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滅んだ地球では銃と魔法と、パワードスーツが活躍する。  作者: ネコ軍団
第2章

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第60話 強制排除開始

 全身から青白い光を発する虎太郎、彼から空へと一筋の青い光が伸びて、夜空を照らしている。レイと甘菜の二人は甲板に立って青い光の先を見つめていた。


「さぁ! 聖獣様! 我の前に姿を!!!」


 青い光に照らされた夜空に、三日月型の小さな裂け目が出来た。裂け目に青い空とそれを遮る木々の青々とした葉が見える。


「転送ゲート…… レインデビルズを呼ぶつもりか。姉ちゃん。迎撃準備だ」

「了解!」


 レイは腰にさしていた、アサルトをライフルを取り出し構えた。甘菜は彼の前にたって盾を前にだす。二人の前に空からラクビーボールのようなが楕円形の物体が落ち来て甲板の上を転がていく。物体の数は二十個以上あった。


「あれ…… なんか植物の種みたい……」


 楕円形の物体は茶色に縦に白い線が入った、一見してひまわりの種のような見た目をしていた。


「あれは食人植物の種だ。クソ!」

 

 レイはアサルトライフルの引き金を引いた。銃声がこだまして転がった種に銃弾がぶつかる。だが、種は硬くヒビが入るだけだった。


「無駄だ! 温守! 聖獣様! 私たちの契りの儀式を…… どうか見守り下さい!」


 虎太郎の体の光がおさまり。光が消えると同時に空に出ていた裂け目も消えて元の夜空へと戻っていた。ばら撒かれた種を見て満足そうにうなずいた、虎太郎は陽菜乃に顔を向けほほ笑むのだった。

 

「来るぞ! 姉ちゃん!」


 種にヒビが入って割れて中から緑の色の茎がのびていく。あっという間に茎は成長し姿を変える。


「「「「キシャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!」」」」


 種から下半身が木で、上半身が木の鎧を身にまとった、人間の姿をした魔物が現れた。魔物は男女あり男は手に手斧や木の柄の槍を武器として持ち、女は弓矢と剣を携えている。魔物名前は食人樹という。名前の通り人間を食べ栄養にする植物の魔物である。

 食人樹たちはレイと甘菜に向かって一斉に襲い掛かる。二体の男の食人樹が斧を振りかざしレイたちに迫る。


「「グギャ!?」」


 銃声が二発轟きレイ達の前に、迫っていた二体の食人樹を背後から銃弾が貫いた。食人樹は胸を貫かれ穴が開き倒れる。

 食人樹たちの背後に両手を前に出し、二丁の拳銃を構える黒田が浮かんでいた。


「こいつらは僕が引き受けよう。甘菜くんは甲板に残った人がいないか確認してください。レイ君はシールドの対処を!」

「わかりました」

「頼むぜ。マー君!」

「だからそのあだ名は…… もう!!」


 黒田は怒って通信を切ると、持っていた二丁拳銃を乱射するのだった。感情が高ぶっていても彼の射撃の腕は正確で食人樹の頭を的確に吹き飛ばしていく。


「レイ君! 黒田さんをいじめないの!」

「はいはい」

「もう!」


 適当に返事をするレイにムッとした顔で、甘菜は甲板に残った人間がいないか確認に向かうのだった。


「加菜さん! 準備は出来た?」

「あたしが持ってくより。あんたがあれを使った方が速いだろ。チップを装備してあるよ」

「おぉ! ありがとう」


 レイは甲板の上に手を伸ばし意識を集中させるのだった。

 食人樹をばらまいた虎太郎は、下半身を伸ばし陽菜乃たちの前へと移動していた。陽菜乃の一メートルほど前で速度を緩めうっすらと不気味な笑みを浮かべながら彼女にゆっくりと近づく。


「やめて…… こっ来ないで……」

「おい! やめろよ! 嫌がってんじゃん」

「そうだよ! 最低!」

「うるさい!」


 両手を前にだした虎太郎、彼らの外側に手のひらを向け、左右に広げるような仕草をする。陽菜乃の左右にいた清華と愛が横に移動していく。


「なっなに!? これ! おい磯せん! なにをしているんだよ」

「おい!? ちょっとやめろよ!!」


 光の輪から数本の触手が伸びて来て、二人の足を持ち上げた。触手は二人の足を大きく開かせる。さらに触手は二人の浴衣の裾をまくり、清華の青く布が輝くような下着と愛の赤く透けた下着がさらされた。

 二人の上に浮かぶ光の輪からさらに一本の触手が下りて来た。他の触手と違い先端が細く丸く穴が開いていた。


「何を…… 礒先生! 二人をどうするつもりですか!」


 陽菜乃が叫んだ。目の前にいる虎太郎はニヤリと笑って清華に目を向けた。先端の穴の開いた触手が彼女の左足に巻き付くながら体を伸ばし股間へと迫っていた。愛にも同様に触手が迫っている。


「あれは僕の中にいる聖獣様のおしべだ。二人は聖獣様の種を宿し聖女となるのだ…… はははっ!」

「聖獣!? それに聖女ですって!? 最低!! あなた教師なのになんてことを」

「教師!? だからどうした! あんなクソガキどもがどうなろうか知ったことか! あいつらは手の汚れた軍人に謝罪するような馬鹿だ! 聖獣様に捧げた方がヘスティア様も喜ぶ! あの笑顔をまた僕に向けてくれる!!!!」


 右手のひらを前に出した虎太郎、陽菜乃がわずかに後ろに下がると同時に、彼女の頭の上の光の輪から触手が数本出て来た。触手は伸びて陽菜乃の足に絡みつき、清華と愛と同じように足を開かされる。


「キャアアアアアアアアアアアアアアア!!!」

 

 強引に足を開かされて悲鳴を上げる陽菜乃だった。触手によって裾をまくられ太ももの間から、彼女の薄いピンク色の下着がさらされる。虎太郎は彼女を見てニヤリと笑う。


「心配するな君は違う。僕たちは夫婦になってヘスティア様に祝福されるんだ! だから君には僕を受け入れてもらう」


 虎太郎の足の下から触手が伸びていく。二人に向かった職種と違い先端が丸く不気味な透明な液体が先からしたたり落ちている。陽菜乃足の触手は巻き付きながら、彼女の股間へと先端を伸びていく。


「こっ来ないでーーー!!!」

「嫌! いやあアアアアアアアアアアアアアア!!!!」

「やめろ! やめろよ! やめろよ!!」


 迫って来る触手に三人が悲痛の叫び声をあげる…… しかし、それをかき消すような機械の駆動音が響く。その音は工事現場で硬い物体を切断するような甲高い音だった。あまりのけたたましい音に触手を操る虎太郎はおもわず動きを止めた。音が鳴る方に目を向けた。


「なっ何をしている!!! 貴様!!」


 音がした方を怒鳴りつける虎太郎。そこには青い薄い壁の前でレイがっていた。彼の手には四角い取っ手がついた箱の先に丸い刃がついたカッターを持っており、それで壁を切りつけていた。レイが持つカッターと壁がぶつかり火花のような青白い光が彼の足元に落ちていく。

 慌てて虎太郎は陽菜乃の前から、足を伸ばしてレイの近くへと移動した。陽菜乃の前から触手はなくなり彼女はホッと安堵の表情を浮かべる。同時に清華と愛に迫っていた触手もするすると光の輪の中へと戻っていった。地上へお下りた虎太郎は、壁を斬りつけるレイを怒鳴りつける。


「やめろ! やめろ!!!」


 壁越しにレイが虎太郎の方を見た。首をかしげたレイはカッターを止めることなく壁を切っていく。鳴り響く音で、彼が何を言ってるかわからないのだ。虎太郎は必死に壁の向こうでカッターを指さして止めろと口を動かす。


「やめろ! 何をしているんだ!」


 取っ手についているスイッチを押し、カッターを止めたレイが叫ぶ。


「何って決まってるだろ! 番傘衆の権限によりお前は強制排除だ! 覚悟しろ!」

「なっ! すぐにやめろ!」

「ふっうるせえよ」


 レイは虎太郎の言葉を鼻で笑い無視して、再度スイッチを押し自身が持つカッターの刃を青い光の壁がぶつけた。音を立てて青い光の扉を削り中へ刃を侵入していく。彼が持っているのは対障壁用エンジンカッター。エーテル加工された丸い刃を使い、魔法の壁を破壊し侵入をさせるための物である。なお、エンジンカッターで魔法障壁を破壊するには反応強度の数値が七十以上が必要になる。


「来るな! こっこっちには人質が居るんだぞ!!!」

「だからどうした!!!! 俺の任務はお前の排除だ。人質の救出は入ってねえんだよ!」


 激しい音で何を言ってるかわからないレイだったが、必死に叫ぶ虎太郎の口の動きを見て言ってることを想像して答えていた。人質が居ると分かってのレイの行動に、虎太郎は苦虫を嚙み潰したような顔をする。


「ぐぬぅ…… こうなったら……」

 

 虎太郎は浮かんでいた三人に右手を向けた。次に彼は右手をレイに向ける。触手を出している、光の輪が地上へ向け動き出す。


「「「キャアアアアアアアアアアアアアアア」」」 


 三人が悲鳴をあげた。光の輪はレイの壁を挟んで五メートルほどの位置に並ぶ。両手を上に縛られ、足を持ち上げられ開かされた恥ずかしい姿勢で三人がレイの前に並ぶ。特十と肩に書かれたパワードスーツを見て陽菜乃が叫ぶ。


「温守くん!? 助けて!!」

「レイっちなの!?」

「やった! 助けて!」


 陽菜乃たちは次々にレイに向かって助けを求める。しかし、彼は三人に目をくれることもなくカッターで障壁を切り裂いていく。

 レイがカッターを止めた。鳴り響いていた音がおさまった。すぐに虎太郎が大きな声で三人に聞こえるように話し出した。


「残念だったな。こいつは君たちのことなんざどうでもいいんだそうだ。所詮こいつはただの人殺しだ!」

「えっ!? レイっち!? 本当なの?」

「嘘だよね? うちら友達じゃん!」

「温守君……」


 レイは三人に答えずエンジンカッターから手を離す。音がして甲板の上にエンジンカッターが落ちる。三人は青ざめた顔でレイを見つめていた。

 エンジンカッターは壁を一メートルほど縦に切り裂いてわずかに穴が開いていた。障壁にこれくらいの隙間があればレイは瞬間移動ですり抜けることができる。レイの視線はとある一点を見つめていた。

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