成長
先頭を剣と小盾を持ったルーナが進み、槍を装備したマリアン、蒲田治道、オルファン、短弓を使うジェシカと続く。
この階層の敵はアサルトフロッグ、闘鶏、さ迷う綿毛。手に入るのは蛙肉、鶏肉、木綿糸。
何故綿毛から木綿糸が手に入る?不思議だ。
この階層の敵は相手にならないくらい弱い。
オルファン以外には。
アサルトフロッグの突撃を腹に受け、闘鶏の攻撃を脛に受ける。さ迷う綿毛には攻撃が当たらず、特殊攻撃で眠らされてしまう。
これだけされて問題がないのはレベルが10を超えてるおかげです。
金稼ぎではなく、実戦での訓練が始まった。
「御主人様、腰を落として盾を構えてください。
始めは敵の攻撃を盾で受ける事から。相手をしっかり見ましょう。」
ルーナの指導で戦いに慣れる事から。
今までは止めを刺すだけで、戦闘と呼べる行為をした事がない。アサルトフロッグの突撃にすら腰が引けている。
たが、盾で受け続けていると敵の攻撃が見えるようになってきた。いや、今までは見ようとしていなかったのか。
剣で攻撃をしようとする。当たらない。
「力が入りすぎズラ。
あっ、力が入り過ぎております。」
力が入り過ぎて速度も落ち、軌道もぶれているという。
軽く振る。
ブンブンといい音がする。
だが、これで敵を倒せるのか?
当たったが敵を一撃では倒せない。
「当てるのではなく、振り抜くズラ。
あっ、えっ。振り抜くのです。」
振り抜く。あっ。
倒せた。
普通に嬉しい。
オルファンの訓練を終えたパーティは先を急ぐ。
さすがに中堅冒険者と侍だ。
地図に従って5階まで進む。
オルファンの訓練に時間を使ったため、今日はここまでだ。引き返す。
オルファンが修業をしていた頃、万見仙千代達はすでに3グループのゴブリンを討伐していた。
「どう思いますか?」
万見仙千代の問いに稲津重政が答える。
「集団での戦い方を知っておる。
より人数が多い集団での戦い方も知っておった場合は厄介よ。」
「恥ずかしながら私は強くはありません。
上様の御側に仕え、武功はありませぬ。」
「某は日向は伊東家の家老として戦はこなしておる。とはいえ、個人の武を求めたわけではないな。」
「主様にお願いし、武人を求めるべきかと。」
「兵法の基本は数を揃える事。正しいな。」
会話を打ち切り、次の獲物に狙いを定める。
「奴らを討って街に戻るか。」
「主様が心配です。」
2人は身を屈めて飛び出す。
狩りが始まった。
街でオルファン達と万見仙千代達が合流する。
ダンジョン探索組の稼ぎは銀貨2枚。ゴブリン討伐組の稼ぎは金貨20枚。
1日の稼ぎとしては充分だ。




