ダンジョンへ
蒲田治道。
引き締まった筋肉を持つ40代程の武将である。
剣技に優れるが流派はない。
我流で鍛え、戦場で鍛えられた剣術だと本人は言う。
万見仙千代や稲津重政が手合わせをしたが、
「レベルによる能力差で圧倒できますが、単純な刀の技量では私以上ですね。」
「良き武者ですな。」
中々の評価である。しかし、弓・槍の扱いについては「物足りない」ようだ。見ていてもさっぱりわからん。自分から見たら弓も槍も凄かったから。
剣術特化型と考えていいのか?
さっそく金稼ぎに動き出す。
万見仙千代と稲津重政はゴブリン討伐へ。
蒲田治道を加えたオルファン組5人はダンジョン探索へ向かう。向かうダンジョンは4つの中で地図が1番安かったダンジョンにする。1階から10階までをセット価格で買う。
この街のダンジョンは入場料はわずか銅貨1枚。
ただし、ダンジョン内での出来事は全て自己責任となっている。救助もなければ、トラブルの仲裁も行われない。
「1日銀貨5枚だ。案内人を雇わないか?」
「1日銀貨3枚!槍を使えるぜ!!」
ダンジョンの入り口は賑わっていた。
屋台まである。
そして多くの人が雇用を求めて、求人活動をしている。
「兄ちゃん、俺を雇わないか?1日銅貨50枚でいいぜ。荷物持ちがいるだろ?」
ボロボロの服の子供が近寄ってくる。
「待ちな。コイツは荷物を持ち逃げするぜ。
雇うなら戦力がいいぜ!」
瞬く間に売り込みの人間に捕まる。
「壁役を10名雇う!!おらんか?」
野太い声が響く。見ると熊みたいな戦士が斧を担いで声を張り上げていた。
その声に売り込みをしていた人達はそちらに移動する。
「今のうちに行こう!」
ダンジョンの中へ駆け込んでいった。
ダンジョンの中は薄暗かった。
田舎にある岩盤をくり貫いたトンネルに近いだろうか。高さは3メートルあるかないか。
ここは広いが通路は幅2メートルくらいか。
これでは弓は短弓がいいし、槍も短槍以外では振り回せない。
所々壁が仄かに発光している。
なんだ?
「あん?光苔を珍しがるなんざルーキーか?」
見事なハゲ頭をしたオッサンが近付いてくる。
蒲田治道を見て片眉をあげる。
「どこかの貴族様のダンジョン体験ですかい?
手練れと美人の護衛をお連れで。」
「貴族ではないですよ。
ただ、ダンジョンは初めてなので興味深いです。」
営業スマイルで対応する。
「そうなんですかい?
後で無礼だとかは勘弁ですぜぃ。
壁がうっすらと光ってるのは『発光石』ってのだ。
そいつは掘り出せねぇ。
そして壁に張り付いてボンヤリ照らしてるのが『光苔』だ。
こっちはダンジョンでしか繁殖しねぇ。
でもな、ダンジョンから持ち出しても2~3日は光ってるぜ。だから光苔の採取を専門にやってるヤツもいる。」
色々な情報を聞き出す。
「この都市は大きく分けて5つに別れまさぁ。
スラムじゃねぇが、貧民街には近付いちゃマズイ。
あそこには訳ありの人間が何人も逃げ込んでますから。」
「国の戦争なんざ、この都市には関係ありませんぜ。実は出陣したくねぇ貴族様も滞在してるんでさぁ。なんで、高級住宅街や高級宿がある富裕街では貴族様もチラホラと。」
解説役、ありがとう。




