day7 -最強のカウンター-
「カウンター……!?」
「羽築、こんなとこでやり合ってて良いの〜?鈴が―――って、羽築がいない……!?酒嫁も……!やられた……!」
姫憂が驚いている隙に麻耶は鳩羽のいた所へ目線を向ける。
しかしそこには鳩羽は存在せず、麻耶の視界の端に表示されていた端末のUIに目を向ける。
そこには確かに酒嫁の三つのライフが二つに減っていたのだ。
姫憂の攻撃を守の太刀で守りながらもう一人の仲間・鈴庵へ連絡を取る。
やがて連絡を取り終えたのか、麻耶はふふ、と頬をゆるめて笑った。
「……ふ、良いの、冥羽さん?そんなに私に攻撃して」
「えっ……、?」
「この攻撃を幕に上げます」
「あっ……、しまっ……!?―――……。」
空間が歪むような錯覚を覚えた。
麻耶が二刀を交差させた瞬間、姫憂の視界には、自分自身が敗北する未来が鮮明に焼き付く。
攻めれば切り裂かれ、守れば崩される。
逃げ場のない鉄壁の理が、姫憂の呼吸を完全に奪い去ったのだ。
彼女の問いかけに姫憂が反応した瞬間、麻耶の「守の太刀」がまるで生き物のように軌道を変えた。
カウンターの衝撃は冥羽の防衛ラインを容易く突破し、姫憂の身体を光の粒子へと変えていく。
轟音と共に、実況の声が霓虹全域に響き渡る。
『おぉーっと、ここで防戦一方だった透朱がカウンターで姫憂を打ち破ったぁぁ!姫憂と酒嫁は数分後復活します!』
残された水面には、もう誰もいない。
ENDS NOVAというチームの牙城は、麻耶という絶対的な天災の前で、今まさに崩れ去ろうとしていた―――。
「そんなんじゃ、帝都の足元にも及ばないぞ〜〜〜っ?」
『わずか数分でENDS NOVA、まさかの鳩羽のみとなってしまった!』
二対一。
圧倒的な戦力差。
水面に残された鳩羽の背中は、孤立無援。
しかし、その肩に刻まれたENDS NOVAの紋章は、かつてないほど鋭い青白い光を放ち始めていた―――。




