた後に腕試しが行われた。レベル30超えの2人と4回覚醒済みでレベル1の佐脇良之。
強いのはもちろん山口と加藤の2人である。しかし、佐脇を圧倒できない。覚醒による基礎能力アップ、スキルアップは予想以上に効果が大きいようだ。
これからはできるだけ4回覚醒を終わらせてから具現化するべきだな。
都市が落ち着きを取り戻し始めた頃にマグリットから呼び出しを受ける。報酬精算のためだ。
すでに名馬や武器、金貨をある程度はもらっている。残りは金貨と成果報酬だ。随行は万見仙千代のみである。
「フフフ。よく来たわね。支払いが遅くなって悪いわね。フフフ。」
相変わらず色気の塊のような人だ。
「まずは約束の金貨2000枚ね。」
目の前の机の上に袋が20。大金である。
「仕事についてはゴブリンを都市内に入れない事。
難しい仕事だけど無事に終わったわ。でも報酬内になるわよ。」
そりゃそうだ。破格の金額での仕事だったのだから。
「追加で報酬とするのはゴブリンジェネラル討伐ね。本来の仕事外だし、大物討ちだもの。」
そう言って出されたのは大小20本超の刀。
「あなた達は刀がいるのでしょう?この辺ではあまり流通していないわよ。良いものだけを集めたわ。」
そう、貧民街の刀鍛冶は整備や修復は問題なかった。しかし、彼の打つ刀は、侍達には素材から腕から全てが物足りなかったようだ。1回の戦で駄目になる程度だそうだ。
自分は見てもわからなかった。
とは言え、他に刀はないのであるだけ買っている。
「失礼します。」
万見仙千代が断りを入れて刀を見る。色々な角度から刃を見つめ刀を納める。
「良き品です。業物と言えましょう。」
どうやら良いもののようだ。
「気に入ってくれたようね。それより少し質が落ちる物もあるの。報酬としてあげるわ。」
おるふぁんはかたなをげっとした。




