ロイドの受難 増量編
ロイドは投降した盗賊3人を捕縛しアジト内を案内させていた。
「奪った財宝はこれだ全部か。捕虜とかはいないのか?」
「へい、捕虜の類はボスがムカデ達の苗床と食料にしちまいやしたんで今は誰もいません。」
「苛ことをしやがる……。」
「おっ、俺たちは止めたんでずぜ。でもボスがムカデの増強が必要だからって言って………。」
「その辺も弁解は後で衛兵たちにするんだな。」
ロイドが盗賊達の弁解を一言でバッサリと切り捨てた時に洞窟の奥で轟音が響いた。
(ローガのヤツまた派手に暴れてやがるな。ここは俺もアジト内の制圧を終えた分身達に盗賊共を任せて応援に向かったほうがいいか。あんまり派手に暴れ回られ過ぎると後始末が面倒だし。)
そう決めると分身と合流すべく盗賊達を連れて移動を開始した。
盗賊達を分身に預けてローガが向かった洞窟の奥に進む。盗賊のボスの部屋と思しき場所の抜け道を通り過ぎ奥に進むと途中から天井が崩れており進むことが出来なくなっていた。
「はぁ~、ローガのヤツ下敷きになって死んでたりしないよな。多分ここは非常用の抜け道だろうからこの先は出口の繋がってたんだろうから外から回り込めばこの先がそうなってるかは分かるか。もう面倒だからアジト周辺を包囲してる分身に外からどうなってるか確認してもらうか。」
さっそくロイドは外にいる分身に指示を出し外の状況を確認させと程なくして分身から連絡があった。
(おい、本体外はドえらいことになってる。すぐに直接確認に来てくれ。)
(ドえらいこと?なんだそりゃ?)
(口では説明しにくい。とにかく来て来れ。)
ロイドはまた一つため息をつくと外に向かって歩き出した。
(俺の能力は分身の位置と会話が出来る程度だから、分身が見たものを直接分身の目を介して俺が見るなんていう便利機能は無いんだよな。もう一つの能力を使えば一瞬で外には行けるけどアレは回数に制限があるから非常時でもないのに使うわけにもいかないし……。ここから外に行く……やっぱめんどくせぇなぁ……。)
すでに先程やる気を省エネモードにしているのでその足取りは重い。
(ドえらいことねぇ……。なんかイヤな予感がするな。)
ヒシヒシとイヤな予感を感じながらロイドは重い足を動かし外へと向かった。
「なんじゃこりゃーーー!マジでドえらいことになってんじゃないか!」
ドえらいことにの惨状がロイドの予想を軽く上回っていたのでロイドは思わず叫んでいた。
外にはムカデのような蛇っぽい謎の魔物の死骸があり、その周囲30メートル程の木々は軒並み腐って朽ちていた。
(とっ、兎に角あの魔物が何なのか調べないとな。周りがなんかヤバいことになってるから念のため分子を先に行かせよう。)
分身に謎の魔物の死骸を確認しに行かせると案の定、分身は木々が朽ちている範囲に足を踏み入れた瞬間に消滅した。
「予想はしていたがやっぱりヤバイ何かがあの死骸の周囲にあるみたいだな。」
ロイドが考察しているとそこにヒョッコリとローガがやって来た。
「おお、やっぱりロイドだったか。」
その手には何故か野兎などの野生動物や小型魔物の姿がった。
「ローガか無事だったんだな。で、どうしてこんな惨状が出来上がったのか説明してもらおうか。」
「どうっていわれてもな……。色々あってこんな感じになったとしか……。」
「わかった。お前からの説明を求めた俺が馬鹿だった。聞き方を変える。まずアレはなんだ?」
ロイドは謎の魔物の死骸を指さし問う。
「百足蛇。」
「なんだ『ひゃくあしじゃ』って?」
ここで驚愕の事実発覚。『百足蛇』の読み方は『むかでへび』ではなく『ひゃくあしじゃ』たったらしい。
「盗賊の親玉がムカデに干物のような物を食わせたらああなったんだ。」
「干物のような物?なんだソレは?」
「俺が知るかよ。なんか栄養がたっぷり詰まった干物だっんじゃないか?」
「そんな分けあるか!栄養たっぷりなもを食っただけであんな風になってたまるか!」
「でも俺の目の前で干物食ったムカデが変化したのは事実だぞ。」
「……分かった。この件に関してはお前に聞いても答えは出ないんだろうな。盗賊のボスはどこに行った?」
「アレに食われた。」
「ジャイアントセンチピートを使役する能力を持っていたんじゃ無かっのか?」
「持ってたみたいだけどアレはもうムカデとは言えないだろうからな。なんか前に戦った大蛇と同じ感じがしたから制御から外れたんじゃないか?」
「……例の大蛇と同じ感じ?……干物。いや、考えるのは後だな。この周りの木々が腐って朽ちてるのは?」
「百足蛇を瀕死にまで追い込んだらなんか背中から翼のようなものが生えてな。たぶん毒の粉みたいのが吹き出してそんな風にいえたんだろうけど。まあとにかくその後に周りの木々あんな風になったんだ。ちなみに、まだ百足蛇の周りにヤバい臭いが充満してるから今近づくとたぶん死ぬぞ。」
「知ってる。分身が1人消滅したからな。」
ロイドはこれまでの情報を整理する。
(ローガが例の大蛇と同じ感じがしたというならあの大蛇と何かしらの関係があるのか?だとしたら干物というのは奪われたという遺物となにか関係がある物なのかもしれない。それに、翼……。レイザール閣下が大蛇について質問してきたときに確か翼が生えてなかったかとか聞いてこられていた。レイザール閣下も例の大蛇については気にされていた。ここは非常通信用の魔導具を使ってでも報告しておいたほうがいいか?いや……しかし確証がない。……だが、後で報告したした時レイザール閣下からなぜ早く報告しなかったといわれたら……。前回も非常通信用の魔導具を使ってでもあの大蛇の事を確認しようとされていたし……。ても、そんなことでいちいち高価な非常通信用の魔導具を使うなと言われたら………。くそっどうすりゃいいんだ?)
ロイドが1人苦悩している横でローガは手早く狩って来た獲物を食っていた。
(ちょっとだけ物足りないな……。追加でもう少し狩ってくるか。ロイドのヤツもなんか1人で百面相してて忙しそうだし。)
「なあ、ロイド。俺まだちょっと腹減ってるから追加で狩りに行ってくる。手ごたえはあったけど百足蛇がホントに死んだかはまだ確認できてないんでもし生きてたら止めを刺しといてくれ。そんじゃ後よろしく。」
ローガは悩んでいるロイドのそう言い残してその場を後にする。
「はぁ?ちょっと待て。今何か聞き捨てならない事を言ってなかったかお前!?ってもういねぇ。……おい、まさかアレが生きてて場合、後始末を俺一人に押し付ける気かアイツ!?」
叫んだ所で狩りに行ったローガが帰ってくることはなかった。
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