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VirtualGT  作者: ラドロ
11/21

第11話 魔物との決戦〜小手調べ編〜 第4戦 菅生・予選

どうも!ラドロです!今回は少し早めの投稿です!


それでは、どうぞ!

第3戦から1ヶ月。俺ー佐藤大輝ーは非常に険しい心持ちでVRサーキットに入った。

前回はポイント圏内で上位を目指せるような走りをしながらも序盤に自分のミスでリタイアとなってしまった。原因はマシンのエンジンがMRだったことが起因して130Rでマシンをわずかにはねさせてしまったときに完全にバランスを崩したのだ。ここでポイントを獲得しなければチャンピオンを争えない、その危機感を胸にガレージへと入った。

といってもマシンの空力パーツなどの変更は不可能だ。作戦(ストラテジー)でどうにかするしかない。


「幸い菅生はコーナーで速さを稼ぐ。まだなんとかなる」

会議でそう言い放った帆高に俺はすぐさま反論する。

「けど最終コーナーは高速コーナーだぞ?前の二の舞い踏む可能性も十分にある」

菅生の最終コーナーは魔物の住むと言われるくらいアクシデントや事故の多い菅生でも特に危険地帯だ。SGTでも最終コーナーでは何度も事故やスピンが起こった。

「問題ない。…大輝、シーズン中でも調整可能なマシンパーツといえば?」

「そりゃ、車高とリアウイング…っ!!」

途中で彼の言いたいことに気づき言葉を切る。春樹も気づいたようだ

「まさか…」

と呻くように呟く。

「そう、リアウイングでリアのダウンフォースを最大に上げる」

彼はそう告げた。


予選Q1が残り1分を切った。俺ーー春樹ーーは8番手以上と言わずポールを獲るべく残り3分のタイミングでアタックラップに入った。勾配率10%を超える上り坂を超え、下り坂でスピードが乗り始めたところでコントロールラインを通過。タイムの測定が始まった。そして下り坂を通過するとほぼ直角に右に曲がった1コーナーに面する。しかしそれを曲がってもすぐに同じ形状の2コーナーに差し掛かる。それを知っていた俺は2回直角に曲がるのではなく弧を描くようにひとまとめに曲がる。少しの直線を経て今度はやや緩やかな左コーナー。ブレーキを踏みつつもスムーズにコーナリングする。このコーナーは曲がったあとが下り坂で油断するとトラクションー地面にグリップし前に進もうとする力ーが抜けてしまい滑るので慎重に抜ける。しっかりタイヤがグリップしたのを確認すると再びアクセルを踏む。前とは少し長めの直線を抜けるとまたまたブレーキング。ここは左45度の鋭角コーナーだからだ。ステアリングを大きく傾ける。そしてそこを抜けるとまたも短い直線だがそこでスピードが乗る前に小さなS字カーブを通る。しかしこれで低速エリアは終わりだ。アクセルを思い切り踏んで一気に加速する。ハイポイントコーナー、レインボーコーナーという二つの丸みを帯びた90度コーナーを1,2コーナーの時よりも少しハイスピードで突っ込み、通過する。するとメインストレートよりも見渡しの良い、バックストレートに入る。ここは何も考えずアクセルをべた踏みしてゆく。ギアを一段、また一段とあげてゆく。そしてバックストレートエンド。ここは馬の背コーナーという名があり緩やかな右コーナーとなっている。横Gを体中で感じながらもギアを落とし、マシンを制御する。しかしまだ息をつくのは早い。ストレートをはさみつつも高速で左に通過するコーナーが二つあるのだ。アクセルオフにしつつもノーブレーキで通過。ここまでで一度もリアは滑っていない。やはりリアウイングによるダウンフォースが効いているようだ。そして次が最後にして最大の勝負だ。

(最終コーナー‼)

ここの最終コーナーは緩やかとはいえコーナーなのに加速し続ける必要があるのだ。加えて最初にも述べた勾配率10%を超える上り坂。ここでは多くのマシンが泣かされてきた。実際にも予選前の練習では数台がコースアウトやスピンを喫したのだ。ステアリングを右にまげながらもアクセルを踏み込む。

(…行けた!)

やはりリアウイングの効果は大きかった。コースアウトはおろかアンダーステアによる失速もなかった。

(タイムはどうだ…)


『さあ立ち上がってきた!タキオンNSXがコントロールラインを通過する!1分10秒7!3番手だ!』

「春樹、ナイスです。3番手をマーク。現段階でチェッカーを受けてないのは2台だけなのでQ2進出が確定しました」

「了解。マシン、めっちゃいいよコレ!」

そしてQ1が終了した。Q1脱落チームの順位は9位からアミューズメント、無双、ブルーホーク、モジューロ、KON、楽天、VRレーシングとなった。


そしてQ2。大輝のアタックを春樹と帆高は無言で見守っていた。Q1ではリアウィングがハマり3番手に食い込んだがリアウィングによってダウンフォースを得るにはパーツを地面に対して傾ける必要があり、それはダウンフォースとともに増加したトラッグによるストレートスピードの低下を意味する。ただでさえストレートでは一歩劣るNSXにとっては大きなかけなのでQ2ではその差で負けてしまうのではと不安にかられる。

残り3分現在、トップはクイーンZの1分10秒3だ。しかしおめおめとポールを渡すわけにはいかない。ポールに限った話ではないがこの菅生戦でホンダ勢がポイントを獲得できないとチャンピオンは厳しくなる。まだ4戦目だが逆に言えばこの時点でチャンピオンを取れそうか大まかに決まってきてしまう。無論、逆転チャンピオンも悪くはない。しかし余裕というものはほしいに決まっている。するとその思いに呼応するかのようにホンダ勢はここから怒涛の巻き返しを図ることとなる。

『さあタキオンが来た!最終コーナー!タイムは1分10秒3!同タイムだ!しかしこれではクイーンZに軍配が上がります。っと今度はマザーが全体ベストだ!1分10秒1!トップだ!!』

そして残り1分。ここからさらにヒートアップする。

『さあウィダーが戻って来ます。タイムはどうか!コントロールラインを通過、1分9秒9!』

そしてそのままチェッカー。なんとQ2初進出にしてポールポジションを獲得したのだ。また2位にマザー、そしてさらにクイーン、タキオンと上位に多くのホンダ勢がランクインし、反撃の狼煙が上げられた。

(続く)


今回も読んでいただきありがとうございました。もし本作品を高く評価してくださるなら次回以降も読んでいただけたらと思います。それでは!

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